テラーノベル
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「……寂しいです」
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気づけば、口に出していた。
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彼が、止まる。
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「え…?」
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自分でも驚くくらい、素直な声だった。
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「なんか…」
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言葉を探す。
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「足りなくて」
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胸が、ぎゅっと締まる。
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「前みたいに、隣にいないのが」
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そこで、やっと理解する。
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(あ…)
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これが、何か。
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彼は、じっと音を見ていた。
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「それさ」
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静かに聞く。
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「どういう意味かわかってる?」
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逃げられない。
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でも、逃げたくなかった。
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「……わかってきました」
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小さく答える。
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彼の目が、少しだけ揺れる。
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「好きってこと?」
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まっすぐな言葉。
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心臓が、うるさい。
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でも——
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今は、ちゃんと答えられる。
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「……はい」
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その一言で、全部が変わった。
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コメント
1件
「寂しいです」って、ぽろっと出た言葉なのに、めちゃくちゃ重みがありました。自分で「足りなくて」って気づいていく流れが切なくて、でも最後の「好きってこと?」→「……はい」のやり取りで全部報われた気持ちになりました。短い言葉の連なりなのに、心臓の音が聞こえてきそうでした。素敵なエピソードをありがとうございます🌷