遠くの町に行くことにしたものの、行く場所は決まっていない。
リトは地図を開いて全員に見えるように置いてくれている。
遠くの町へ行けばいなくなったフミトが来るかもしれない。
きっとラメル達から逃げたのだから遠くへ行くと考えてそうなった。
今日、行ける範囲で遠い場所…、
色々とあるが近すぎるものや遠すぎるものがある。
「ここはどう?」
そうモクが指をさして提案した場所は農業の町”ラントバヴ”
程よい遠さであるこの町は食糧不足のこの国を支えてくれている町のひとつだ。
「そこ、いいね」
ラメルは距離的にもちょうどいいと思い賛同する。
他の人も無言で頷くのでいいと言うことだろう。
近くを通り掛かった冒険者の馬車に乗らせてもらいそこに向かう。
するとその最中にアオイが口をひらいた。
「えー…勇者さん、?は何代目の勇者かしってる?」
急な問いかけに戸惑ってしまう。
「いや…なにも、あとラメルとか自由に呼んでいーよ」
するとそっかそっかと続け話し出す。
「ラメルさんはね4代目勇者なんだよ」
4代目、つまりそれより前の3人の勇者はもう、と考えてしまうものの話を聞く。
「1代目は魔法の使い方が上手く戦闘の仕方をしっかりと知ってる人」
そう言って1本指を立てる。
「2代目は無名だけど預言者がこの人は魔王を倒す力を持つと預言された人。」
そう言ってもう一本指を立てる。
「3代目に選ばれたのは冒険者ギルドとしてのランクも高く、実力や信頼も厚い人。」
そう言ってもう一本。
「そして4代目は君、ラメルさん。」
そして、と続ける
「勇者の武器は勇者の剣だけじゃないんだよ」
「え?」
勇者と言えば勇者の剣、そうだと思っていた。
勇者が前にも何人かいたのは知っている。
けど勇者の武器が剣以外にあるということは知らない。
「勇者の剣と勇者の杖…の他にあるの?」
そうモクが言った。
「モクさんが言ったように剣と杖はあるね、他には弓があるよ。」
3種類もあるんだ、と少し驚きつつも話を聞く。
「杖は1代目が負けた時に奇跡的に回収できた。けど2代目で無くしてしまった。」
そう言ってバツ印をつくる。
「3代目は弓。けど無くなった。」
そして、と付け足してラメルを指さす。
「ラメルさんは剣」
現時点で3つ目の勇者武器。
これが最後の勇者武器。
想像よりも重い立ち位置に少し、不安になる。
「あの、ラメルが選ばれた理由を知ってi…」
「着いたみたいだよ」
そう言って馬車を降りる。
乗せてもらった馬車の持ち主の冒険者に金貨を数枚代金として払い降りると目の前に広がっていたのは小麦畑や農場。
とても自然豊かで綺麗だった。
その日はもう遅いため、近くの宿へ泊まった。
食事がとても美味しくベッドの寝心地も良かった為ぐっすりと眠ることが出来た。
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朝になり、朝食を食べ宿を出ると、食料の買い出しにでる。
どれも低価格で質が良かった。
「アオイさんが来たとしても後衛がいなくなった以上、戦力が足りない気がするな…、」
そうポツリと呟くと
「らーめるさんッ」
そう言って後ろから突然アオイが現れる。
「わッ!?どこから…!?」
「スキル使ったらこんなのちょちょいのちょいですがー?w」
そう煽り気味に言ってくるものの要件を聞く。
「どーしました?」
「戦力が足りないとか言ってましたよね」
先程のつぶやきが聞こえていたようだ
「え…、まぁ、」
そう、小声で答えると
「自分、宛があるんですけどどーします?」
と、悪戯っぽく笑いながらアオイは答えた。
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《選択しましょう》
・また今度、機会があったら行く
・準備が出来次第向かう