想い合うというのは
結局のところ姿に表れることのないものであり
その形に正解などないというのが真理だと思う。
俺は彼を愛しているし、彼も俺を愛している。
たとえ世間に重い愛だと言われようと、
俺は彼についていく。
彼を想い続ける。
彼からの想いを、どんな形であれ受け止める。
それが俺たちの想い合う形。
世間体など気にしない。
俺は彼だけを信じているから。
青 『…桃くん、』
青 『僕たちってさ…想い合ってるよね、』
桃 『もちろん…っ』
青 『愛し合ってるよね、』
桃 『当たり前でしょ、』
青 『…もうっ…さ…』
青 『僕…桃くんにしてあげられることないの…、』
青 『だから…さ、』
青 『僕のために…死んでよ、』
俺という存在が
彼の中で
ただの操り人形だったとしても
欲求処理に使われていたモノだとしても
性欲処理のためのモノだったとしても
おもちゃだったとしても
俺は彼を想っていたし
愛し
愛されていた事実は変わらないから
彼の望みは全て受け入れる。
桃 『…もちろんっ、ニコ』
目に溜まった涙を
溢さないようにそう答え
彼の持つ銀色に光る刃を
そっと受け入れるように目を瞑る。
自分の中の何かが潰れるような
鈍い音が響き、痛みが俺を襲う。
生温かい液体が俺の身体を伝って広がり
白いフローリングはあっという間に赤く染まった。
青 『馬鹿じゃないの…、笑ポロ』
俺がこの世界で一番想い
最も愛した人から聞こえた
愛おしい最期の声。
いつしか
俺の“オモイ”は
体だけを残して
どこかへ消えてしまったようだった。
『オモイアイ』
コメント
1件
うわぁぁぁぁ...😭 めっちゃくちゃ好き🥹♡