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「なにみてんのー!」
「んっわ!びっくりした!急に引っ付いてくんな!」
「なになに、ハンバーグの美味しい作り方、?
今日はハンバーグなのかー、いいなー」
「勝手に覗いてんじゃねえ」
そう言ってニヤついている哲汰を軽く叩く。
今日は哲汰と玲と3人で雑誌の撮影。
「なあに、なおくんハンバーグなんて家庭的だね笑
ま、どうせ颯斗リクエストとかでしょ笑」
玲にはなんでもお見通しだ。
「やだ、なおくんたら健気♡」
「うるせーしちけえんだよ!」
「あー、なぁくん!反抗期でちゅか!もう!」
哲汰は俺を茶化しながらずっと引っ付いてくる。うざいし、しつこい。
この2人といると少しだけ昔に戻ったような感覚になることがある。
ここにあいつが入れば。
そう思うのは俺だけじゃないみたいだ。
「幸輝、今どうしてんのかなー。」
一通りふざけ終わった哲汰がぽつりとこぼす。
少しの沈黙で哲汰はやってしまったという顔をする。
「いや!なんでもない!!」
おれはこういう時どんな顔をしているのだろう。
哲汰はとても心配した表情で俺を見つめる。
「もう大丈夫だよ笑5年も経ってるんだし。
それにもう、おれには颯斗いるしなー笑」
玲は少し呆れた顔で笑う。
やっぱり。すべてお見通し。
「もう5年経つのかー、早いなー。
あの頃の直弥はまじ見てられなかったしな。
いやー、ほんと颯斗いて良かったよ!」
「はいはい、この話はもう終わり!
そろそろ準備していくよー。」
颯斗と付き合いだしたのはあいつが卒業してから少しした頃。
明確な告白があったわけじゃない。
それでもきっかけはあの日だった。