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菜乃花🌸💫☘️
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続き
すみません!!!!!
主が完全に浮かれてたせいでこの小説の存在自体完全に忘れてました☆☆☆
続き気になってた人多分結構いますよね…
いや自画自賛すんな私
とりあえず続き待ってた人ホントにすみません!!!
それでは本編どぞ!!!
やがて、見慣れた古い日本家屋が見えてきた。
🇯🇵「着きましたよ」
🇺🇸「はぁ〜……やっとだ!」
日本が引き戸を開けると、
昼間の熱をまだ僅かに残した畳の匂いと、どこか懐かしい家の空気が二人を迎えた。
縁側の風鈴が、ちりん、と鳴った。
🇯🇵「アメリカさん、先にお風呂どうぞ」
🇺🇸「え、日本は?」
🇯🇵「お湯を沸かしておきます。それから夕食の準備も」
🇺🇸「相変わらず世話焼きだなぁ~」
🇯🇵「誰のせいだと思っているんですか」
🇺🇸「…もしかして、俺?笑」
🇯🇵「あなた以外に誰がいるんです?」
日本は呆れたように笑いながら、台所へ向かう。
けれど途中で、一度だけ立ち止まった。
🇯🇵「……アメリカさん」
🇺🇸「ん?」
🇯🇵「今日は……ありがとうございました」
アメリカが目を瞬く。
🇯🇵「海に誘ってくださったことも。」
🇯🇵「洞窟で……話を聞いてくださったことも」
🇺🇸「…………」
🇯🇵「昨日のままでは、きっと私は……何も言えないままでしたから」
アメリカは少しだけ黙った。
それから、照れ臭そうに鼻の下を擦る。
🇺🇸「俺も悪かったんだから、お互い様だろ」
🇯🇵「ふふっ。そういうことにしておきます」
再び、風鈴が鳴った。
ほんの数日前までは、この家にいること自体がどこか落ち着かなかったはずなのに。
今はもう、日本に小言を言われることさえ妙に馴染んでいる。
まるで何度もここへ来たことがあるかのように。
―――いや。
これから、本当にそうなっていくのだろう。
毎月。
その言葉がふと頭をよぎり、アメリカは日本の背中を見た。
🇺🇸「……日本」
🇯🇵「はい?」
🇺🇸「……いや、なんでもねぇ」
🇯🇵「?」
日本は不思議そうに首を傾げたが、それ以上は聞かなかった。
夕食を済ませ、片付けまで終わる頃には、外は完全な夜になっていた。
開け放した縁側から、湿った夏の風が入り込んでくる。
風鈴が、ちりん、と鳴る。
アメリカは縁側に腰を下ろし、庭を眺めていた。
都会では、こんなふうに夜が静かになることはほとんどない。
車の音も、人の声も、光も少ない。
代わりに聞こえるのは虫の声だった。
🇯🇵「麦茶、まだ残ってますよ」
後ろから日本の声がした。
🇺🇸「お、くれくれ」
グラスを受け取り、一気に半分ほど飲む。
日本も隣に腰を下ろした。
二人の肩の間には、拳ひとつ分ほどの隙間がある。
日本は両手で麦茶のグラスを持ったまま、ぼんやりと夜空を眺めていた。
雲ひとつない。
東京では滅多に見られないような星が、数えきれないほど見えた。
隣ではアメリカが縁側に片手をつき、何の警戒もなく足を投げ出している。
日本は一度、ちら、と横を見る。
そこには何度も見た馴染みの横顔があった。
何度も見たことがあるのに、
それでも飽きないほど美しく整った横顔。
昼間、海で日に焼けた頬。
まだ少し湿っている肌。
そして、すぐ隣にある大きな肩。
日本はそっと視線を戻す。
「…………」
言いたいことを言おうとしたけど、、、
やめた。
日本はぎこちなそうに、グラスについた水滴を親指でなぞる。
もう一度、隣を見る。
