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20
りゅず
712
ふたりの仁人。
※本編とは別世界線のコメディ調パラレルです。
🩷💛、🤍💛
💛が2人になりました。
💛→元の仁人。
🟡→ある日突然うまれた仁人。
💛視点
💛「…ん」
背中に温もりを感じる。
その正体が勇斗だと思い出さなくてもわかる。
💛「んー…」
布団の衣擦れの音をさせ勇斗の方に向き直る。
🩷「…ん」
💛「…おはよ」
🩷「あー…、」
こちらに顔を向けた横向きの勇斗が目を覚ました。自分でも少し甘い顔をしているのを自覚する。
🩷「うー…っ」
ゴロンと仰向けに寝転んだ勇斗。
高さが無くなった視線の先、その瞬間異変に気付く。
💛「…!?」
🩷「えっ…」
二人しか居なかったベッドの奥、勇斗の向こうに後ろ向きの裸の背中が見えた…。
💛「だっダレ!?」
🩷「は!?」
ガバッとベッドから急いで起き上がる俺を咄嗟に勇斗の腕が庇う。
ベッドから降りた俺たちは身を寄せ合いながらその人物を凝視した。
変質者!?泥棒!?
てかなんでベッドにいんの!?
🟡「ん〜っ」
💛「…」
🩷「…?」
寝言のような呻きを上げたその人物に目を丸くした勇斗がゆっくりと近づく。
🩷「……」
そろりそろりと足音を立てずに向こう側に回り込んだ勇斗が更に目を丸くした。
🩷「え?は?」
俺とそいつを交互に見てわけが分からないといった様子の勇斗に、俺もなにか違和感を覚える。
こいつの髪の毛俺とよく似てる…
🩷「ちょっと仁人来てっ」
少し小声で勇斗に呼ばれてソーッと近づく。
覗き込んだ俺は飛び出そうな程目を見開いた。
💛「!?」
🩷「これ…」
💛「……俺?は?え?」
夢でも見てるんだろうか。
そこに寝ていたのは俺とよく似た…いや、俺のようだった。
🟡「…ん」
💛「!?」
🩷「!?」
🟡「…あれ…?」
ゆっくりと目を開けたそいつが、
こちらを見た。
🟡「あ…俺だー」
🩷「…え」
💛「お前…おれ?」
審議しよう…
💛「な、、なんだよお前!」
🟡「えー、俺はー…吉田ですけど?」
🩷「うそだろ…」
💛「なんで!?」
🟡「なんで…なんでだろ」
🩷「えーっと…吉田、さん?君はなんでここに居るの…?」
🟡「うーん…分かんない」
ヘラッと笑って言う吉田(仮)に俺たちは驚き戸惑う以外なかった。
🩷「うーんと、仁ちゃん…?ではないの?」
🟡「仁ちゃん…うん、それで合ってるよ」
💛「いや待って、まじ有り得ねえ、、おまえー!どこで整形してきた誰だよ!?」
🩷「仁ちゃんちょっと待って」
🟡「うん?」
💛「お前じゃない!!!」
ダメだ、、朝からこんな血圧上がるようなこと、クラクラしてきた。
―――
🟡「ふふ」
🩷「……」
💛「……」
俺の分身らしき男が機嫌良さげに温かいコーヒーを飲んでいる。
なんだ?なんだこいつのこの甘ったるい掴めない感じは…。
🩷「……ほんとに仁ちゃんだ」
💛「…そう、なのか?」
🟡「うん、それは間違いないよ。全部見る?」
不意に立ち上がり服を脱ぎ出す俺(?)を見て驚愕する。
💛「ややややめろ!」
🩷「いやでも確認した方が…」
💛「無理まじなにこれ!?どんな羞恥ぷれい!?」
勇斗に抱き止められて慌てている俺をよそに俺らしき男が躊躇なく裸になった。
🩷「……」
💛「……」
🟡「ほら」
クルッと回って見せる。
🩷「なにもかも一緒だ…」
💛「ッ…う、うん」
