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屋上で授業をサボろうとしたあの日。まとわりつくようなじめじめとした暑さがうざったかったあの日。
あなた…若葉は、死のうとしていた。
苦手な授業だからと屋上に駆け込み、さっとドアを開ける。
その瞬間、呆然とした。
若葉が、靴を脱いで三つ編みをいじくっていたのだ。
どうすればいいのだろう。でも、絶対に放っておいたらダメだ。
「何してるの?」
必死で言葉を絞り出す。
「いいでしょ、もう。私、十分頑張ったから」
光が宿っていないような目で、僕に笑いかける。
いつもよりも笑い方がひきつっていて、もう限界なのはあきらかだった。
「でも」
若葉に触れようと手を伸ばす。
「もう無理しないで。僕が全部一緒に抱えるから」
何もしなければ若葉が死んでしまうかもしれない。
それなら、せめて。僕が全部聞けたら、と。
ばさっ。若葉に抱きつく。
「死なないで」
若葉が僕の隣で生きていてくれるだけで、それだけで十分だから。
「あ、な、んで…!」
若葉がしくしくと泣き声を押し殺して泣き出す。
「少しでも楽になるまで、ずっとこうしてるから」
今手を離したら若葉が死んでしまう気がして、手を離せなかった。
「私だって、普通になりた、いのに…!どんなに頑張ってもな、れなくて…!」
全てを口から溢すように、どんどんつらかったことを話していく。
「謝るこ、ともできなくて…!私、ひどい、人だから…!」
「つらかったよね」
これでいいと信じて、静かに手を離した。
あれから数日経った、下校時にて。
「…ねえ、なんで私なんかのこと助けてくれたの?」
「さあ」