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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「見てればわかります。私達の結婚式に来てくれた時、慧さんのお義母さんを見る目がものすごく優しくて『ああ、この人はお義母さんのことが好きなんだろうな』って、思ったんです」



そんな風に思われてたなんて、恥ずかしい。



女性の感覚って、すごいんだな。



「俺、もしかしてストーカーみたいになってた?」



「そうですね。ちょっとストーカーみたいでした」



真美ちゃんがまた笑う。



「ひどいな……」



「慧さん。お義母さんって……若い頃からあんなに素敵だったんですか?」



その言葉で『杏』にいた頃の雫ちゃんが瞬間的に頭に浮かんだ。



そして、俺はゆっくりと答えた。



「彼女は……何も変わってないよ。ずっと……」



「ずっと?」



「ああ。優しくて、笑顔が素敵で、美人で……それに、ものすごく頑張り屋さん」



お世辞でも何でもない、本当に何も変わってないんだ。



ただそこに、年齢を重ねた艶が足されて、女性としての魅力をさらに感じる……なんてことは、言わない方がいいよな。



そのことは、口にするのを止めた。



自分だけの……秘密。



「お義母さん、全然変わってないなんて素敵過ぎます。いつだって優しくて笑顔の素敵な人。私もいつもお義母さんに支えてもらって、こんな風になりたいなって心から思ってます」



それが本心だってこと、真美ちゃんからすごく伝わる。



雫ちゃんには、人を包む温かさがあるから。



俺も、何度救われたかわからない。



彼女がいてくれたから、俺はここまで来れた。



「でも、別に雫ちゃんと同じじゃなくても、真美ちゃんは真美ちゃんらしく……でいいんじゃないかな? そのままの君を、正孝君は大切に思ってるはずだから。もちろん、雫ちゃんのご主人も、雫ちゃんのことを1番大切にしてる。でも……」



「でも……慧さんも、お義母さんのことを大切に想ってるんですね」



俺は……うなづいた。



真美ちゃんには全部見抜かれてるんだな。



「慧さんは、お義母さんを好きになって、ずっと今も独身を貫いてるんですか?」



真っ直ぐな目で俺を見る。



「そう言ってしまうと、結婚できないのが雫ちゃんのせいみたいになるからね。俺は……ただ独身を楽しんでるんだ。この生活に満足してるから。人生の中で時々、こうして大好きな人に会えたら、それで十分っていうか。日々頑張っていればそんなご褒美がもらえる……みたいな感じかな?」



本当は、ちょっと強がりなのかもな。



「素敵です、そんな捉え方ができるなんて。慧さんは最高にロマンチストなんですね。お義母さんは幸せですね。あんなカッコいいお義父さんと結婚して、慧さんからもずっと想われて。何だか映画や小説の世界みたいです」



「ロマンチストなんて、今まで1度も言われたことないな」



2人で笑う。



「私も……正孝君に一生想ってもらえるように頑張りたいです」



「正孝君も幸せだな。真美ちゃんみたいな素直で可愛いお嫁さんをもらって。うん、本当に……みんな幸せで良かった」



俺は、雫ちゃんのことが好きだ。



大好きで……愛してる。



それは、一生変わらない。



この先も、密かに雫ちゃんを想い続けるロマンチストな男でいたいと思う。



それで……十分じゃないか。



俺の人生、1ミリの悔いもない。



ふと空を見上げて思った、「北海道の星空は最高に美しい……」って。



ここに来て本当に良かった。



俺は、ほんの少し込み上げる熱いものを必死で押し込めた。



「あっ、流れ星」



誰かの声。



空からたくさんの星が降ってくるみたいに……



それは、いくつも流れては消えた。



「みんなが大好きな人と一緒にいられて、幸せな笑顔が溢れるように」



この心の中の願いが、俺を支えてくれてる全ての人に、必ず、届きますよう――

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

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