コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
急に思いついたやつ。
死にたい人間の脅威さんと死なせたくない人外の皆
ut)zmさん駄目やで〜?
後ろから聞こえてくるのはゆったりとしているがハッキリしている彼の声。フェンスの先から後ろを振り向くと青いスーツに藍色の髪、タンザナイトの瞳を持つutだった。彼を気にせず屋上から飛び降りようとすると青色の光に捕まり、utの所へ連れてかれた。
zm)…何やねん
ut)いや危ないやん?それに僕らzmさんに死んでほしくないのよ
そう言う彼の頭には宇宙人の様な触覚があった。嗚呼、また阻止された。いつも俺が消えようとすると皆が止めてくる。俺は人間で皆は人外。俺の方が圧倒的に力が弱い。
ut)そんな睨まんといてや…僕らが死なせたくないって思っとるんそんなに嫌なん?…
触覚が悲しそうに下へ下がった。
zm)嫌に決まっとるやろ、いつも止めてくるんが気に入らへんねん
そんな彼を強く睨みつけると少し落ち込んだ後に医務室へ連れてかれた。
sn)ねぇzm、前も飛び降りようとしたりすんのやめてって言ったよね?
背中に四つの美しい羽、頭上にはクロスしている二つの輪を持つ彼は怒っている様だった。その声は心配と怒り、不安が混ざっている。
zm)別にええやん、俺は人間やし止める意味なんてないだろ
そう言うと彼は大きくため息をついた。フェンスを登る時に切れた腕の治療を終えると俺をそっとベッドに寝かせた。本当に大袈裟な奴だ。退屈なベッドの上で白い天井を眺めているとカーテンが開かれた。
kn)おうおうzmゥ!また飛び降りようとしたんやってぇ!?
syp)うるさいっすクソ先輩…あ、zmさんこんにちは
金色の狼の様な耳と尻尾を持つ騒がしい彼とそんな彼と対象的な焦茶色の猫の様な耳と尻尾を持つ彼がやって来た。水色の彼はベッドの近くにある椅子に座り、薄紫色の彼はベッドの端に座った。
kn)何で飛び降りようとしたん?
2人の耳と尻尾は下を向いていて悲しそうだ。
zm)…言う必要なんかないやろ
syp)あります、だから……
だから言ってくれ、と言いたいのだろう。でもこれは彼等に言っていい事ではないんだ。
zm)悪いけど言えへん、せやからはよ戻りや
諭す様に言うと彼等は渋々帰っていった。ほんと、僕は性格が悪いな。ベッドから立ちあがろうとするとそっと誰かに座らされた。
zm)…gr?
金色のサラサラとした髪に鮮血の様な紅い瞳。頭の上にある黒く鋭く尖った上へ向いた二対の角と頭の横にある同じく黒い角。背中には畳んであるがドラゴンの様な羽がある。まさしく悪魔と呼ぶに相応しい見た目だ。彼は革靴の音を鳴らしながら俺のベッドの近く来ると椅子に座り、こちらを見た。その顔はまるで拗ねた子供の様で、俺達にしか見せない顔だ。
gr)…なんでまた死のうとした
zm)なんでも何も…消えたいから
gr)何故だ
zm)…さぁ、分からへん
そう、分からないのだ。いや、分かりたくない方が近いのだろう。正直消えたい理由は分かっている。昔の記憶は朧げで、いつの間にか生に縋るのをやめていた。忘れているのはせめてもの防衛反応なのだろう。いつからか死を追いかけて、気がつくとコイツ等と一緒に居た。そしていつも強引に助けられる。この前「食べ物を買いに行く」と言い隣町まで出向き、崖から飛び降りたのに手を引っ張られ無理矢理助けられたのはまだ新しい思い出だ。
gr)…言え、これは総統命令だ
そう言うgrは苦虫を噛み潰したような顔をしていた。最終手段…ではないだろう。それの一歩手前といった感じか。何度か考えた後、俺は口を開き今まで蓋をしていた気持ちを出した。
zm)ボクは皆と不釣り合いやねん
俺は、ボクは人間だ。人外じゃない。だから今まで皆と一緒に居て気味悪がられる事もたくさんあったし、なんなら異常者と言われ迫害を受けた。そんな自分が惨めで、嫌で、気持ち悪くて…何も言い返せないのが怖くて辛かった。ボクは昔から血や殺す事が好きだった。だから異常者って皆と会う…いや、逢う前から言われていた。それにボクは人間だ。皆より力は弱いし、寿命は短いし、魔力がボクには無かったから役に立てない。ぽつり、ぽつりと本音を言うとどんどん辛くなって、心が軽くなってきて、白いシーツに小さな水の粒が落ちた。きっとこんな事を言ったから嫌われてしまう。いや、元から嫌われているかもだけれど。そう考えているとgrに抱きしめられた。
zm)ッえ、?
gr)すまなかった、そんな事を思わせてしまって、言わせてしまって…俺達はお前を愛してる、そんな奴らみたいにお前を、zmを嫌う事だなんて絶対にない。俺達も一緒や
そう言うといつになく優しい笑顔で俺の頭を撫でた。もう辛い事も何も我慢しなくていいんだ。目から更に光の粒が頬を伝い落ちていく。少しずつ嗚咽が混ざっていき、大声でたくさん泣いた。たくさん、たくさん。涙で目が溶けてしまうんじゃないかと考えてしまうくらいには泣いた。けれどその涙は今までの“悲しい”じゃなくて、**“嬉しい”**だった。