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少女は同級生の手を掴んだ人物を見た。
その人物は城壁高校の制服を着ていた。
少女はただその人物を見つめていた。
少女の心の中に知りえない感情が生まれようとしていた。
──── 憧れ?尊敬?
そんなものじゃない。これはきっと、”恋”だ。
人物は同級生からヘアピン取り返し、少女に手渡す。
人 「 は い 」
少 「 あ … え っ と 、 あ り が と う ご ざ い ま す 」
ヘアピンを受け取った少女は嬉しそうに笑みをこぼす。
大事そうにしながら髪の毛にヘアピンをつけた。
人物はそれを見て優しく笑った。
暖かい風が吹く。心までも暖かくするように。
しばらくした後、人物と少女は別れた。
少女は何度もお礼を言いながら手を振っていた。
人物の歩く背中を見ながら少女は小さく呟いた。
少 「 優 し い 人 も い る ん だ な … 」
そう言いながらヘアピンを優しく撫でた。
─── その日の夜
少女は部屋である大事なことに気がついた。
…そう。それは、人物の名前を聞き忘れたことだ。
う ~ … 、 と唸りながら落ち込む。
そのとき、人物の着ていた服を不意に思い出した少女。
少 「 そ う だ … 、 城 壁 高 校 ! ! 」