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【北村視点】
中野さんと話していたのに、そこに、山本くんが来た。
「先生〜?生徒と何してるんですか〜?」
俺は山本くんが大嫌いだった。
「山本くん!ちょ、出して!」
何を言っても山本くんは助けてくれない。
来るタイミングといい、
話してる内容といい、
山本くんが仕込んだことなのだろう。
「いやですよ〜。ね、中野さん。 」
「えっはい。」
中野さんも嘘をつくような子ではないが、押しに弱い。
「中野さん?」
「あばっ!」
中野さんは可愛い。
「なんでそんなに酷いことするんですか…グスッ」
「!」
「!」
そしてもうひとつ。
泣き虫だ。
「中野さん、落ち着いて!」
「俺が悪かった!俺が悪かったから!」
おそらく山本くんも焦っていた。
いつか、山本くんは言った。
「僕も、北村さんみたいになれますか?」
「えっ?」
「…。」
俺はどういう意味か分からず戸惑ったが、山本くんは黙ったままだった。
「これからは、ライバルです!」
ああ、思い出すんじゃなかったなぁ…
思い出す度、胸が痛くなる。
思い出す度、泣きそうになる。
そうだ、あれは、大学の時だ。