テラーノベル
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肩を震わせ佇む翔太は、いつもより小さく見えた。
亮平💚『帰らないの?・・・』
翔太は重そうな足を一歩前へ進めると、俺の方に向き直って〝引き止めてよ馬鹿〟そう言って泣きながら俺の胸に収まった。
亮平💚『翔太の意思で俺の所に飛び込んで来て欲しいじゃん?』
翔太💙『意味わかんない』
背中をトントンと叩くと、翔太は俺の背中に腕を回して迷子になった子供がお父さんにしがみ付くみたいに、離れないように必死に抱き付いた〝大丈夫俺を頼ってよ?〟翔太は返事する事なく抱きついたままだった。
亮平💚『ちょっと待ってて』
そう言ってソファーに座らせた。俺は寝室から大事に仕舞い込んだノートを取り出すと翔太の前に差し出した。
亮平💚『俺の秘密・・・見て欲しい翔太に』
翔太は涙を手で拭うと、ゴクリと唾を飲み込み恐る恐るノートを開いた。
🗒️言葉に出来ない想いを〜
×月×日 俺に似合うとカーディガンをくれた。
×月×日 少し元気がないように見える。
×月×日 笑った笑顔の一部になれてる?君には僕がどう映ってる?
×月×日 君の涙のそばにいる。君が笑えるまで。
翔太は1ページ1ページゆっくり捲り、手で涙を拭っては泣いた。
×月×日 俺らしいって何?翔太俺の何を知ってる?卑怯者の俺は今日も君に好きを言えないでいるのに
×月×日 翔太の痛み1ミリも分けてもらえない。辛い姿をもうこれ以上見ていられない。
翔太💙『りょ…へ…』
亮平💚『あぁ…お世辞にも可愛くないな。鼻水拭いてほら』
跪いてソファーに座る翔太の手を取る。目は赤く腫れて鼻水を拭いた鼻の下は赤くなっている。
亮平💚『もっとカッコいい翔太に告白したかった・・・翔太の事が昔から好きです。気持ち悪いよね?でも好きなんだどうしようもなく。俺に好かれてくれない?』
翔太💙『好かれる資格ない…』
亮平💚『言ってみて?翔太の悩み。俺も勇気を出した次は翔太の番。佐久間がどうしたの?』
翔太💙『ふふっ….お前嫌な奴だな・・・』
翔太は最後の悪態を付くと、順を追って話し出した。とても信じたくない話だった。同時に佐久間をぶん殴る事は確定した。
翔太は佐久間に恋をした。
なりふり構わず想いを伝えたところ〝恋人じゃなくてもいいなら可愛がってあげてもいい〟そう言われたらしい。言葉の意図が最初わからずそれを受け入れると体だけを求められた・・・さすがに虚しさを覚え関係を断ちたいと言うと決まって火曜日の夜に家に来るようになったのだとか。翔太曰く、生放送が始まってからおかしくなったのだと。
翔太💙『佐久間は悪くないんだ。ストレスとかそんなのだよ。アイツは悪くない』
翔太が言うなら俺はそれに従う。そう思いたいなら思えばいい。でも今のままでは翔太が壊れる。
亮平💚『一緒に佐久間のところへ行こう。ちゃんと嫌だって言って翔太の気持ち分かってもらおう。俺がついてるから』
翔太は暫く返事をしなかったが力なく〝分かった〟と言うとノートを掲げて〝これ貰っていい?〟と言った。
亮平💚『えっ?駄目だよ。それは俺の一部だから。片想いの記録なんだ。読みたくなったらまたおいで』
翔太💙『あの….返事は?』
亮平💚『5年でも10年でも待ちますよ。それまでノートの続きを書くから。笑顔の翔太でノートを満たしてよ?まだ俺は大きな一歩を踏み出した所だから』
翔太💙『何か亮平嬉しそうだね』
亮平💚『男同士を嫌がられると思ったから・・・最大の難関突破でしょ?』
翔太💙『そのノート…2人のものにはならない?』
亮平💚『どう言う意味?』
翔太💙『好きって言ったら…亮平の事好きみたい一緒に居ると安心するし離れたくない。胸がドキドキしてる。これって好きって事であってるよね?』
何?何が起きてる?
んっ?好きって言った今?
亮平💚『嘘?いっ今好きって言った?』
翔太は顔を赤くして〝一回しか言わん〟そう言って顔を横に振るとそのまま固まったままだ。
〝ねぇもう一回だけ言って?信じられないよ〟
翔太💙『亮平のことが好き。俺を笑顔にしてくれるんでしょ?一緒にノートの続きを書きたい』
今度は俺が泣く番。翔太を抱きしめると翔太の匂いがする・・・大好きな翔太の匂いが
亮平💚『キスしたい』
翔太💙『うん』
時計の秒針の音が鳴り響くリビングで、時を忘れて唇を重ねた。2人泣きながら不乱に求め合った。
翔太💙『エッチしたい////ダメ?』
亮平💚『…ちゃんと終わらせよう佐久間との事。俺は翔太の事が大事だからゆっくりで構わない』
翔太💙『…抱いて欲しい』
佐久間から心を拘束されていた翔太は満足を心ではなく体で求めた。俺はそれを拒んだ。
体で繋がる安心はただ依存するだけだと思うから翔太と佐久間がそうだったように・・・
ベットに横になると翔太は俺の首元に擦り寄って〝お願いだよ〟と猫なで声で懇願する。
翔太にちゃんと教えたい。体じゃなく、心でちゃんと愛されている事を分かってもらいたい。
亮平💚『読んでないページもあるよ、ほらこことか』
翔太💙『…うん。亮平俺の事…何でもない。あっこれ海外にみんなで行った時のことだよね!』
沢山の大好きが詰まったノートを2人で遅くまで読んだ。すごく恥ずかしくって顔が熱い。
翔太💙『もう一回キスして』
翔太は不安拭うように温もりを求める。上唇を食んでおでこにキスをする・・・
亮平💚『もう寝よう…おやすみ大好きだよ翔太』
コメント
6件
繋げて読み返すと、甘くてとてもよい💚💙
おい、💚!生♡♡♡なんじゃボケ💢🤣🤣🤣🤣もーう、彼女に恥かかせるなよおおおおおお