中原中也の電話には僕からの着信
勿論 僕はかけていない
中也 「どうなってんだ、、」
中也さんは僕と携帯を交互に見た後、ゆっくりと「応答」を押した
電話からは、僕の声が聞こえた
「少々 手こずってしまいました。今 戻ります、すいません、、」
10秒にも満たない会話
だが、僕らの空気を凍らせるには十分だった
中也 「手前、誰だ?」
声が低い
逃げなくてはという本能が全身を伝う
敦 「ぼ、僕は、、」
中也 「、、擬態系か?どこの組織の者だ?」
敦 「僕は、、探偵社の、、」
中也 「探偵社にそんな異能のやつは居ねぇ。もっと、まともな嘘をつけ」
敦 「本当に、、」
彼に聞く気は無さそうだ、
今にも、ギラギラとした様子でこちらに向かってこようとする
(逃げなきゃ、死ぬ!!)
僕は、足を虎化させ、来た道に身体を向ける
彼は、僕の様子を見て、「チッ、異能までコピーすんのか、、」と小さくつぶやく。
だが、その後に、まぁいい、と付け加え、異能を発動させ、僕を殺しにかかる
中也 「異能もコピーすんなら、半殺しでも回復すんだろ!」
ギシッ と、道路が歪む
本気で戦ったらマズイ。
だが、逃げる隙も無い、、
敦 「すいません、僕も急がなきゃ行けないんです、」
僕は、中也さんの攻撃をギリギリで避け、中也さんの横を通り抜ける
僕は探偵社に急ぐことにした。
探偵社に行けば、、、
だが、そう甘くはなかった
ポートマフィアの幹部である人からそう簡単に逃げることは出来ない
それに、彼の異能は戦闘向き
足の速さで勝てたとしても、先読みされていたら終わり
死ぬか生きるかは、僕の選択にかかっている
敦 「僕は、、」
僕は、戦わない、、
そして、その判断が正しかったと思い知らされる
中也さんは、僕に本気で拳をふる
ピシッ
拳が顔をかすめる
その直後
ゴンッ という音の後、地面が揺れた
僕の真横には、ヒビの入った地面が、、
僕は、体を強ばらせながらも、背を向け必死に走る
彼も追ってくる
入り組んだ裏道をグルグルと回る
数刻経つと、見失ったのか、中也さんの気配は消えた
敦 「なんなんだ、いったい、」
僕は、安堵のため息を着いた後、疑問を口に出す
中也さんのあの様子
僕からの着信
いつもと違う町
何かがおかしい
だが、そんな事を考えるほど体力は余っていなかったようだ、
僕は、いつの間にか寝てしまったらしい
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翌朝
身体が重い
全力で走ったというのもあるだろが、、きっと、この到底理解が及ばない事態に、、疲れ切ってしまったのだろう、、
、だが身体は動く
僕はゆっくりと立ち、体を伸ばすと 暗い裏道から出る
、、、探偵社のみんなは無事だろうか、、
【街中】
何か、周りの目線が痛い
ただ、歩いているだけなのに、僕を見てコソコソと何かを話している
何故だろうか、
僕は、肩身の狭い思いをしながら、いつもの探偵社のビルの前までついた
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探偵社は、このビルの4階にある
階段を一段一段と登る度、緊張しているのが分かる程、心臓がうるさい
こんな危機位なんだ、、もっと危険な時はいっぱいあったじゃないか!!
僕は、そう思い込んで少し小走りで階段をかけ上がる
探偵社のオフィスからは人の声が聞こえる
良かった、、無事みたいだ、、
僕は、安心し、ゆっくりとドアノブを回す
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僕が「戻りました!」と声をかけようとするが、その声は部屋に入った瞬間に消え去る
芥川
ポートマフィアの幹部 心なき狗 なんても呼ばれているほど、殺しに特化した異能の使い手
そんな奴が、探偵社にいる
ありえない、、
もっと、ありえないのは、、僕に向かって、
拳銃を突きつける 国木田さんだろう、、
やっぱり、何かおかしいんだ、、