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2024 2⁄10 07時52分 投稿
2024 2⁄11 21時37分 色々なミス修正 多分読みやすくなりました!
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期間空いちゃってすみませんでした!
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本当に何があったんだよ、、、
そんな事を考えながら、俺が地面に転がっていたハルバードを手に取ると、突然ハルバードがピクセル状に崩壊した。
「うわっ!?」
突然の出来事に思わず後退りすると、思いっきり倒れていたガルードの手を踏んでしまった。
すると、もう死んだと思っていたガルードが急にむくりと体を起こした。
、、、生きてたのか。
空中に浮かぶピクセルの塊は一旦置いといて、俺は当のガルードから貰った槍を構えた。
だが、起き上がったガルードからは何も反応がない。
俺がしびれを切らして声をかけても、俺に対してずっと背中を向け続けるガルードを流石に不審に思った俺は、槍の構えを解いてガルードに近寄り、右肩に手を掛けた。
すると、ようやく、ゆっくりとこちらに振り向いたガルード。
そしてその顔を見て、俺は驚愕した。
その顔は、俺の知っているガルードとは完全に別の人物の顔だったからだ。
体格こそ変わっていないが、明らかに顔は違う。
池袋とか新宿とかによくいる高身長イケメンみたいな顔になっている。
俺の知っているガルードは、もっとこう、、、無精髭が生えた居酒屋によくいる気の良いおじさんっていう感じだったのに、、、!
一体、、、
「お前は誰なんだ、、、?」
俺はその男に問いながら、男の目を覗き込み、とあるスキルを発動した。
そのスキルとは、ヴァンパイア種族固有スキル〈魅了魔眼〉。
このスキルは相手の目と俺の目が合った状態で、発動者が目に魔力を込めることで発動するスキルだ。
そして発動者は、このスキルが発動した状態の目と目があった者に、ある程度までの命令を実行させることができる。
稀に抵抗(レジスト)してくる者もいるが、大抵の者になら命令を聞かせることが出来、能力値が上がることで校歌継続時間や実行させられる命令の幅が広がる、という、よくあるスパイ映画にありそうな薬を、そのままスキルにしたようなスキルだ。
そんなスキルを俺は、眼の前に立っている男に使った。
「聞きたいことは山ほどあるが、、、まずは、お前について聞かせてもらおうか」
「、、、俺はヴィグアム・フェズ、2年前にルイラッメルン要塞山脈の調査に来た、ホルヘテアンレス峡谷大陸のフィズム帝国所属の銀ランク冒険者だ」
その内容聞いた俺は、思わず息を呑んだ。
山脈。大陸。帝国。そして、冒険者。そんな、地上に関係する単語の数々。
話を聞いた感じだと、こいつは地下に自らやってきたようだ。ということはもしかすると、地上に戻る方法を知っているのかもしれない。
「お前はどうやってこの地下にやってきた?あと、いつ本物のガルードと入れ替わったんだ?」
「この遺跡を、神殿の裏にある門から出て、暫く北東の方向へ進むと地下へ一気に運んでくれる魔導具がある。それを使ったんだ。本物の奴と入れ替わったのは、お前が迷宮に入ったすぐ後だよ」
そんな時から入れ替わってたのかよ、、、。
で、地下に運んでくれるる魔導具、ねぇ、、、もしかしたら本当に地上にも行けるのかもしれない。
だが、もし地上に行ける機能があったとしても、この話は2年前の話だ。まだ使えるという保証はない。まあ、偶には賭けてみるのも悪くないか。
「で、本物のガルードはどこに居るんだ?」
「、、、殺したよ。そこにハルバードが転がっていただろう。その秘宝を手に入れるために神殿の中核に入ろうとしたは良いが扉は開かなかった。
だから無理矢理神殿の中核に入ろうとしたら、お前は秘宝に値する者ではないとかなんとか言って斬り掛かってきたんだよ。
死体は神殿の裏、門の直ぐ側に埋めた」
そうか、、、本物のガルードはもう死んでいたのか、、、残念だ。色々聞きたいことがあったのにな。
で、こいつはどうしようか。流石に逃がすわけには行かないし、かといって閉じ込める事もできない。
、、、殺すか。
「そうか。じゃあ、お前にも死んでもらおうか。」
そう言って俺はヴィグアムに近づいた。
魅了魔眼の効果はもう消えた筈だが、ヴィグアムは抵抗する気力も残っていないようで、蒼白な顔で俺を見た。
俺は、そんなヴィグアムの首筋に勢いよく噛みついた。
「、、、ははっ、、、お前みたいな化物が存在するなんて聞いてねーよ、、、あんな依頼、受けなければよかった、、、」
そして、そう言い残してヴィグアムは干乾びて地面に倒れ、粉々に散った。
そしてそこには、ヴィグアムが着ていた服や身につけていたものが散らばっていた。
その中には、銀色の装飾が施され、ヴィグアム・フェズの名前や経歴等が載っているカードも落ちていた。
ヴィグアムの言っていた魔導具で地上に行けると良いな。
と、そんな事を考えながらヴィグアムの持ち物を回収し終えた俺は、未だふわふわと浮いているピクセルの塊に目を向けた。