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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「いい気持ち~本当に最高のお湯だね」



「ああ、本当に……何度来てもいいな」



俺が子どもの頃からお世話になってる温泉宿。



雫にプロポーズした思い出の場所。



ゆっくりお湯に浸かった後は、夕食までベランダのソファに座りくつろいだ。



雫と2人きりの今を実感し、素晴らしい景色を見ながら贅沢に過ごせてるこの時間に感謝した。



「前田さんのご家族もたまに来てるんでしょ?」



「ああ。ここのお湯と料理、雰囲気が気に入って、結婚記念日には毎年ご家族で来てるそうだ。彼は、結構ハマるタイプみたいだな。あんこさんのパンもそうだった。よく『杏』に通っていたな」



前田君は、今も正孝の第1秘書として頑張ってくれてる。



社内一信用できる人物だ。



正孝を支え、会社のために身をこにして働いてくれてる。



「女将さんも素敵だし、本当に素晴らしい旅館だもんね。私もここが大好き」



子どもの頃にお世話になった第2の母みたいな存在の女将さんは……残念ながら亡くなられた。



でも、孫の彼女が立派に女将を継いでいる。



この老舗の素晴らしい旅館は、絶対になくしてはならないし、ずっと残してもらいたいと心から思ってる。



「今日は君と来れて良かった。なかなか2人の時間を作れてなかったからな。正孝も、全て任せられるかと言えばまだまだだけど、それでもしっかり頑張ってる。前田君もついてくれてるし、これからは少しずつ雫と過ごす時間を作りたい」



「嬉しい。でも、無理しないで。今まで十分幸せにしてもらったから。こんな私をここまで大事にしてくれて、本当に感謝してる。正孝も真美さんも誠もいて、私はすごく幸せよ」



雫は、いつだってこんなにも魅力的に微笑む。



忙しさに流され、この可愛い笑顔を見過ごしてしまうのはもったいない。



これから先の人生は、雫との一瞬、一瞬を大事にしたい。



「そうだな。孫の顔が見れる日がくるなんて、会社を守るために必死になってた時は考えられなかった」



「祐誠さん、私、あなたが会社や私達のために頑張ってた姿、頭から離れないよ」



「ちょっと……必死になり過ぎてたかも知れないな。今はこんなにも人生が変わって、俺は1人の人間として、ただただ最高に幸せだ。君がそれをくれた。だから、俺も雫にたくさん愛を返したい」



「祐誠さん……もったいないくらいの言葉だよ。だけど、すごく嬉しい」



俺は、雫を抱きしめた。



雄大な山の連なり、そこに夕陽が落ちていく。



湖に映る山々が、風が吹く度なびいて……



そんな美しい光景を2人で見られて、俺は、言葉にならないくらいの幸福感を味わっていた。



「ねえ、祐誠さん。私達が出会った頃のみんな……それぞれ道は違うけど、自分が選んだ人生を立派に進んでるよね」



「ああ、そうだな。懐かしい……」



「何だかあっという間だったね。ここまで」

あなたと恋に落ちるまで~御曹司は、一途に私に恋をする~

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