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???「あぁ〜へぇ〜ほ〜」???「こんな川岸で何やってるんだ?雨花」
「雨花」は寝っ転がりながら、「兎白」に話しかけられた。
兎白「ここ涼しくて良いな」
雨花「そうだね……落ち着くねぇ〜」
兎白「ここにはよく来るのか?」
雨花「ん?どうだろうね〜」
兎白「隣良いか?」
雨花「どうぞ〜」
兎白は雨花の隣に座る。
雨花「…………」
兎白「…………」
穏やかに時間が過ぎていく。
雨花「兎白くんはどうしてここにいるの?」
兎白「あぁ……瑠璃人が部活練習に付き合って欲しいって言うから付き合ってたんだ。まぁあいつは遠慮してたが……」
雨花「そりゃあそうだろうね。兎白くんはもう引退して受験やら就職やらあるんだから」
兎白「受験か……そろそろちゃんと考えないとな」
雨花「…………」
兎白「なぁお前は何かしたいことあるのか?」
雨花「ノーコメント」
兎白「お前は秘密が多いな」
雨花「あはは!そうだねぇ……」
川が流れ、お日様の光が川に反射し、きらめいている。ゆっくりと川の流麗な音がする。
雨花「嫌われたくないんだ」
兎白「え?」
雨花は目をつぶり微笑みながら、言葉を紡ぐ。
雨花「何故わたしが秘密主義なのか……それはただ単純に嫌われて……幻滅されるのが嫌なだけなんだよ。特に橙ちゃん、桃時ちゃん、瑠璃くん。そして兎白くん。君らに幻滅されるのが嫌なだけ。わたしはこの秘密たちを墓場まで持っていくつもり。よく秘密を話さないと本当の意味での友達にはなれないなんていうけど、そんなことないよ。秘密を抱えたままでも受け止めるのが友達なんじゃない?まぁわたし友達長続きしたことないから分からないけど」
兎白「雨花………」
雨花「友達だから嫌われたくないから秘密を持つんだよ。だから兎白くん。今言ったことも内緒にしてね?余計な心配かけちゃうから」
兎白「あぁ……分かった」
雨花「じゃあわたしそろそろ帰るね?兎白くんゆっくり休んでね?ほいじゃ!」
雨花はひょいっと起き上がると、帰っていった。
兎白「雨花の秘密か……」
でも、あいつの言ったとおりなら
俺たちはちゃんと……
兎白「よし……帰ろう」
兎白も立つと帰っていった。
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雨花「こっさめまる〜!!」
雨花は自分の部屋に入ると、小雨丸に餌をやる。
雨花「今日はね。犬のうんこ結構持って帰れたよ〜あげるね!」
小雨丸はどこか心配そうに雨花をみつめる。
雨花「…………はぁ」
雨花はベッドに横になる。
雨花「「友達だから」って言葉は便利だな」
天井をみつめる雨花の目は、闇を喰らい尽くす闇そのもの。「何も映っていない目」だった。
壁には……「わたしはクズすぎるクズ」と書かれた紙が貼ってある。
…………
吾輩は小雨丸。雨公の目はまるで暗い牢屋のような目だ。
どれだけ橙公や桃公、兎公、瑠璃公に慕われていても、いつも心もとなさそうにしている。
そんな女子だ。
雨公は自分が幸せになるなんて許せないんだろうな。幸せになることを心が拒否する。だから優しく包まれても、幸せになった心地がしないんだな。
それはすごく
淋しくないのか?雨公よ
雨公そんな心細そうな目を持っていては
永遠に生きづらい……
雨公自身がダメになってしまうぞ
こんなしがないフンコロガシを何の理由も無く助けてくれた雨公
そんな雨公の優しさに気づいて
連れ添おうと想ってくれる
そんな存在にあの者たちがなってくれると良いのだが……
雨花「…………」
雨公……
ベッドのシーツに染み付いた塩の匂い
小雨丸はそれを嗅ぐと
雨花をみつめる。
小雨丸の目には心配そうで、
でも、
とても優しい目をしていた
雨花はそれに気づいたのか気づいていないのか
小雨丸にクスッと笑いかけた。