🟡「ほらね?だから言ったっしょ?」
ニコニコと笑いながら自分の身体をペタペタと確かめるように触るソイツから目が離せない。
信じられないけど確かに俺のようだった。
💛「も、もういいから、服着て」
🟡「はーい」
🩷「……」
―――
ソファに二人の俺が座る。
それを勇斗が正面から見比べている。
💛「ちょっと聞きたいんだけど、」
🟡「うん?」
💛「あのなんでそんな感じなの?」
🟡「なにが?」
もう一人の俺がコテッと首を傾げて俺を見る。
💛「それ!!なんでそんなぶりっ子みたいな感じなの!?」
🟡「えー、別に意識してないけど」
🩷「うん…なんかこっちの仁ちゃんは可愛い要素しかない…全然おいちゃんじゃない」
💛「元々おいちゃんじゃねーわ!」
🟡「ふふ…二人はいつもそんな感じなの?」
💛「……知らないの?」
🟡「うん。なんかさっき起きるまでの記憶がちょっとおぼろげなんだよね」
🩷「どこまでなら覚えてる?」
🟡「うーん…」
吉田(と呼ぼう…)が辺りを見回す。
🟡「ここに来たことある気がする」
🩷「え…」
💛「……」
🟡「あとM!LKのことももちろん覚えてるよ。」
🩷「……」
💛「……」
🩷「…じゃあ、昨日のことは覚えてる?」
💛「…」
🟡「昨日…昨日はー…えっと、お仕事してー」
🩷「…うん」
💛「…」
🟡「……その後…」
勇斗も俺と同じことを考えているのがわかった。
俺たちのこと、勇斗とのことを聞きたいんだろう…。
🟡「その後……ごめん、覚えてないや」
🩷「あ…そっか」
💛「はあ〜…」
何故か大きな安堵のため息が出る。
🟡「というかさ、二人は付き合ってんの?」
🩷💛「…え…」
🟡「俺の本体と勇斗はさ」
💛「俺の本体…?」
🩷「どういう事!?」
🟡「いや、俺多分スペアみたいなもんだから」
🩷💛「スペア!?」
🟡「俺の本体が俺を作り出したんだと思うよ」
💛「そんなことしてない!」
🩷「……」
🟡「無意識にね。疲れとかプレッシャーとか?最近身体も痛そうだったし」
💛「そんな…」
🩷「まじかよ…」
🟡「だから程々にしないと俺ずっと居ることになると思うよ?」
💛「……」
🩷「……」
言葉をなくした俺たちに吉田が聞く。
🟡「それで、俺と勇斗は付き合ってるの?」
🩷「……うん。それは覚えてない、の?」
💛「……」
🟡「そっかあ…覚えてないのは残念だけど仕方ないね。きっと本体が望まなかったんだね」
💛「え…?」
🟡「勇斗を共有したくなかったんじゃない?例え自分のスペアでも」
🩷「……」
屈託なくそう言われカアッと顔が熱くなった。
🩷「仁ちゃん…」
💛「お ま え は…!」
ペシッ
恥ずかしさから思わず吉田の頭を叩く。
🟡「痛った…」
🩷「仁ちゃん落ち着いて…」
🟡「勇斗〜本体が俺をいじめるよ〜」
🩷「お、おお…」
💛「おまえまじでやめろ!」
勇斗の身体に腕を回して擦り寄る上目遣いの吉田の話をだいたい聞いた俺は腹を括った。
そしてハッキリ言ってやった。
💛「話はわかった。…今日からお前は俺のスペアだ。でもスペアでしか無いからな。全面的に俺に従え。勝手なことやったら消すぞ」
🟡「……」
🩷「……」
部屋がシンと静まり返る。
🩷「仁ちゃん…消すってそんな…」
💛「勇斗は黙ってて。まず勇斗から離れろ」
🟡「……わかったけど、どうやって俺を消すかわかるの?俺もわかんないのに」
目が点になった。
スルッと勇斗から身体を離した吉田が不思議そうに聞いてきた言葉に唖然とする。
