テラーノベル
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「なぁ、知ってるか?
人魚を喰うと不老不死になるらしいぞ」
鈴虫の鳴き声を掻き分けて
彼の声を耳にした。
「そりゃすげーな。食ってみてー」
テキトウに返事をすれば、お気に召さなかったようで、ジロリと睨みつけてくる。
そんな彼を無視して、すぐ隣にある沿岸へ視線を向けた。
果てしなく続く深い世界。
きっと、彼もこれを見て。
終わりが見えないこの海でなら、もしかしたら人魚も見つかるのかもしれない。
「俺、やっぱフツーに生きてフツーに死にたいわ」
車輪がカラカラと鳴る。
彼は何も言わない。
「ありがとな」
不意に、生温かい雨が頭上で散った。
生温かいと言うか、熱い。
夏は全てが暑苦しくて嫌になる。
「けどさ。少し、悔しいや」
きっと、これを言ってしまえば、雨はもっと酷くなるが。
鼻を啜る音に気付かないフリをして言葉を紡ぐ。
「見たかったな。来年も再来年も、10年後も、一緒に」
車輪の音が止まる。
そのせいで、余計に聞こえてしまう。
音に耳を傾けながら
空を見上げた。
もう夕暮れ時。
きっともうすぐ星が見える。
天楽°
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天楽°
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コメント
1件
もう第3話…!めっちゃ切なくてエモすぎる😭💕 「普通に生きて普通に死にたい」って台詞がめっちゃ刺さった…人魚で不老不死ってファンタジーなのに、そこに現実の重さと未練が重なって胸がギュッてなるよ。 ラストの「もうすぐ星が見える」が泣ける…来年も10年後も一緒にいたいって想い、ちゃんと伝わったかな。続きめっちゃ気になる…!