どうやらアメリカは気づいていないようだ。
日本は小さく息を吸う。
そして、すっと告げた。
「……星が綺麗ですね」
思っていたよりも、ずっと小さな声になってしまった。
―――言ってしまった。
日本の指先が、グラスの縁をきゅっと握る。
すると、アメリカはそれに気づいて空を見上げる。
🇺🇸「ん?」
🇺🇸「……あぁ、そうだな!」
日本の心臓が跳ねる。
アメリカは満天の星を見上げて、にっと笑った。
🇺🇸「ほんとだ!すげぇ綺麗だぜ!✨」
🇯🇵「…………」
日本は瞬きをした。
アメリカは何も知らない顔で空を見ている。
🇺🇸「都会じゃこんな見えねぇからなぁ。お前ん家、こういうとこはいいよな!」
🇯🇵「……そう、ですね」
🇺🇸「昨日まで曇ってたんだろ?」
🇯🇵「はい」
🇺🇸「じゃあラッキーじゃん。今日晴れてよかったな!」
🇯🇵「…………はい」
届いていない。
見事なくらいに。
一欠片も。
日本は俯いて、麦茶を一口飲んだ。
冷たく、冷えた一口を。
思わず、小さく笑ってしまう。
🇯🇵「……ふふっ笑」
🇺🇸「ん?何笑ってんだ?」
🇯🇵「いいえ。」
日本は首を横に振った。
そして、いつもみたいに笑顔で隠した。
🇯🇵「何でもありません^^」
🇺🇸「なんだよ…気になるだろ」
🇯🇵「本当に、何でもないんですよ笑」
言いながら、もう一度空を見上げる。
少しだけ残念だった。
ほんの少しだけ。
────けれど。
それ以上に、ほっとしている自分もいた。
もし、意味を知っていたら。
もし、今の言葉に込めたものを拾われてしまっていたら。
自分は一体、どんな顔をすればよかったのだろう。
🇯🇵「……アメリカさん」
🇺🇸「ん?」
無意識に呼びかけてみる。
その続きの言葉はないのに。
🇺🇸「何だよ?」
🇯🇵「……いえ」
日本はふわりと微笑んだ。
🇯🇵「呼んでみただけです笑」
🇺🇸「なんだそりゃ笑」
アメリカが笑う。
それから何の躊躇もなく、日本の肩へ自分の肩を軽くぶつけた。
🇺🇸「変な奴だな、お前」
🇯🇵「……アメリカさんにだけは言われたくありません」
🇺🇸「ハハッ、そりゃそうか!」
また笑う。
―――近い。
触れた肩から、体温が伝わってくる。
日本はその肩を退けなかった。
アメリカも、何も考えていないのか退けない。
二人はそのまま空を見上げた。
しばらくして、アメリカがぽつりと言う。
🇺🇸「でも、いいな」
🇯🇵「……何がです?」
🇺🇸「こうやって二人で星見てんの」
日本の目が、わずかに見開かれた。
🇺🇸「なんかさ。静かで」
アメリカは空を見たまま笑う。
🇺🇸「ずっとこうしてられそうだな」
🇯🇵「…………」
今度こそ、日本は何も言えなかった。
それを言った本人は、自分の言葉が何をしたのか知らない。
知らないまま、呑気に星を眺めている。
日本はそっと目を伏せた。
そして、誰にも聞こえないほど小さく、
「……ずるいですよ、ほんと。」
と、独り言をつぶやいた。
🇺🇸「ん?」
🇯🇵「何でもありません^^」
🇺🇸「またそれかよ?笑」
🇯🇵「ふふっ笑」
日本も空を見上げる。
星が綺麗ですね。
もう一度は、言わなかった。
一度で十分だった。
届かなかった言葉は、
届かなかったままでいい。
少なくとも今夜は。
隣にいるこの人と、同じ星を見ていられるのだから。
やがて、一筋の光が夜空を横切った。
「あっ」
日本が声を上げる。
🇯🇵「流れ星です!」
🇺🇸「どこ!?」
🇯🇵「もう消えましたよ笑」
🇺🇸「嘘だろ!?あ”ー見逃した……」
🇯🇵「ふふっ笑」
🇺🇸「何笑ってんだよ…笑」
🇺🇸「そういう日本は願い事したのか?」
🇯🇵「いや?そんな暇ありませんでしたけど?笑」
🇺🇸「な~んだ…期待して損したぁ…」