💛「え…」
🟡「本体が疲れ果てたから俺が生まれたのに、そんなにすぐに元気になれるの?元気でいられるの?これからずっと」
🩷「そっか…」
何故かホッとした様子の勇斗にイラつく。
💛「じゃあ…もしかしたらこのままずっとお前居るの…?」
🟡「分かんない」
🩷「…ま、まあまあ、スペア仁ちゃんも仁ちゃんな訳だし、そんな喧嘩みたいなのやめよ?」
なんて面倒な展開なのか…なんとなくこいつは大人しくしていられるタイプの人間には見えない。
もう一人の俺なら尚更だ…。
💛「……」
🟡「わかったよ。だけど俺も同じ仁人だってことはわかってね?」
🩷「……」
俺だけど俺じゃない。
まるで別人のような、目の前の俺がそう言ってくる。
なんて朝だ……。
―――
あれから3人で話し合って決めた決まりごと。
・本体仁人は仁人、仁ちゃん呼び
・スペア仁人は吉田呼び
・本体が外に出てる時にスペアは絶対に外に出ない、外部と連絡を取らない
・本体が疲れた時だけスペアが外出や出勤をする
・勇斗との距離感を守る
・メンバーとの距離感も本体に従い守る
・勝手な行動や判断をしない、何かあったら本体仁人に確認する(勇斗でも可)
🩷「吉田、ちゃんと守れる?」
🟡「うん、守れる」
💛「…ほんとかー?」
明らかに訝しんだ目で吉田を見る。
🟡「うん」
💛「…」
ニッコリと屈託のない笑顔で頷く吉田になんだか怒りをうやむやにされる。
🩷「なんか初期仁ちゃんて感じだね」
🟡「初期??」
💛「俺今そんな捻くれてる?」
🩷「いや、なんか吉田の方が大分幼くみえるよね」
🟡「うん。本体のマイナスな感情とか癖を取り除いたのが俺だからね」
💛「マイナス…」
🟡「そー。強がりとかカッコつけとか。可愛くない部分とかそれをコンプレックスに思う本体の感情そのものも俺にはないよ」
💛「…チートすぎね?」
🩷「なるほど…だからか」
💛「あ゛?」
🩷「いや仁ちゃんが1番可愛いよ!」
💛「嬉しくないし」
🟡「あははっそういうとこね」
💛「うるせえ!」
ペシッと頭を叩くと「俺も仁人なのちゃんとわかってる〜?」と涙目で言われた。
💛「…わかってるよ」
🩷「うん、仁ちゃん大事大事だからね、殴っちゃダメ」
💛「それどっちの事言ってる?」
🟡「本体妬いてるの〜?」
💛「ややこしいだけだよ!」
―――
あの日は災難が始まったように思ったが、スペアが出来た俺の生活は思いのほか上手くいっていた。
💛「吉田〜ただいまっ」
🟡「あっ、おかえり!めっちゃ疲れてるじゃん、大丈夫?」
💛「うんー…午後から代わってもらおうと思って帰ってきた」
🟡「おっけ!準備する!」
💛「わるいね」
🟡「ううん!俺も外出たい!お仕事したいと思ってたんだ!嬉しい!」
💛「はは…おまえはほんと素直で可愛いねー…」
🟡「お風呂はいってくる!」
スタスタと駆け足で風呂に向かった吉田を見送って目を閉じた。
吉田の居る生活に少しずつ慣れた俺は次第に便利さの方を優先して考えるようになっていた。
吉田は最初懸念していた程勝手なことはしないし俺のスペアというより完璧なコピーとしていつも動いていたしなんの問題もないと思っていた。
勇斗に確認しても「吉田、ちゃんと仁ちゃんだったよ」って言ってたし…。
眠い……寝よ。
―――
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