テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
タイトル通りほぼおまけ回だったけど、めっちゃ笑った😂「胸毛を禿頭に転移させる」とかヒロシの斜め上すぎる発言、最高すぎるww しかも冒険行く気満々でドア開けたらもうベルティーナが鉱石抱えてて「帰るか」って閉めるオチ、拍子抜けだけどそれがまたいいよね〜💕 王女の顔が扉に挟まるのもツボった! カトレアたちとのやりとりも含めて、ギャグ満載で癒されたし、文章のテンポも良くてサクサク読めたよ! 次回も楽しみにしてるね〜⋆♡
「カトレアの親父さん、どうかした?」
傍らにいるカトレアに、ヒロシが話しかける。
何か企んでいるような、“全開の”半笑いで。
「シンキング・タイムみたいですよ?」
カトレアから、秒で回答が返ってくる。
「材料のことなんだがな……」
腕を組んだまま黙りこくっていたカトレアの親父さんが、口を開いた。
「髪の毛の材料ですか?」
親父さんの頭頂部を凝視しながら、ヒロシは毒の息を吐いた。
「ちげぇよ、ボケ!」
「胸毛を禿頭に転移させるなら言ってください」
ヒロシは自信があるようだ。
逃走に使う転移魔法が得意だからだろう。
「魔法で植毛しようとすんじゃねぇ! ナナメ上から失礼なオマエは、3秒で死ね!」
「ハリセンの材料のことですよ?」
そっぽを向いて笑いこらえるカトレアが、声を揺らしながらフォローする。
「いくらかかってもいいですよ? ハミデール国王が払うんで」
ヒロシは盤面に笑みを湛えて即答する。
「そういう問題じゃねえ……。アダマンタイト鉱石のストックがねぇんだよ……」
レア中のレアな金属、アダマンタイト。
そう易々と手に入るもではない。
人が立ち入らない危険な場所にあるのがセオリーだ。
「筋肉もり森の最深部にあるんだがな……」
ボソリと呟いた親父さんの言葉に、すぐさまメイド長が反応する。
「ヒロシさま。いまこそSランク冒険者の出番じゃないですか?」
カトレアの親父さんの禿頭を撫でながら、メイド長が不敵な笑みを浮かべる。
「そうなんだが……」
「ヒロシさま。気がのらないですか?」
「別の意味でイヤな予感がするんだよな……」
「ベルティーナさまは、いまだ筋肉もり森にいるようですよ? 何よりモンスターが心配です!」
「王女からモンスターを守らなきゃいけないしな……」
冒険を決断をしたらしいヒロシに、メイド長から念話が入る。
『ヒロシさま。森に着きましたか?』
『まだ出発もしてねぇよ! もう、切るよ?』
ヒロシは、ブチっと念話を強制終了した。
親父さんからもらった地図っぽい紙を、ヒロシは再度確認する。
集落を出て、東に進めばいいのか……。
カトレア捜索ミッションは、秒で終了したからな。今度こそ大冒険してやる!
カトレア捜索用の装備、1週間ぶんの食料を携えたヒロシが、集落のドアを勢いよく開け放つ__。
「良し……帰るか……」
アダマンタイト鉱石を抱えたベルティーナが、ごっつい笑顔で立っていた。
「ぴろすぃ! 会いたかったぞな! あのね__」
ベルティーナが喋っている途中、大きく開かれた集落のドアを、ヒロシは勢いよく閉めた。
王女の顔が扉に挟まっても、ヒロシは気にしない。
「ピロシ……私の顔が……細長くなっている気がするのだけれど……」
ヒロシは踵を返し、ベルティーナに背を向ける。
肌の保湿をしながら、ゆっくりと夜空を見上げた。
「ふむ……」
アダマンタイト鉱石の収集任務、完了。
ヒロシの大冒険2、これにて終了……。