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れもんてぃ🍋
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童磨はスマホをテーブルに放り出すと、しのぶの首筋に鼻先を寄せ、深くその香りを吸い込んだ。「届くまで30分か……。ねぇ、しのぶちゃん。さっき言った『充電』、もっと深いところまでしていいかな?」
「……。あなたという人は、本当に隙あらばそればかりですね」
しのぶは呆れたように言葉を返したが、向けられた瞳には拒絶の色はない。むしろ、彼に抱きしめられたまま、自分から少しだけ顎を上げて彼の唇を求めた。
それが合図だった。童磨はしのぶの身体を軽々と持ち上げ、そのままリビングのソファへと誘う。
「あ……。ちょっと、童磨さん。乱暴にしないでください。衣装じゃないとはいえ、服がシワになります」
「後で僕が綺麗に畳んであげるから。今は、僕のことだけ見てよ」
童磨の指先が、しのぶのブラウスのボタンを一つずつ、丁寧かつ急ぐように解いていく。真っ白な肌が露わになるたび、彼の瞳に熱が灯った。教祖として数多の人間を慈しむような芝居をしてきた彼が、今はただ一人の女性を独占したいという剥き出しの欲望を隠さない。
「しのぶちゃん……。やっぱり、毒なんて一滴も入ってない君の方が、ずっと甘くて美味しいね」
「……馬鹿なことを。あまり、変なセリフを言わせないでください」
しのぶの細い指が、童磨の金色の髪に絡みつく。唇が重なり、互いの熱を確かめ合うたび、撮影現場で背負っていた緊張感が完全に溶けて消えていく。激しい愛撫の中でも、童磨の手つきは驚くほど優しく、彼女を壊さないように大切に扱っているのが伝わってきた。
重なり合う肌の温度が上がり、リビングには衣擦れの音と、甘い吐息だけが満ちていく。
やがて、幸せな疲労感と熱に浮かされた二人の耳に、遠くで玄関のチャイムが鳴り響いた。
「……っ、届きましたよ。離して……」
「……あと少しだったのに。配達員さんは、空気を読むのが下手だなぁ」
童磨はしのぶの首筋に最後の執着のようなキスを落とすと、名残惜しそうに身体を離した。乱れた髪を指で整えてあげながら、彼は子供のように悪戯っぽく笑う。
「続きは、パスタを半分個した後にしようか」
しのぶは赤くなった顔を隠すように、急いでシャツのボタンを留め直しながら、「……次は、先にあなたを毒殺するかもしれません」と、彼女なりの愛の言葉を呟いた。