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怜也が国民的女優・安田穂乃花の膝枕で、新作アニメの先行上映を独占的に楽しんでいたある日のこと。かつて怜也が住んでいた町の「学校一の美女」であり、彼の人生に絶望を植え付けた張本人、**沢渡神奈(さわたり かんな)**が、ボロボロのプライドを抱えて穂乃花のペントハウスまでやってきました。
彼女は中学時代、全校生徒の前で怜也の告白を嘲笑い、彼を「女子恐怖症」に追い込んだ女。しかし、現在の怜也がSNSで世界を見下し、国民的女優や大富豪の娘、さらにはトップギャルを「道具」として従える「世界の覇者」となった事実を知り、その圧倒的な格差に絶望したのです。
かつての「女王」の惨めな拝謁
「怜也……くん。久しぶり、だね……」
SPに引きずり出されそうになりながら、神奈は必死に声を絞り出しました。かつての煌びやかなオーラは消え失せ、今や自分を捨てた元カレや、冴えない日常に疲れ果てた影があります。
怜也はアニメの再生を止めることすらせず、薄目を開けて神奈を一瞥しました。
「……誰? ああ、あの時の『背景』か。僕のサボり時間を邪魔して、殺されたいの?」
「ひっ……! 違うの、私、ずっと後悔してたのよ! あの時は若くて、あなたの本当の価値に気づけなくて……。でも、今のあなたを見ていると、胸が苦しいの。私……私、やっぱり怜也くんのことが好きなの! だから、今さらだけど、私と付き合って!」
神奈は床に膝をつき、かつて自分が見下した男に縋り付きました。
その光景を見ていた茜や由奈は、ゴミを見るような冷笑を浮かべます。
「ねぇ、怜也きゅん。この『賞味期限切れのゴミ』、処分しちゃう? あーしが一番安い処理場、予約してあげるけど(茜)」
「中学の時にこいつが何をしたか、私は忘れてないわよ。ねぇ怜也、こいつの指、一本ずつ実習用のペンチで……(由奈)」
「待ちなよ、二人とも」
怜也は気だるそうに体を起こすと、穂乃花の差し出した最高級の葡萄を口に含み、神奈の顔を足先でクイッと持ち上げました。
「道具」以下の扱い
「沢渡神奈。……君さ、僕に告白したってことは、僕のために何でもするってことだよね?」
「え、ええ! 何でもするわ! あなたの隣にいられるなら、私……!」
神奈の瞳に、かすかな希望の光が宿りました。「これでもし怜也の『女』になれれば、穂乃花や心美と同じ贅沢ができる」という、醜い計算が透けて見えます。
しかし、怜也の口から出た言葉は、彼女の魂を粉砕する冷酷な一撃でした。
「隣? 勘違いしないで。僕の隣は、性能の良い最新機種(穂乃花たち)で埋まってるんだ。君みたいな、一度不具合を起こして僕を不快にさせた『旧型のガラクタ』に、そんな価値あるわけないだろ」
怜也は神奈の顔に、飲みかけのコーラを無造作にぶっかけました。
「……じゃあさ、俺のために死ぬ気で働いてよ。」
「え……?」
「僕のアニメ部屋を掃除するための雑巾。僕が歩く時に靴が汚れないように敷かれるマット。……あ、そうだ。穂乃花の事務所の地下に、ひたすら僕のゲームのアカウントをレベル上げするためだけの部屋があるんだ。そこで死ぬまで、24時間不眠不休で働けばいい。……『好き』なんだろ? だったらそれくらい、当然だよね」
支配の底辺へ
「そ、そんな……。私、沢渡神奈よ!? みんなの憧れだった……」
「それは『過去』の話。今の君は、僕の快適なサボり生活を維持するための、ただの『予備の予備のパーツ』だ」
怜也は再びアニメに視線を戻し、投げ捨てるように言いました。
「由奈。こいつを連れて行け。……あ、給料は出さなくていいから。僕に尽くせる『権利』をあげてるんだから、逆に感謝してほしいくらいだよ」
「了解。……さあ、行きなさいよ『元・女王様』。あんたの価値は、今日から怜也のゲームの経験値以下よ」
由奈に首根っこを掴まれ、引きずられていく神奈。かつての美女が、泣き叫びながら「道具」以下の労働力へと堕ちていく姿を、怜也は一度も振り返ることなく眺めていました。
「……あーあ。ノイズが消えてスッキリした。ねぇ、穂乃花。続き、再生して」
「ええ、怜也。……本当にあなたは、残酷で、最高に『クズ』な王様ね。大好きよ」
国民的女優に抱きしめられながら、怜也は再び二次元の世界へと没入していきます。
自分を傷つけた過去すら、今や自分の怠惰を加速させるための「燃料」に過ぎない。
長島怜也のクズ道は、もはや救いようのない、そして誰にも止められない神域へと達していました。