⚠️嘔吐表現🈶⚠️
思い返せば、イザナくんは小さいころから少しずれていたと思う。
「猫ってチョコ食えねェんだって」
昔、美味しそうにチョコを頬張る私のすぐ横で動物図鑑を見ていた彼が、不意にそう告げたことがあった。
突然のことに不思議に思いながら彼の指差すページを覗くと、「チョコレートは人間にはリラックス効果や集中力を高める働きがあるが、犬や猫などに与えると痙攣や呼吸困難の原因になる。」という文字が目に入った。続けて読むと、「チョコレートの成分に含まれているカフェインとテオブロミンが原因で中毒症状を引き起こす」など難しい言葉が並んでおり、早々に読むのを諦めて視線を切る。
『そうなんだ…初めて知った』
自身が掴んでいる魔法のように甘い物体を眺め、息を吐くように呟く。
こんなに美味しいものを食べられないなんて猫さんたちって可哀想。
そう思いながら一口サイズのチョコレートをそのまま口の中へと放り込み、飲み込む私の頬を突然、イザナくんが掴んできた。
「…オマエ、猫だもんな」
その言葉に隠された本当の意味を理解した瞬間、言葉すらも出なくなった。
嫌な予感というものはどうしてもこんなにも当たるのだろう。
この日ほど自分の勘の鋭さを恨んだ日はない。
『や…ちょっと待ってよ』
私の腕を掴んでシセツのトイレへと向かうイザナくんの背に震えた声を投げかける。だが本人は「ん?」と上機嫌な声で聞き返すだけで少しも立ち止まってはくれない。ついには本当にトイレへと連れられ、自身の顔を勢いよく便器に抑え込まれそうになったときは流石に声を荒げて嫌だと言った。
だが、当の本人は聞く耳も立てずそのまま乱暴な手つきで私の髪をグッと掴み、口の中に人差し指と中指の2本の指を一度に突っ込んできた。そして、そのまま何かを探るように手を彷徨わせると、私の舌のザラザラとした場所を指の腹でグッと押えつけた。
『ぃっ…!?』
その瞬間、喉の奥で何かが疼くような不快感が暴れ回り、おぇっと濁った咳が零れ落ちる。
苦しさに顔を歪めて抵抗しようと体を動かすが、私の髪を握りしめるイザナくんの力が強まってしまい、頭皮が剝がれてしまいそうなほどの鋭い痛みに身動き一つ出来なくなる。
しばらく濁った咳を零し続ける私にとうとう痺れを切らしたのか、イザナくんの指がさらに喉の奥を押し付けてくる。その途端、頭が真っ白になって、腹の奥から熱い液体がせり上がってきた。どろりと粘膜のあるナニカが舌を通り、水の上へと落ちる。
「…上手に吐けたじゃん」
ギュッとイザナくんが私の体を抱きしめ、髪にキスを落とす。
私は水の中に沈んでいくぐちゃぐちゃに溶けたチョコレートを見つめ、意識を失った。
普通はこんなにすんなりとは吐けません❕それに無理やり吐くという行為は喉を傷つけてしまったり、胃酸の量を少なくしてしまったりしてとても危険なので遊び感覚では絶対にしないでくださいね😿
取り返しがつかないことになってしまう場合があるので❕