テラーノベル
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私は、ある人に憧れて調査兵団に入った。
それは、人類最強の兵士と謳われるリヴァイ兵士長だ。
馬に跨り大通りを堂々と進むリヴァイ兵士長の姿は、私の憧れだった。
そして、今日私はリヴァイ班に配属されることになった。
リヴァイ兵士長直々に、私をご指名くださったという。
私はリヴァイ兵士長と会って、ひとつ思ったことがあった。
きっとそれは、他のリヴァイ班に配属された兵士も思っているはずだ。
サラサラで黒い髪は短く切られ、刈りあげられている。
不機嫌そうな顔をしており、特に睨みつけるような目つきがそう印象付けているのだろう。
馬に跨った姿しか見たことが無かったので、予想に反しかなり低い身長にも驚いた。
そして何より驚いたのは、兵士長の性別だ。
低くてとても男性的な声質をしているが、確かに胸に膨らみがある。
今までは遠くからしか見たことが無かったから、気づくことが出来なかったようだ。
リヴァイ兵長は、ひととおり班についての質問を終え、私達の顔を見ながらこう付け足す。
「正直お前らにあまり期待はしていなかった。
だが…オレの期待以上の人材が集まったようだ。せいぜい犬死にはするなよ。」
そう言い終わると、兵長は足早に部屋を後にしようと扉に手をかける。
だが何かを思い出したように振り返り、部屋の床を指差す。
「掃除の方も期待させてもらうぞ。この部屋の掃除はあまりにお粗末だ。」
「お言葉ですが兵長…この部屋は十分綺麗だと思いますが」
長めの金髪を後ろで束ねた、エルドという兵士が
挙手をしながらそう答える。
彼の言うことは納得できた。私の目から見ても、この部屋は十分綺麗に見えたからだ。
聞いていた通り、リヴァイ兵長はかなりの潔癖症らしい。
エルドの返答を聞くと、兵長は顔を顰めながら話を続ける。
「いいや全然なってない…部屋の角なんてクソ溜めみてぇな有様だ…」
そう言いながら、リヴァイ兵長は部屋の角に溜まったほこりを指ですくって見せる。
確かにひどい有様のようだ。
「いいか、全体だけ見て綺麗になっていたとしても、
こういう細かいところがなっていなければただのクソだ。」
そして、リヴァイ兵長は再び扉に手をかけようとする。
その瞬間、扉が勢いよく開けられ、ゴン!という鈍い音が部屋中に響く。
「やぁ!リヴァイ班の皆様こんにちはぁ!!…あれ?リヴァイは?」
「分隊長、あんた殺されますよ…」
「え?」
副官らしき人物にそうツッコまれ、長身でゴーグルをかけた…ハンジ分隊長が下を向く。
そこには先程、突然開いた扉のせいで額を強打したリヴァイ兵長が立っている。
「おいクソメガネ…ノックくらいしやがれ…」
「ああリヴァイ、そんなところに!おでこ赤いけど、どうしたの?」
「どうもしねぇ…自分の胸に手を当てて考えてみろ…」
「ここ?」
「分隊長、それはリヴァイ兵長の胸です」
その瞬間、再び部屋中に鈍い音が響き渡った。
リヴァイ兵長のハイキックが、ハンジ分隊長の腕にクリーンヒットする。
「痛ってええええ!!!どうなっているんだ君のわがままボディは!!
そんな細い足のどこにこんな化け物みたいなパワーが…」
「分隊長!!!もう喋らないでください!!!!」
兵長に吹っ飛ばされたハンジ分隊長が、興奮しながら起き上がる。
そしてそのままリヴァイ兵長の前まで早歩きで歩いてきて、両手を掴む。
「いやぁ、次の巨人捕獲作戦も頼んだよ!!」
「分隊長…まだやるとは決まっていないので」
「君さえいれば調査兵団は安泰だな!!」
「さっさと帰れクソメガネ」
ハンジ分隊長はしきりに手を振りながら、副官らしき兵士は「すいません」と言いながら
どちらも足早に帰っていった。まるで嵐のようだ。
リヴァイ兵長はため息をつきながら、こう呟く。
「オレにとっては、殺すことより生捕りにする方が難しい…」
そんな兵士長の横顔を見て、私は思った。
戦場の華とは、こういう人のことを言うんだ。
私もリヴァイ兵士長の役に立ちたい。折角リヴァイ班に配属されたんだから、
足を引っ張るような真似はしたくない。
こんな事言ってしまうと、必ず笑われてしまうのだが…
私はリヴァイ兵士長が好きだ。
リヴァイ兵士長を間近で見たくて調査兵団に入ったようなものだ…
自分の命を軽んじているだとか、調査兵団を舐めているとか。
そう言われる事は分かっている。
けど、私の心臓を捧げる人くらい、私が決めたい。
私はリヴァイ兵長に心臓を捧げる。
彼女は、私のヒカリだから。
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