ふと、涙が溢れた
理由はわかりきっている
受験への不安、ショーへのプレッシャー、周りの目
精神的な疲労と、連日の徹夜の身体的な疲労が重なり、限界を迎えてしまった
問題集とノートを閉じ、布団へ向かう
こういう時は寝ておけばいい
彼らに悟られてはいけない
これ以上、何かを背負わせてはいけない
「…おはよ」
ぼそっと寧々は、僕に言った
「あぁ、おはよう」
僕も軽く返した
特に会話をするでもなく、ただ時間が過ぎていく
何も気を遣わなくていいこの登下校時が、僕の癒しにもなっている
寧々の隣は、楽しさよりも安心が勝つ
ずっと離れないでいてくれる信頼がある
だから
寧々にこそ、1番言わないべきだ
深刻な問題を抱えているわけではない
ただ、心身ともに少し疲れてしまっただけだ
それ、だけで
「類」
僕の制服の裾を摘んだ寧々が言う
「なんか隠してる」
「…なんでもないよ」
「嘘つき」
寧々はそう言ってぎゅっと頬をつねってきた
「いたたたた」
ふんっ、と寧々は雑につねっていた手を離した
いたた…と頬を撫でる
「類、なんか疲れてるでしょ。何徹目?」
「…………2」
目を逸らして言った
「また嘘ついた。絶対4轍はしてる」
「なんで分かるんだい」
もはや怖いなとも思いながら会話を続ける
「最近、ワンダショの活動も忙しくて、類、受験生だから勉強もあるでしょ?だから」
まっすぐ、紫色の瞳は僕を捉えた
「だから、無理しないで。約束。」
数秒間の沈黙の後、あぁ、と返した
『こいつ、絶対破るな』とでも言いたいように、目が訴えかけてきた
まぁ、守るよ
君が悲しそうな顔を見たくないからね
あとがき
みなさん、お久しぶりです。覚えていますでしょうか?おだんごです。
長い間放置してしまい、申し訳ありません。
私は割と気分屋なので、高浮上の時は更新が早い早いって感じですが、低浮上の時は本当に浮上しません
久々なので単発にしました
みなさんも、無理し過ぎないように
また気が向いたら、下書きにはいくつかありますので、それを公開していこうと思います
コメント
1件
本当にお久しぶりです まだ覚えている方がいればゆっくりゆっくり更新していくので、応援していただけると幸いです