「ホテル リベルテ」でたくさんのお客様と関わり、お客様にどうしたら喜んでいただけるのか……そんなことを考える毎日。
日々様々な発見があり、たとえどんな小さなことにも、必ず学ぶべき点があると思っている。日常的に起こる全ての出来事が、自分をステップアップさせてくれることを実感している。だから、少々つらいことがあってもたいして苦にはなっていない。
ホテル業界の少し年上の先輩達も同じように戦っていて、彼らとの交流は俺自身とても刺激を受けている。
「グレースホテル」の深月 絢斗社長や「ホテルLUNA BLU(ルーナブル)」の晴月 千隼社長――2人ともかなりのやり手だ。
最高の人格者で見た目も素晴らしく、親交を深めていく中で、彼らは俺の「良きお兄さん」になってくれている。
彼らから、世界で勝負する強さや忍耐力、たくさんの従業員をまとめる包容力に決断力、様々なことを教わり感じ取らせてもらっている。
この業界で常にトップを走り続けることは容易ではないけれど、1歩1歩着実に階段を登っていることは間違いなかった。
そんな俺の姿を見ているからか、仕事について両親は何も言わない。ただ、最近、結婚についてはずいぶん心配しているようで、遠回しにお見合いを勧められたりする。
正直、お客様からお誘いを受けたり、周りの女性達からアプローチされることは数しれず……
だけど、全て断っている時点で、恋愛に発展するはずはなかった。
「あまりにも女性との噂が無さすぎる!」と、青山さんにはハッパをかけられ、「この間の女性は本当に彼女じゃないのか?」と何度も聞かれた。
『あの女性は素晴らしいですよ。可愛らしいし、品があって優しそうですし。女性はね、奥ゆかしくて優しい人が1番なんです。あの人なら間違いなく龍聖さんを支えてくれます。保証しますよ。とてもお似合いだと思いました。デートにお誘いするべきです!』
と、熱く持論を展開し、かなり強めに推してくる青山さんに、俺はどう返事をしていいのかわからなかった。
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