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「遠亜っち、この戦い、負けられないね」
「そうだね、紗雨ちゃんも一緒にやろ」
「サメー、サメメー。詠ちゃんもやろうサメ」
「コケッ? 鬼ごっこみたいで楽しそうですわ。もちろんご一緒します」
「妾もやる。こういうの大好きじゃ」
焔学園二年一組主催の枕投げ大会という名目で緊急開催された、出雲桃太の強襲討伐戦には、サイドポニーを静電気で逆立てた柳心紺や、瓶底メガネを黒々とした闇に染めた祖平遠亜に加えて――。
サメの着ぐるみをかぶり、額に怒りマークが浮かんだ銀髪碧眼の少女、建速紗雨。
大勢の友達と遊ぶことでウキウキしている、赤い髪を二つの団子髪にまとめたニワトリ娘、六辻詠。
八岐大蛇の首らしく邪悪な笑みを浮かべる昆布のように艶のない黒髪の少女、伊吹賈南。
といった実力者までが加わった。
「ゲームスタート!」
「ちょ、心紺さんも遠亜さんも、まって。ぎゅむっ」
額に十字傷を刻まれた少年、出雲桃太は、さっそく心紺が投げつけた囮の枕を避けたところ、それに合わせた遠亜が放った大きく曲がりながら落ちる枕が顔面に直撃。
「サメっサメーっ。分身枕だサメー」
「コケケーっ。消える枕ですわーっ」
「紗雨ちゃんと詠さんは、ジャンルがちがーう。むぎゅ、ぐはっ、ごほっ」
桃太はなんとかキャッチしようと試みたものの、紗雨と詠が野球漫画よろしく投げつけてくる、増える枕と見えない枕という極悪なコンビネーションには手も足もでない。
「こうなったら、三六計逃げるにしかずっ、仕切り直しだ!」
たまらず尻に帆かけて逃亡し、大広間から飛び出そうとするも……。
「あはは。色男め、口説くなら真っ先に妾を口説くべきであろう」
「いやーきついでしょう。ふぎゃん」
#聖女
桜井正宗@オートスキル1巻発売
7,503
#異類婚姻譚
和泉
471
#えっち要素有
y𓂂𓏸 @🍓🫧
112
アトハ
153
罠を張ることにかけては一級品の賈南の魔手から逃れられるはずもない。
脱出口に積み上げられていた布団の山が崩れて下敷きになり、足止めされた。
「ど、どうしてこんなことにっ」
「「自分の胸に手を当てて考えろ!」」
賈南の猛攻を受けて桃太が四苦八苦しているところへ、モヒカンが雄々しい級友、林魚旋斧に、小柄ながら運動神経の良い関中利雄や、チャンスを逃さない策士、羅生正之らが飛び入り参加。
「これは無理だ。乂、手を貸してくれ」
さすがの桃太も諦め気味で、飛んでくる枕に追い立てられながら、コンビを組む金髪の長身少年、五馬乂に救援を要請した。
「相棒、悪いな。オレは既に制圧されたぜ!」
しかしながら、頼れる? パートナーは縄でぐるぐるまきにされて拘束され、三毛猫に化けた少女、三縞凛音の白いお腹を眺めながら小さくなっていた。
「その程度の縄ならどうにかなるだろ。リンちゃんに魅入ってるだけじゃないかーっ。俺を見捨てるのか相棒?」
「シャシャシャっ。桃太、お前はいい友人だったが、あっちこっちの女の子とイチャイチャするのが悪いのだよ」
「乂、謀ったなあっ、ガイっ」
乂がどうこうでなく、桃太の自業自得ではあった。
「「うおおおおっ、悪党成敗!!」」
「ドラゴンヴァンプ戦よりキツいとか、何事? あーれーっ」
さしもの桃太も、頼れる仲間全員を相手に勝てる道筋はなく、史上最大のピンチを迎えることになった。
なお大会の結果だが……。
「妾の勝ちいい!」
「サメエエ!?」
「コケエエッ!?」
多くの生徒が奮戦したものの、部屋中に罠を張り巡らせた賈南が一番桃太に枕をぶつけ、他のクラスメイトに大差をつけて優勝した。
「とほほ、ひどい目にあった」
コメント
1件
うわあ、枕投げ大会がまさかのレイド戦になってる…! 桃太くん、仲間全員から集中攻撃されてて笑っちゃいました。賈南さんの「罠を張ることにかけては一級品」な感じ、めっちゃツボです。にぎやかで楽しい回でしたね!