テラーノベル
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季節はまた過ぎ、秋となった。
暑かった日差しは和らぎ、木々の色が変わっていく。
エウリは、病室のすまない先生のいる部屋の窓を開けた。
「すまないさん、見てください。葉っぱがもう黄色になってますよ」
と、イチョウの葉を見せた。
ヤマタノオロチ討伐からもう数ヶ月が過ぎた。ヤマタノオロチにやられた街や人たちは、ゆっくりだが、建て直したり、前を向き始めた。そのお手伝いで、すまないスクールメンバーもたまに手伝っている。
「よぉ」
ふと、声が聞こえ、顔を上げた。そこには、ライトと、Xが立っていた。
「ライトさん、Xさん。こんにちは」
「こんにちは」
と、ライトとXはすまない先生の眠るベッドに近寄った。
「おい、すまない。早く起きろよ。もうすぐ、すまないの生徒の卒業式なんだから、お前が1番生徒の門出を見るのが楽しみだろ?」
と、ライトは話しかける。だが、すまない先生は目を固く閉じている。
「・・・おい、すまない。さっさと目を覚ませ。ここで死んだら許さないからな」
と、Xはすまない先生の頬をぐにぐに引っ張る。だが、何も言わない。固く目を閉じたまま。
「・・・早く起きろよ。瑞穂の国の長老も、マスターすまないも、瑞穂の国の人たちもみんな、すまないを心配しているんだ。もちろん、生徒たちだって心配しているから」
と、ライトは話す。すまない先生の手を握りしめた。だが、それを握り返してはくれなかった。
「・・・すまない、また来る」
と、ライトとXは病室を出ていく。まだ世が安定はしているが、だからといって油断は出来ない状態だった。
「・・・すまないさん、生徒たちの門出を見たがっていたのは、貴方じゃないですか。・・・早く、目を覚ましてください」
と、すまない先生の頬にエウリは優しく触れた
コメント
2件
すまない先生…目覚めてよ!生徒達卒業!?これは見ないと一生分後悔するよ!ミスターXもエウリも心配してるんだよ!早く起きろ! と、私も先生に言いたい!