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そして出会って10年以上すぎた1930年代
毎日仕事だけどアラスターは毎回支えてくれる。
冗談を言い合い、一緒に食事して一緒に寝て
そんな些細な毎日が幸せだった。
でも
毎日のように人を殺して毎日のように悲鳴を聞いて毎日のように血の匂いを嗅いでいる
そろそろ血の匂いの香水でも作れそう
「シャル、今日は先に帰っててくれ。友人を幸せにしないといけないから」
「…分かりました…ではごきげんよう」
いつか私も殺されるんじゃって思ってるけどまぁそこまでではないだろとは思ってるけど…
やっぱり怖い。死の恐怖ではなく
アラスターと離れなければならない恐怖がある。アラスターと離れるのは嫌だ
そして昼
シャット「あぁ、ハスク。呼び出して悪いね。
お酒一杯は奢るから許してください」
ハスク「たくッ…そうすれば俺が来ると思ってんのか」
「この通り」
「その通りだ馬鹿野郎」
「さすがハスク。私の可愛い子猫ちゃん」
「子猫はお前だろ」
「黙れ殺されたいのか」
「悪い悪い…そういえばアラスターは?」
「彼ならもう被害者のところに行ってるんじゃない?」
「またかよ…懲りねぇな」
「そうですね。さぁ、ハスク。私はお腹がすいてるから料理を作ってください」
「あ?面倒くさ…」
お金をひらつかせる
ハスク「喜んで作らせてもらいます」お金に手を伸ばす
シャット「よろしい。美味しかったらもう一枚あげてもいいけど」
ハスク「あなたのお望みどおりに
何が食べたい?」
「お肉」
「太るぞ」
「殺すぞ」
「低カロリーで作らせてもらいます」
「よろしい…あぁ、そういえば家にお酒があった気が…」
「あなたの好きな物を沢山作ります」
そしてシャットの家につく
シャット「そこら辺にお酒があると思います」
ハスク「ただ酒最高」
キッチンに入ったハスクは、手際よく肉を下処理し始めた。
シャットは椅子に腰掛け、足を組んで頬杖をつく。
ハスク「……しかしよ。お前とアラスターって、本当に不思議な関係だよな」
シャット「唐突に何の話です?」
「いや、毎日隣にいながら、よくあんな怪物と平気でいられると思ってな」
「平気じゃないですよ。怖いですよ?」
くるりとグラスを回しながら、笑みを作る。
「まぁ…離れたくないですからね…口動かさずに手を動かしなさい」
「はいはい、飼い主様の言う通りに」
「そういえば早く借金返してください」
「明日返そうと思う」
「思うじゃない返せ」
ハスクがシャットの前に皿をおく
メガネをつけていたシャットがメガネの曇りを袖で拭く
「いただきますね…美味しそうです」
「誰が作ったと思ってんだよ」
「私の可愛い子猫ちゃんです」
「殺すぞ」内心嬉しい
「…美味しいですよ。ちゃんと私の好きな味で落ち着きます」
「気のせいだろ」
「いいえ、あなたが私の機嫌を取ろうとしているのはよくわかっています」
「気のせいだ…」
言葉を遮り
「これチップなんですがいりますか?」
「喜んでお受け取りします」
シャット「はい、愛情が籠った料理は美味しいです」
ハスク「愛情じゃない金
俺たちの関係は金だろ?出会った頃から」
「出会った頃は私にギャンブルで負けましたっけ?」
「マジでお前ッ…!」
「まぁそう怒らないで…あなたもこれを承諾していますからね?」(無理矢理)
そして夕方になりハスクとシャットが二人で夕日をみながら歩いている
シャット「では今日もありがとう…明日もよろしく」
ハスク「明日があることを願う…あいつ(アラスター)に嫉妬されたくないからな」
「ふふ…まぁ、アラスターの分も作ってくれたから大丈夫だと思いますよ」
「そうだな…それじゃあまたな」手を振る
手を振り返す。
そして夜からまたアラスターと会う約束をしているから家で待ってる