🇯🇵「なんですかその言い方は笑」
🇺🇸「まあ、俺なら三つくらいするけどな」
🇯🇵「へぇ~そうですか^^」
🇯🇵「欲張りさんですね~アメリカさんは笑」
🇺🇸「願うだけタダだろ?笑」
🇯🇵「ふふっ笑 ……じゃあ」
日本が膝を抱え直す。
🇯🇵「もし次に見えたら、一つだけお願いしてみます」
🇺🇸「何を?✨」
🇯🇵「言ったら叶わなくなるでしょう?」
🇺🇸「なんだそれ笑 子供かよ笑」
🇯🇵「アメリカさんにだけは言われたくありません」
🇺🇸「へいへい」
日本は心の中でその願いを唱える。
その願いが、
「アメリカとずっと一緒にいられること」
であることを、
アメリカは知らない。
また、ちりん、と風鈴が鳴った。
それから二人はしばらく、何も話さず夜空を見ていた。
そしてその後。
にゃぽんからの電話一本によって、
日本が隠していたものの大半がアメリカへ筒抜けになることを。
この時の日本は、まだ知らなかった。
🇯🇵「……こんな時間に」
スマートフォンが震えた。
画面には『にゃぽん』の文字。
―――嫌な予感しかしない。
日本は少し離れてから電話に出た。
🇯🇵「はい、もしもし」
『お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん!!聞いて聞いて!!』
🇯🇵「にゃぽん……声大きいです」
日本は思わずスマートフォンを耳から離してきしまう。
『えへっ☆ごめんごめん☆』
『それでさ、学校の友達がね——』
そこから始まった話は、
学校の友人が近所で日本らしき人物を見た、というものだった。
しかも。
背の高い男の人と一緒に。
『もしかして彼氏!?ねえ彼氏!?💕』
🇯🇵「ち、違いますからっ!///」
日本の声が裏返る。
その声に、縁側に残っていたアメリカが振り返った。
『だってお兄ちゃんが男の人と仲良さそうに歩いてたって!』
🇯🇵「違います!!///そういうのじゃ——」
アメリカが面白そうに近寄ってくる。
🇺🇸「誰その声?」
日本の顔が引きつった。
🇯🇵「こ…来ないでください…///」
🇺🇸「なんで?」
🇯🇵「いいから!!///」
『え”ッ!?何々今の誰ッッッ!?💕』
電話の向こうで腐女子の絶叫が聞こえる。
日本は呆れて額を押さえた。
🇯🇵「…………」
『男!?男の人だよね!?お兄ちゃん男の人連れ込んでるの!?』
🇯🇵「誤解の言い方ですね!///でも違いますからっ!!///」
🇺🇸「HAHA笑 騒がしい妹さんだな笑」
🇯🇵「アメリカさんは黙っててください!!!///」
『アメリカ!?』
日本の動きが止まった。
『待って待って待って!?アメリカさんと!?』
『何それアメ日確定演出じゃん!!』
🇯🇵「なんですかそれ!!?///」
完全に面白がったアメリカが、日本の手からスマートフォンをひょいと奪う。
🇯🇵「あっ!!///」
🇺🇸「おいおい妹さん、元気いいな!俺、アメリカ! よろしくな!」
『アメリカ!?あのアメリカ!?』
🇺🇸「たぶんそのアメリカだぜ☆」
『毎月お兄ちゃんのところに会いに行くあのアメリカ!?』
一瞬、
空気が止まった。
日本の顔から色が消えていく。
アメリカの笑顔も僅かに固まる。
『あっ…()』
🇯🇵「…………にゃぽん」
日本の声が恐ろしいほど静かだった。
『あっ、やば。今のナシ』
🇯🇵「毎月ってなぁに?^^」
アメリカが聞く。
『友達が勝手に!私は別に!』
🇯🇵「にゃぽ〜ん」
『ごめんなさーい!!』
🇯🇵「何を話したの?」
『いや、その……お兄ちゃんが毎晩カレンダー見てため息ついてるとか、新しい下着買った日に限って来客があるとか——』
🇯🇵「返しなさい^^」
