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臣桜
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#工場長
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第835話「帰宅」、読み終わりました。おかえりなさいの一言が沁みる回でしたね…! 長旅の疲れでホワホワする朱里さんの感じとか、「お家帰れる……」の一言にじんわりしました。やっぱり帰る場所があるっていいなあ、って。恵さんとの「お疲れ様です!」「うわああああ…」のやり取りも、旅の終わりのリアルな空気感が出ていて好きです。 そして最後の尊さんの「仕方ねぇな」からの抱き上げ→カウチソファ…もうね、尊さんの朱里さんへの甘やかし方が最高です。疲れてヘナヘナになっても、ちゃんと見ててくれる人がいるって、安心感半端ないですよね。 次はシャワーとご飯と…ゆっくり休んでほしいです。お疲れ様でした、臣桜さん!
羽田空港に着いたのは、日本時間の十八時前だ。
「わー……、東京だ」
八月半ばなのでまだ外は明るい。
私は十時間近くのフライトの疲れでホワホワしつつ、ベルト着用のサインが消えてから立ちあがる。
「大丈夫か?」
「はい。お家帰れる……」
私たちは物入れから荷物を出し、ビジネスクラスなので優先されて飛行機から降りる。
「疲れたね~」
「私は明日から会社だから、帰ったら爆睡だよ」
恵の言葉を聞き、私は「うわああああ……」とうなる。
「お疲れ様です……! まだ一週間近く休みでごめんね!」
「仕事が違うんだから、しゃーないじゃん。朱里もエミリさんと社長の休み期間、働いていただろうけど、夏休み終わったらエミリさんにお礼言っときなよ?」
「うん。お土産という名の賄賂をしっかり渡しておく」
そんな会話をしつつ私たちはスーツケースが運ばれてくるのを待ち、それぞれの荷物を手にしたあと、車寄せまで歩く。
本当は空港飯で日本らしい物を食べたいけれど、どうやら町田さんがご飯を用意してくれているらしいので、家まで我慢だ。
尊さんと涼さんは予約していたハイヤーの運転手さんに連絡し、どこに車をつけているか確認している。
尊さんなら鉢村さん、涼さんなら尾野見さんか上条さんに頼む事も可能だけれど、公私混同になる上、あちらも今は夏休み期間中だからという事で、ハイヤーにしたそうだ。
もっとも涼さんの場合、先日の恵の誕生日の時に、思いきりプライベートで上条さんをこき使っていたけれど……。
「じゃあ、またね」
恵に手を振られ、私はニコッと笑うと「また!」とブンブンと手を振る。
「涼さんもありがとうございました!」
「どういたしまして。ゆっくり休んでね」
二人と別れた私たちは、ハイヤーの運転手さんに手伝ってもらって荷物をトランクに詰め込み、車に乗った。
「はぁ……」
走行する車の中から外を見ると、懐かしい景色が広がっている。
一週間も経てば「エメラルドグリーンの海が懐かしい!」と思うだろうけど、今は高層ビルの多い東京を懐かしく思っている。
「三十分ぐらいかかるから、ゆっくりしとけ」
「はい」
返事をした私は、スマホを開いて母にメッセージを送る。
【ただいま帰り申した。無事羽田に着いて、ハイヤーに乗ってます。後日、お土産渡しに行くね】
春日さんやエミリさんにもメッセージを送っている時、母から返事がきた。
【無事に日本に着いて良かったです。お土産はいつでもいいから、ゆっくり休んでください】
それを見て微笑んだ私は、シートに身をもたれて溜め息をついた。
(帰ったらまずどうしようかな。荷物を片づけないとならないけど、シャワーも入りたいし、ご飯も食べたいし……)
そんな事を考えつつも、気がついたら私は安心感からか、ウトウトとしてしまっていた。
**
マンションに着くと、老舗ホテルと提携しているだけに、ポーターさんが荷物を部屋まで運んでくれるのでありがたい。
高級ホテル仕込みのプロのスタッフさんたちが管理してくれているので、留守をしていても安心だ。
「ただいま我が家~!」
玄関に入った私はそう言って、ヘナヘナと座り込んでしまった。
「こら、床の上に寝るな」
ポーターさんにお礼を言った尊さんは、ドアを閉め靴を脱ぐ。
「五分だけ……」
「仕方ねぇな」
尊さんはヒョイッと私を抱き上げ、スタスタとリビングに向かうと、カウチソファに私を寝かせた。
「そこで少し休んでな」