この作品はいかがでしたか?
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🖤サイド
医者「目黒くん、ちょっと良い?」
🖤「あ…はい。」
いつものリハビリのあと先生に呼び出された。
なんだか嫌な予感がする。
医者「怪我も治ってきてるし、来週には退院できるよ。」
🖤「本当ですか!」
医者「でもね…」
🖤「…っ!」
先生のその言葉を聞いた瞬間頭が真っ白になった。
💚サイド
看護師1「216号室の子退院するらしいよ。」
216号室って確か蓮くんの部屋…。
後ろの看護師さんたちの話が聞こえてきた。
看護師2「でも、あれでしょ。運動するのは難しいって話なんでしょ。」
💚「え…?」
すごく嫌な予感がした。
自分はすぐさま蓮くんの病室に行った。
💚「やっぱり、いない…。」
もし、自分の勘があっていたら…
💚「屋上…。」
走らないと間に合わないかもしれない。
『亮平は体弱いんだから走っちゃダメだからね』
ふとそんな辰兄の言葉が頭をよぎる。
💚「…いや、行かないと。」
この際自分のことなんてどうでも良い。
僕は屋上に向かって走り出した。
🖤サイド
『激しい運動をするのは厳しいかもしれない』
ついさっき先生に言われた言葉。
つまり、もうサッカーできないかもしれないってこと。
それは自分にとってすごく辛いことだった。
小さい頃からずっとサッカーやってきてサッカーがない生活なんて考えられなかった。
自分の生き甲斐だった。
このフェンスを越えて一歩踏み出せば全部終わり。
ガチャ(ドアが開く)
💚「蓮くんっ!はぁ、はぁっ」
🖤「亮平…?なんで…。」
めっちゃ息切れしてるし。
💚「はぁ、病室行ったらいなくて、もしかしたらって思って…ゴホッゴホッ」
たぶん走ってきたんだろうな。
でも、ごめん。
🖤「…ごめんね、亮平。俺、もう無理。」
💚「…っ。」
🖤「俺さ、もうサッカーできないんだって。」
🖤「…生き甲斐だったの、サッカーは。」
🖤「それがなくなっちゃたんだ。」
🖤「もう、どうでも良くなっちゃった。」
💚「…。」
💚「……生きてよ。」
🖤「え…。」
💚「蓮くんは生きれるんだから生きてよ…。」
🖤「…っ、」
ふと我にかえる。
俺、亮平くんの前でなんてことを…。
💚「生きる意味がないなら僕のために生きて。」
💚「僕の隣にいてくれるんでしょ…来年も一緒に花火見るんでしょ。ニコッ」
🖤「あ、ごめっ…グスッ」
いつのまにか目から涙が出ていた。
約束も破りかけてた…。
俺、最低じゃん。
🖤「ごめん…ごめんねっ。グスッ」
💚「蓮くんが謝ることないじゃん。笑」
俺にも亮平くんが必要だ。
求め、求められ。
俺たちはこうして強くなっていく。
明日を生きていく。
コメント
4件
続き待ってます😊
うゆゆさんの作品好きすぎます🥺