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アニメでありがちなセリフ
「くそ、このままでは数でおされる 」
手に取った光線銃は飛び交いながらも、苦の表情を見せない宇宙人達を前に、絶望する男達がいた。
「隊長、このままではきりがありません。探索隊も、いつの間にかわたし達3人になっています」
「わかっている。今何か策を考える」
策を考えると言ってもこの場を打開するほどのものは無い。何とか逃げ切り、宇宙船に乗って地球に帰る以外は。
少しの間、言葉を交わさない時間が流れた後、指令は隊長の元から発せられた。
「いいか、ここは俺がなんとかする。お前達だけでも逃げろ」
「そんな。隊長を置いていくことなんてできません」
「これは隊長命令だ。早く行け」
「しかし」
「行くぞ。隊長が命を張ってくださっているんだ。おれ達が地球に帰ることで、今回の探索任務を成功させるんだ」
隊長との別れを惜しみながらも、宇宙船に向かった隊員2人は、宇宙船に乗るや否や、出動のボタンを押して地球を目指し、飛び立って行った。
「隊長。必ずやあなたを殺した宇宙人どもを、この手で抹殺しに行きます」
しばらくの月日が経った。
宇宙探索隊の報告により、万全な戦力を整えた侵略型の隊が組まれ、再度宇宙への出発が決まった。
復讐心に燃える2人の隊員は、この隊の隊長と副隊長となり、あっという間に地球を離れ、宇宙を目指して旅立った。
「必ずや、復讐をしてみせます」
因縁のある星に辿り着き、宇宙船を降りると同時に戦闘体制に入った。
しかし、違和感があった。時が止まっていると錯覚してしまうほど静けさがある。
歩みを進めると、至る所に何かの残骸らしき物が転がっている。
「待て、何かいる。銃口はしっかり合わせておけ」
砂が煙った視界の先を恐る恐る近づき、その姿が晴れるのを待った。
「え。隊長ですか」
「いや、しかし、死んだはずでは」
隊員達の前には、共に戦った隊長の姿があった。体は昔のまま。痩せこけた感じも見られず怪我もなさそうだった。
「おお。久しぶりだな。とっくに忘れ去られたかと思ったよ」
「あの日から忘れることなんてありませんでした。必ずや復讐の為、この星に来ると誓いましたので」
「そうか。立派になったな」
「ありがたき。しかし、あの状況をどうやって‥‥」
隊長は隊員だった2人の肩に手をそえてこう言った。
「何とかするって言っただろう。何とかなっちゃっただけさ」
きらりと光る隊長の笑顔は、太陽より眩しく、改めておれ達の隊長だと実感させられた。