「…そういえばさ、おどろくさんってここにいる人たちの事ってどのぐらい知ってる?」
「…いや、何も知らないのだ。」
「何も知らないって珍しいね。一人ぐらい知ってると思ってたけど。」
う…だって聞く機会無かったし…
「うーんじゃあ有名な人たちの事教えようかな。」
「お願いなのだ!」
「まずさぁーもん、同じ一年生で、”王道”のあだ名をつけられてる。」
「王道?」
「えーっと確か勝負事に真正面から立ち向かうから王道って呼ばれるようになった…だっけ?ななっし〜。」
「えー私に言われても…私も噂程度にしか聞いてないし。」
「…あ、ちなみにななっし〜はどんな手を使ってでも勝とうとするから”邪道”って呼ばれてるよ!」
「ちょっと待って!それ言うのなし!」
「…気を取り直して、次はうたいさん、この人も一年生で、”エンジニア”って能力で、サポート系の能力らしい。パソコンが得意。」
「あと、二年生のしぇいどさんとは中学時代後輩で、提出物とかいっつも遅れて怒られてたよ。あとべるも。」
「う…しぇいどさんの説教長いんだよね…」
「あふぇさんも遅れてたから、三人含めて”土下座組”って呼ばれてる。」
「土下座組…不名誉な名前なのだ。」
「言わないで!」
「…まあさっきの話もあったし、次はあふぇさん、あふぇさんは”白熊”っていう能力で、氷を操る能力と、身体能力が上がる能力を持ってる。」
「身体能力…おどろくと同じなのだ。」
「あ、おどろくさんも身体能力が上がる能力なの?」
「まあそんな感じなのだ。」
…それだけじゃないけど。
「次はニグさん、今度は二年生だね。”白犬”っていう能力で、罠を設置できるらしい。」
罠?強いのだ?
「罠っていう割には、めちゃくちゃ攻撃とかできて全然罠っぽくないんだよね。」
へー…
「あと中学時代マイクラで露天掘りして友達一人失った作業厨でもある。」
「その情報言う必要あったのだ?」
「次は凸さん。」
「凸先輩!?」
「おどろくさん、凸さんのこと知ってるの?」
「し、知ってるも何も…おどろくは中学のとき、凸先輩の後輩だったのだ。」
『え!?』
「でも…おどろくさんさっきここの人たちのことは何も知らないって。」
「それは凸先輩がこの学園に行くってことを凸先輩から話されてなかったからなのだ。」
「じゃあ凸さんの能力のことも知ってるの?」
「いや、それは知らないのだ。おどろくが通ってた中学校、全然普通のところだったし…」
「…まあ確かに、凸さんの能力のこと、知ってる人少ないらしいし。」
「強いなら噂になってもおかしくないのに…」
…まあ確かに、凸さんは昔から色々謎だったのだ。
「次はしぇいどさん、しぇいどさんは”彩華”っていう能力で、花とかの植物を操る。」
「怒ると怖いし、提出物出すの遅れると軽く3時間は説教されるから”鬼のしぇいど”とも呼ばれてる。」
「高校生になっても説教されるのか…嫌だなー…」
「そもそも提出物をちゃんと遅れずに出せばいいのでは…?」
「それは無理!」
はっきり言わないでほしいのだ…
「…そういえば、二人はどんな能力なのだ?」
「あー私は”吸血鬼”っていう能力で、血を操ったりできる。」
「血を…?」
「具体的に言うと、剣とかの武器を作ったりできる。けど能力使うと貧血になるし、能力使ってなくても適度に血を吸わなきゃいけない。」
「血は人じゃなくてもいいんだよね?」
「うん、動物とか、まあチョコとかの鉄分摂れるやつでもいい。」
「…もしかして中々にめんどくさいのだ?」
「まあ頻繁に貧血になるからめんどくさい。」
大変そうなのだ…
「私の能力は”陰夜”!…わが名はNONAME、陰に潜み、陰を狩る者…」
「ななっし〜さんどうしたのだ?」
「あー大丈夫だよいつもの厨二病が出てるだけだから。」
「あそうだったおどろくさんいるんだった…」
「あーまあ別に気にしないのだ!」
「…私の能力は詳しく言うと陰の中に入ったりして、敵を狩る能力。」
「おー!かっこいいのだ!」
「でしょー!」
「…ななっし〜は自分のことをNONAMEと名乗ったりするっと。」
「ちょっと!?なにメモしてるの!」
「…おどろく、二人と友達になれてよかったのだ!」
…二人と喋ってると、いつも面白いから!
おどろくがそう言うと、二人は笑顔になって、
『私達もだよ!』
と言ってくれた。
「……………………………」
俺は教室の扉の隙間からそっと”おどろく”という少女とその友達を見る。
おどろく…危険な気がする。あと絡まれるとめんどくそう。俺はなるべく一人がいい。
…なぜなら、友達や仲間がいたっていずれ裏切られる。
だから関わりたくない。なぜだかこの子と会う気がする。
俺…”さぁーもん”は友達、仲間、親…誰からも裏切られた人間だから…
コメント
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今日分かったこと:三毛猫さんすげえってこと。
今日分かったこと:主は会話とかの区切りを付けるのが苦手。