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のらりくらり。
ぽんっ、と誰かに肩を優しく叩かれた。
「これ、頼まれてたやつ…出来たから、どうぞ。」
堀之内、さんだ…。
久しぶりに喋れて、正直頭の中が騒がしい。
なにか話題を振ろうよ。
駄目だよ。話したくないかもじゃん。
頭の中で意見が割れている。
とにかく、感謝はしておかないと。感じの悪いやつって、思われるかも。
「も、もう出来たんだね!ありがとう。」
他の人とは自然に話せるが、どうしても堀之内さんの前では話せない。
意識しているからだろう
「うん…」
そう考えてる間に堀之内さんは、
次が移動教室だから荷物をまとめ始めた。
しまった、もっとあの尊いお顔を眺めておけばよかった。
完全なるヤバい奴だが、気持ちが高鳴って抑えきれないのだ。
私悪くない、人間の恋愛感情が悪いのだ。
そんな言い訳を心の中でしながらも、自分も準備しなきゃと荷物をまとめる。
準備が終わった、という所に
「蒼空〜っっ!」
思いっきり抱きつかれる。
してきたのは知らないクラスメイト___なんて、冗談はよして抱きついてきたのは私の友達でありクラスメイト、
葉山ルリ(はやま るり)だった。
「きゃっ、どうしたどうした。 」
「一緒に移動教室行かん?」
ここは埼玉の学校なのだが、ルリは大阪府出身なので大阪弁だ。
「いいよ〜。今行こうと思ってたところだし。」
「さ、す、が、蒼空!
頼りになるなぁ〜!」
そう言いずっしりとルリは乗っかってきた。
「重いって!」
そう振りほどいて、ルリを歩かせる。
「ちっ、釣れないもんやなぁ〜。」
そう言い、なんの抵抗か分からないがルリは私より早く歩き始める。
普段は、歩くの遅い方なのに。
そして私はさらにそれに対抗して、早歩きを始める。
「負けないで!」
「こっちこそ〜っ。」
ルリが走り始めたので、私も走り始める。
「うおおおお!!」
どうこうしてるうちに、ルリが全速疾走で勝った。
「はぁ…はぁ。」
私はフラフラしながら教室の中に入った。 「いい試合だったよ…グッドラック。」
「こっちこそ…いい試合やったで。」
いつのまにスポーツ小説になったのだろう。
私はさらっとメタ発言をし、席に着く。