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【冒頭モノローグ】※ポオ視点
……美しすぎる謎は、人を狂わせる。
解けない謎に、人は命を捧げる。
ならば僕は。――この男の、命そのものに惹かれてしまったのだ。
【場面:探偵社・深夜】
外は雨。静かな探偵社のオフィスに、ひとり乱歩が残っている。
机の上には、未解決事件の報告書、そして白紙の封筒が一通。
中島敦(登場してすぐに退場)
「乱歩さん……変な手紙が届きました。白紙なんですが、封に“あなたたちだけに読める”って……」
乱歩(飄々と)
「ふーん。透かして見れば――ああ、やっぱり。紫外線インクか」
手紙にはこう記されていた。
『彼はまだ生きている。
だが、貴方が来なければ、それも長くはない。
郊外の旧・孤児院へ。
ただし――もう一人も連れてくること。
“あの男”と、共に。』
乱歩の目が一瞬だけ鋭くなる。
乱歩(心の声)
「“あの男”?……ポオか」
【場面:喫茶店にて/乱歩×ポオの再会】
翌日、乱歩はポオに連絡を取り、指定の場所――かつての孤児院跡地へ向かうよう誘う。
ポオ(静かに本を閉じる)
「……懐かしいな。君から直接声をかけられるなんて」
乱歩(そっぽを向いて)
「別に、お前と一緒に行きたいわけじゃない。“指定された”だけだ」
ポオ(微笑)
「君のその“感情を殺したような目”が、僕は一番嫌いで、一番好きだ」
乱歩は言葉を詰まらせ、一瞬だけ視線を落とす。
ポオはそれを見逃さない。
【場面:旧孤児院・夜】
二人が指定の場所に到着すると、周囲には誰もおらず、施設は不気味なほど静まり返っている。
中に入った瞬間、扉が自動的に閉鎖。
同時に、空気が変わる――重たく、喉の奥が焼けるような感覚。
乱歩
「――やられたな。これ、“生きて出られない”類のやつだ」
館の壁にモニターが現れ、《黒翼》の語り部が登場。顔はマスクで隠されている。
語り部(音声のみ)
「よく来てくれました。乱歩さん、ポオさん。これは実験です。
あなたたち二人の“極限”を見てみたくてね」
ポオ(低く、怒気を孕んで)
「これはお前らの“娯楽”か? 人間の心を玩ぶ、悪趣味なショーだ」
語り部は静かに告げる。
語り部:「この空間には、“ゆっくりと神経を侵す毒”が放出されています。
発症までおよそ6時間。
生き残りたければ、相手を犠牲にする覚悟をお持ちください」
【エピソード末:毒の兆候】
数時間後――
乱歩は徐々に身体に異変を感じ始める。
視界が歪み、立ち上がった瞬間に手が震える。
乱歩(苦しそうに)
「チッ……思ってたより、速いな……」
ポオはそれを見て、感情がぐらつく。
ポオ
「……乱歩、お前……俺に黙ってることがあるだろ。毒の影響、最初からわかってたんじゃないのか?」
乱歩(目を伏せて)
「俺が動けるうちに、全部解いて終わらせる。それだけだ」
ポオ
「ふざけるなよ。――俺を置いて死ぬつもりか」
【第1話ラストモノローグ:ポオ】
君は、いつもそうだ。
自分を犠牲にして、世界を救おうとする。
だったら、僕は――
君を守るために、世界を壊してやってもいい。