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第四十八章
分断された巫女
―それぞれの敵―
「じゃ……行くよ?」
話し合いの結果、四人は同時に鳥居をくぐることになった。
離れ離れになる可能性がある。
それでも――。
「せーの……っ」
四人は息を合わせ、一歩を踏み出した。
その瞬間。
鳥居を越えた先で、白い霧が一気に広がった。
「……っ」
視界が奪われる。
隣にいたはずの仲間の姿さえ、もう見えない。
声を掛けようとしても、霧の向こうへ吸い込まれるように届かなかった。
そして――。
「……おかしい」
蒼紫は周囲を見渡す。
「一瞬で違う場所に転移したってことなの……?」
けれど、目の前に広がる光景は理解できないものだった。
「……説明がつかない」
呟いた瞬間。
「――あら」
聞き覚えのある声が響く。
「青龍の巫女ちゃん」
霧の奥から姿を現したのは、赫夜だった。
口元に笑みを浮かべ、楽しそうに蒼紫を見つめる。
「一緒に……あ・そ・ぼ♡」
「赫夜……!」
♢ ♢ ♢
「おーい!!」
琥珀は周囲を見渡しながら叫ぶ。
「みんなどこ行ったんだろ……っ!!」
返事はない。
その時――。
ガキィンッ!!
突然、頭上から強烈な衝撃が落ちてきた。
「女ぁ……」
低い声。
「おまえが相手とは運がいい!」
刀骨は笑みを浮かべる。
「殺りあおうや」
「刀骨……っ」
琥珀は双剣を構え、迫り来る拳を受け止める。
しかし――。
「……っ!!」
あまりの重さに腕が痺れる。
地面が大きく陥没し、衝撃で周囲の空気が震えた。
「……相変わらず……重い……っ」
琥珀は歯を食いしばる。
♢ ♢ ♢
「……静かだわ」
煉華は周囲を見渡す。
仲間の気配がない。
いつもの邪気に満ちた空気も感じない。
その時――。
「朱雀の巫女……」
聞き覚えのある声。
「!!」
煉華は振り返る。
そこにいたのは――。
「右腕……」
いつものような重く息苦しい雰囲気はない。
右腕は何も言わず、ただ真っ直ぐ煉華を見つめていた。
煉華は柄に伸ばしかけた手をゆっくり下ろす。
「……何か用?」
♢ ♢ ♢
「やはり……」
静かな声が響く。
「あの程度では死にませんか
玄武の巫女さま…」
「……っ」
背後から聞こえた声に、詞葉の肩が大きく震えた。
ゆっくりと振り返る。
そこには――。
「羅刹さま……!!」
いつも見ていた、穏やかな笑顔。
何も変わらない表情の羅刹が立っていた。
「お久しぶりです。
玄武の巫女さま」
柔らかな声で問いかける。
「お加減……如何ですか?」
「ええ……悪くありませんよ」
詞葉は小さく笑う。
けれど、その瞳は笑っていなかった。
目の前にいる人物を、静かに見つめる。
「……」
コメント
1件
輪廻さん、第48話読了です! 四人が同時に鳥居をくぐったのに、それぞれ別の敵と対峙する展開、ゾクゾクしました…!蒼紫と赫夜の再会、あの「あ・そ・ぼ♡」が逆に怖いです。琥珀の刀骨戦も、煉華と右腕の静かな緊張感も、詞葉と羅刹さまの見つめ合いも——どのカットも心臓掴まれました。まだ誰も手を出してないのが、逆に息苦しくて。次が気になりすぎます…!