日本がスマートフォンへ飛びついた。
🇺🇸「おっと!笑」
アメリカが片手を高く上げる。
すると見事な身長差が生まれる。
―――届かない。
🇯🇵「っ!?アメリカさんっ!!///」
『えっ!?今アメリカさんが持ってんの!?』
🇯🇵「返してください!」
『ねぇちょっと待って待って!!それもう付き合っちゃってんじゃん!!』
🇯🇵「にゃぽん!!!///」
アメリカは腹を抱えて笑った。
🇺🇸「HAHAHA!面白ぇ妹だな!」
🇯🇵「面白くありませんよっ!!///」
結局、電話を取り返すまでに、日本は普段なら一ヶ月分に相当するほどの声量を使った。
🇯🇵「……にゃぽん。切るよ」
『え…() ちょ、ちょっと待って!!まだ聞きたいことが——』
🇯🇵「おやすみ^^」
『お兄ちゃ——』
ぷつり。
日本は親指で迷いなく赤いボタンを押し、
通話はそのまま強制的に終わらせられてしまった。
数秒後、
スマートフォンが再び震え始めた。
が、、、
🇯🇵「…………」
日本はさっと『お取込み中です』と表示して、伏せた。
アメリカは口元を押さえている。
明らかに笑いを堪えていた。
🇯🇵「……笑わないでください」
🇺🇸「いや、だって…w」
🇯🇵「笑わないでくださいっ!!///」
🇺🇸「……はい」
アメリカの肩が震えている。
🇯🇵「笑ってるじゃないですか!///」
🇺🇸「…バレた?w」
日本は深く息を吐いた。
🇯🇵「すみません。妹が騒がしくて」
🇺🇸「いい妹じゃん!」
🇯🇵「そんなことないです!」
🇯🇵「いつもああやってうるさいんですよ…」
そう言いながら、日本は先ほど頭を軽く叩かれたところへ無意識に手をやった。
アメリカはそれを見ていた。
そして、何でもないような声で言う。
🇺🇸「……さっきの話さ、」
🇯🇵「何ですか?」
🇺🇸「下着新しくした日に限って俺が来るって……」
日本の手が止まった。
🇺🇸「…………」
🇺🇸「それ……」
アメリカが笑う。
今までのからかうような笑いとは、少し違った。
声が低い。
🇺🇸「狙ってんの?俺のこと^^」
意味を理解するまでに、日本は一拍かかった。
そして。
顔全体が真っ赤になった。
🇯🇵「っ……///そんなわけ、ないでしょう……ッ!///」
日本はあまりの恥ずかしさに、思わず立ち上がる。
🇺🇸「日本?」
🇯🇵「む……麦茶取ってきます…///」
🇺🇸「まだあるじゃん?」
🇯🇵「新しいのを取りに行くだけですから…!//」
🇺🇸「グラスに半分も残ってるぜ?笑」
🇯🇵「…………ッ///」
逃げ場がなくなった。
日本は無言で冷蔵庫を開ける。
背後からアメリカの笑い声が聞こえた。
🇺🇸「悪い悪い。からかいすぎた」
🇯🇵「……もう…ほんっとそうですよ…///」
麦茶を注ぐ手が、ぴたりと止まる。
🇯🇵「覚えてるに、決まってるじゃないですか…///」
突然の言葉に、アメリカが振り返る。
🇺🇸「何を?」
🇯🇵「毎月、同じ日に来るんですから」
日本はグラスを二つ持って縁側へ戻ってくる。
その顔は、もう普段通りだった。
——少なくとも、そう見せようとしていた。
🇯🇵「カレンダーに印くらいつけますよ」
🇺🇸「へぇ。何の印?」
日本は少しだけ迷った。
🇯🇵「……花丸、です…///」
🇺🇸「花丸?」
🇯🇵「子供みたいでしょう? 」
日本は隣に腰を下ろす。
自分のグラスへ口をつけ、月を見上げた。
🇯🇵「でも、他に思いつかなくて…」
🇯🇵「日にちの横に、赤いペンで花丸を一つ…」
ほんの少しだけ声が小さくなる。
🇯🇵「……それだけで、その日が来るのが楽しみになるんです」
アメリカは何も言わなかった。
いや、言えなかった。
日本が、自分の来る日を。
