研究所につくと、研究員が出迎えてくれた。中に入ると、かなり大きな空間が広がっており、その一角に、大きな機械が置かれていた。
「これです。蒼様。」
「うん。ありがとう。それにしてもすごいな。2日でこれを完成させるなんて思わんかったわ。」
「蒼様の協力あっての事で御座います。動かしてみますか?操作は簡単ですよ。」
「うん。やってみる。━━━━ おっ、すごいね。まさかここまで制御できるとは…あっ魔法通信や。ちょっと待ってや。━━━なんやて?ということは今すぐ行動しなあかんの?…分かった。何とかしてみる。」
「どうした?」
「今となっては誰でもいいけど、魔人絶滅協会に吸血鬼主力の居場所、つまりここを誰か人間の内通者がバラした。討伐兵およそ5万人と、司令官が出陣してきたらしいで。」
「司令官は誰だ?」
「零連村樹洛。」
「!?あいつが!?」
「誰ですか?」
「人類最強の奴だ。我流を極めた剣術で、そして、圧倒的な力であの最強の破邪師を屈服させた伝説をもつ人間。そして、魔人絶滅協会の最高司令官だ。つまり、今すぐこの世界から脱出しないといけない。できるか?アオ。」
「脱出可能だけど…吸血鬼全員をここに連れてくるのは…」
「リース、お前は魔力が卓越してる。俺の3倍だ。だから…俺に魔力を貸してくれ。そうすれば、お前の魔力の3分の2を消費して吸血鬼全員をここに一斉召喚することが可能だ。」
「分かりました!」
「じゃあ、俺に魔力を流せ。」
リースレットが魔力を讓渡すると、デッドは地面に巨大半球形魔法陣を描いた。
“全ての吸血鬼よ。俺の元に集え!”
そして、世界中の吸血鬼約3000人が、研究所に召喚された。蒼もがんばり、転移装置を起動させた。吸血鬼移住計画が始まった。