けど約束の時間が過ぎても来なかった
シャット「どうしたんだろ…」
その瞬間ハスクから電話がかかってきた
ハスク「シャル!俺だ!」
いつもより焦ってる声だった
シャット「なんですか?ハスク…こんな時間に…」
ハスク「落ち着いて聞けよ…アラスターが殺された」
シャット「…?は?」
一瞬世界が止まった…意味がわからない…思考も停止した
ハスク「銃音聞こえたらしいから人が集まってそしたらアラスターが倒れてた」
シャット「…ふざけてます?酔ってる?」
ハスク「酔ってない!とにかく来い!」
そして言われた通りの場所に来るとハスクが立っていた
ハスク「シャル!落ち着いて聞け…いやもう遅い…」
シャット「…誰に殺されたの?」
ハスク「え…?」
声が低くて冷静だった
でも…その声の下には深い悲しみが見えた
シャット「誰に殺されたかって聞いてるでしょ?答えなさい」
ハスク「…あそこの…猟師…」
慌てながら事故だと主張する
そしてシャットは猟師に向かうけど直前でハスクがシャットの腕を掴んで止めた
シャット「…殺しても…正当防衛になりますか…?いや…なりませんね…」
ハスク「シャ、シャル……?」
シャットの足元に小さく水の跡が地面に落ちてくる
シャット「ッ…うッ…はッ…はぁッ」
「アラッスター…グスッ なんで…離れないって…言ったよね…!!」
膝をつき地面にうずくまる
「嫌だッ…アラスター!!…アル…!」
呼吸ができないッ…気持ち悪い…嫌だ…嫌だ…
ハスク「シャル!シャ…」
ハスクの声が遠くなってく…何も聞こえない。もう話しかけないで…
そしてシャットはそのまま気を失う
そして目を覚めたらハスクが隣にいた。いつもなら笑顔でアラスターがいた。
ハスク視点
そしてアラスターが死んだあとシャットは亡くなった。突然死だった。
今思い出したことがある
アラスターとシャットがラジオで「あなたが死んだら私も死にたい」と言っていたこと。そしてシャットは「あなたが死んだ時に死ぬ呪いを自分でかけようと思います」と言っていたことを
本当にその呪いがあり亡くなったのかと思ってたけどもしかしたら…な?
ハスク「…シャル…」
シャットの死体の前で膝をついて手を合わせる
ハスク「……」
ずっと俺なんかを友人と呼んでくれた。
たまにウザイけど酒も金もくれた。まぁこれで借金はチャラになった
まぁこれで俺も自由の身だ。もう被害者は出ないから一石二鳥か…?ははっ…
死ぬなよ…
地獄で結ばれろよ
アラスター視点(死ぬ直前)
頭が痛い…世界に色がない…
それでも…
なんで思い出すんだ…
出てこないでくれよ…
シャル…
まだ生きたいと思っちゃうじゃないか
アラスター「今…君は何をしている…?
私が死んだら…君は泣く?…それとも…死ぬ?…」
その言葉が口を動かせないのに言葉が出てしまった
シャル…あのね…
そう心の中で呟きシャットの影が映る
私…無性愛者ってラジオでも言ってたけどね…
ずっと君のこと好きなんだよ。ごめんね嘘ついて
君は…私以外と幸せになって…
僕のことは忘れてね
…ダメだ…シャルの声しか聞こえない…
シャット視点
気持ち悪い…苦しい…自分でわかる…
私もう死ぬわ。ハスクの前で死にたくないな…
ねぇ、アラスターラジオで言ったこと覚えてる?
“あなたが死んだ時に死ぬ呪いを自分でかける”
だからね…私…あなたがいなければ生きたくない
アル…ごめんなさい…最期まで一緒にいれなくて…
今までありがとう…アラスター…
今までね…誰にも言えなかったけどね…
私
あなたのこと好きだよ…
「はぁッ…かッ…あッ゛…」口から血が出てくる…もう生きる気力もない…手も動かない…目も開けれない…
…いつもなら…アルが上着かけてくれるのに…
…アラスター…アル…あなたが美しいと言ってくれたこの声はもう…ない
そしてシャットはそのまま息を引き取った。