一ヶ月も前から待っている。
その事実が思った以上に胸の奥へ落ちてきた。
🇺🇸「……反則だろそれ…//」
🇯🇵「何がです?」
🇺🇸「……はぁ…お前こそずりぃじゃねえか…//」
🇺🇸「そういうとこだぜ?俺がおかしくなるの…」
🇯🇵「?」
意味が分からず、日本が顔を上げた。
────その瞬間。
アメリカは持っていたグラスを置き、
日本の肩をぐいっと引き寄せた。
🇯🇵「わっ……!?//」
日本の身体が傾く。
とんっ、と肩と肩が触れあう。
そして、浴衣越しにも分かるくらいの体温がぬくぬくと伝わってくる。
日本の持っていた麦茶が勢いのあまり危うくこぼれそうになり、
慌てて両手で支える。
🇯🇵「む…麦茶……っ///」
🇺🇸「おっと……ごめんごめん」
🇺🇸「日本の言うことが”可愛すぎて”…つい……」
🇯🇵「へ……?///」
🇺🇸「あー…えぇっと…//今のは忘れてくれ!…な?」
🇯🇵「……よくわかんないですけど……///」
🇯🇵「急に抱き寄せないでくださいね…?///」
🇯🇵「危うくお茶がこぼれちゃうとこでしたから…」
🇺🇸「…へへっ…///ごめんごめん…//」
アメリカが、声のトーンを少しだけ下げる。
🇺🇸「……日本って……ずるいよな、そういうとこ」
すると日本の表情がピタリと止まる。
離れようと思えば離れられる。
なのに、
日本は動かなかった。
🇺🇸「どした?Japan」
アメリカがそのまま肩へ回された腕を意識した瞬間、
余計に身体が固まった。
🇯🇵「……ずるいのは、そっちです」
🇺🇸「um?」
🇯🇵「そういうこと言われたら……」
日本はそこで口を閉じた。
満月が二人を照らしている。
虫の声。
遠くの蛙。
風鈴。
世界だけが何も知らずに夏の夜を続けている。
🇺🇸「…………ま、続きは明日な」
アメリカが不意に腕を離した。
日本が僅かに目を見開く。
🇺🇸「今日はもう寝ようぜ」
🇯🇵「…………そうですね」
────日本はほんの少しだけ、
残念そうな顔をした気がした。
けれど、それも一瞬だった。
日本はすぐいつもの柔らかな笑みに戻る。
🇯🇵「明日は早起きして、夏祭りに行くんですから」
🇯🇵「アメリカさん」
寝室へ向かう途中、日本が振り返った。
🇯🇵「先に布団敷いておいてもらえますか。押入れの二段目です」
🇺🇸「All right.」
アメリカは縁側へ戻り、押入れを開けた。
布団を二組取り出し、
畳の上に一組。
そして、もう一組。
昨夜のことを思い出し、一瞬だけ手が止まった。
───近すぎないか?
寝相の悪い自分が、
ほとんど日本へ抱きつくような格好になっていた。
🇺🇸「…………」
少しだけ離そう。
そう思って。
一組分ほど間を空ける。
いや…
離しすぎか?
🇺🇸「…………」
結局、少しだけ間隔を空けて二組を並べた。
そこへ、着替えを終えた日本が戻ってくる。
日本はふと布団の間を見る。
🇯🇵「……あれ」
🇺🇸「What?」
🇯🇵「もう少しくっつけても良かったのに笑」
🇺🇸「…………///」
無意識にアメリカの頬が赤くなる。
🇺🇸「………そういうこと言うなよ…//」
🇯🇵「?」
日本は何も分かっていない顔で、
自分側の布団をアメリカの方へ寄せた。
🇯🇵「だって、広いと寂しいでしょう?」
ぴたり。
二組の布団がくっついた。
🇺🇸「…………///」
🇯🇵「これでいいですね!」
満足げに潜り込む。
アメリカはしばらくその背中を見ていた。
(こいつ、絶対分かってねぇ)
たぶん。
おそらく。
きっと。
🇯🇵「明日の夏祭り、楽しみですね」
布団の中から日本が会話を投げかける。
🇯🇵「アメリカさんは何するんですか?」
🇺🇸「…………」
アメリカは、心残りなものを悩み続けていた。
🇺🇸「……なぁ日本」
アメリカの声が急に真面目になった。
日本が天井から視線を外す。
🇯🇵「はい?」
🇺🇸「明日さ、行きたいとこ、もう一個あんだけど」
🇯🇵「行きたいところ?」
きょとんとした目で見つめる日本。
🇺🇸「お前の親父さんの……墓」
アメリカがそう言った瞬間、
部屋の空気が一瞬だけ変わった気がした。
虫の声が、急に遠くなったように感じる。
日本は黙った。
🇯🇵「……お墓、ですか」
🇺🇸「ああ」
🇯🇵「…………」
🇺🇸「嫌ならいい。」
🇺🇸「でも俺、一回ちゃんと挨拶したいんだ。」
日本の目が僅かに揺れた。
🇯🇵「…もしかして…見えるんですか?幽霊が…」
🇺🇸「…まあそうだな。」
🇺🇸「俺はお前と比べたら結構年上だからさ、そういうすごい力も持ってるんだぜ」
🇯🇵「ふふっ笑 ほんとですかぁ?」
🇺🇸「何がさ?」
🇯🇵「私は紀元前からも長生きしてて、今はもう2686歳なんですよ?」
🇺🇸「…ホントかなぁ?笑」
🇯🇵「ホントですって!」
🇯🇵「私の歳に比べたらアメリカさんなんてちっぽけな赤ん坊ですよ!笑」
🇺🇸「は…はぁ?笑 なんだそりゃ笑」
日本が笑いを抑えきれずに吹き出す。
それに釣られてアメリカも笑った。
けれど、その笑い声が途切れると、
また静けさが戻ってきた。
日本は布団ごと膝を抱え、その上に顎をのせる。
しばらく沈黙が続いた。
そして、日本が口を開く。
🇯🇵「…もう会えないので…分からないですけど…」
🇯🇵「お父さんはきっと…アメリカさんのこと、よく思ってませんよ?」
🇺🇸「…知ってる」
🇯🇵「本当に、よく思ってませんよ?」
🇺🇸「それでも行く」
🇯🇵「…!!」
迷いのない声だった。
🇺🇸「嫌われてるから行かないって、それこそ逃げじゃねぇか」
日本はしばらくアメリカを見つめていた。
🇯🇵「……来てくれるんですか…?」
🇺🇸「当たり前だろっ!」
アメリカは笑った。
🇺🇸「どんだけ睨まれても行く」
それを聞いた瞬間、
日本の表情が、ほんの少し緩んだ。
🇯🇵「……ありがとうございます…//」
短い言葉だった。
けれど、そこに含まれた重さを、アメリカは何となく感じ取った。
日本は抱えた膝を緩め、
また仰向けに戻る。
🇯🇵「でも…お父さんは……怖いですよ?本当に…」
それは脅しではなかった。
息子としての、正直な言葉だった。
🇯🇵「軍人としても。国としても。父親としても」
🇺🇸「大丈夫さ。そんなもん、上等だぜ」
アメリカは軽く笑った。
🇺🇸「お前の親父さんがどんだけ怖かろうが、俺は行く」
🇯🇵「…ふふっ//」
小さな笑い声。
🇯🇵「強がりさんですね^^」
🇺🇸「ちげぇよ笑」
日本の手が暗闇の中を伸びる。
指先が、アメリカの握っていた拳に触れた。
そして、そっと包む。
🇯🇵「じゃあ、朝一番で行きましょうか」
🇺🇸「おう」
🇯🇵「お花と……お線香、買っていきましょうか」
🇺🇸「花か……俺、花選ぶセンスとかねぇけど」
🇯🇵「大丈夫ですよ」
🇯🇵「アメリカさんが選んでくださったものなら、お父さんも……まあ、怒りはしないと思います」
🇯🇵「多分ですけど笑」
🇺🇸「多分!?」
日本がくすくす笑う。
🇯🇵「あ、でも菊はやめてくださいね」
🇺🇸「なんでだ?」
🇯🇵「私のお父さんは…菊を見ると『縁起が悪い』とよく怒ってたので^^」
🇺🇸「マジかよ!?あんな綺麗な花なのに!?」
🇯🇵「ふふふっ笑」
夜が深まっていく。
ひぐらしの声はいつの間にか消え、静けさだけが二人を包んでいた。
🇺🇸「……日本」
🇯🇵「はい」
🇺🇸「明日は絶対、大人しくする」
🇯🇵「…本当ですか?笑」
🇺🇸「約束する」
🇯🇵「……じゃあそういうことで」
しばらくして。
日本の声が、とろんと柔らかくなる。
🇯🇵「あと……白い百合とか、いいと思いますよ。清潔感があって」
🇺🇸「百合な。覚えたぜ」
🇯🇵「ふふ……なんだか心強いですね。じゃあ花選びはお任せします」
🇺🇸「任せとけ」
少し間が空く。
🇯🇵「……あ、それと」
🇺🇸「ん?」
🇯🇵「あんまり父の前でベタベタしない方がいいかもしれません」
🇺🇸「…………」
不意にアメリカが自分たちの手を見る。
まだ、ぎゅっと握っている。
🇺🇸「…もしやったらどんなことになるかな?☆」
🇯🇵「そこまで言ってません」
🇺🇸「わかった…明日は大人しくします…()」
🇯🇵「!?(予想外)」
🇯🇵「あ…ごめんなさい、、そこまで落ち込ませるつもりはなかったんですけど……」
🇺🇸「いや、大丈夫。」
アメリカが日本の袖を掴む。
🇺🇸「俺、明日の墓参り頑張ってみせるからさ、」
🇺🇸「だから…お前も隣にいてくれよな」
🇺🇸「俺一人にされたら、何言えばいいか分かんなくなるからさ…」
その声に。
日本は一瞬だけ目を丸くした。
こんなに大きくて。
こんなに強くて。
いつだって自信満々で。
それなのに時々、
驚くほど子供みたいな顔をする。
そのギャップが、日本にはどうしようもなく、
愛おしかった。
🇯🇵「…ふふっ笑」
🇯🇵「当たり前じゃないですか」
日本はアメリカの手に、自分の手を重ねる。
🇯🇵「ずっと隣にいます。約束します」
🇺🇸「ありがとな、日本」
🇯🇵「どういたしまして」
🇺🇸「じゃ、おやすみ」
アメリカが目を閉じる。
🇯🇵「…………」
日本は黙って、その顔を見ていた。
数秒だけ。
そして一言。
🇯🇵「アメリカさん」
急な囁き声に、
思わず驚いて目が覚める。
🇺🇸「ん……んぅ…?」
ふと顔を 横に向けると、
いつもよりも遥かに近い距離に日本の顔が、
そこにはあった。
それも吐息が触れ合うほど、
近い距離に。
🇺🇸「(…近っ!?///)」
🇯🇵「まだ起きてますよね?」
🇺🇸「…なんだ?まだ寝れないのか?笑」
🇯🇵「だって…まだ九時過ぎですよ?夜更かししたいに決まってるじゃないですか笑」
🇺🇸「夜更かし?ハハッ笑 そりゃいいな^^」
🇯🇵「どっちが長く起きれるか勝負です」
🇺🇸「おう。望むところだぜ」
🇯🇵「ふふっ……」
日本はさらに距離を近づけていく。
コツン、と音がした。
2人のおでこがくっついた音である。
日本はそっと目を閉じ、
言葉を放つ。
🇯🇵「じゃあ………」
🇯🇵「何か、面白い話してください」
🇺🇸「面白い話?」
🇯🇵「はい」
日本は楽しそうに目を細める。
🇯🇵「私を笑わせてくれたら、あなたの勝ちでいいですよ^^」
🇺🇸「おいおい、いきなりかよ笑」
🇺🇸「…………」
🇺🇸「面白い話…か」
ふと目の前を見てみる。
そこにはいつも以上に綺麗に綺麗に見えるな瞳があった。
さっきまで、墓の話をしていたり。
父親の話をしていたり。
怖いと口にしたりしていたのに、
それなのに今は、
いつもの穏やかな顔でこちらを見ている。
🇺🇸「面白い話、か……」
🇯🇵「はい」
🇺🇸「じゃあ——」
アメリカの口元が、ゆっくりと上がった。
🇺🇸「お前のことについて話そうか^^」
🇯🇵「…ぇ………?///」
その瞬間、
日本の目がまん丸に開かれ、
瞳に写った月光が反射し、
ガーネットのように美しく輝いた。
次回へ続く…
コメント
25件

次回が楽しみすぎて眠れねー
グッッッガハァッッッ やばい逝っちゃうよ、これは、‼︎‼︎過多!いや、過多でいい‼︎最高だった‼︎続き楽しみにしてますねッッ!

早く投稿して欲しいです)^o^(