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日本、日帝受け短編集(ただし百合)

第16話 - 16　🇩🇪×🇯🇵　『ツユクサみたいに』

134

2025年12月13日

#countryhumans

#女体化

#百合

#カントリーヒューマンズ

#政治的意図・戦争賛美✖

#旧国注意

ぬんこ　リク募集中

この作品に政治的意図は一切ありません

百合要素ありです

女体化注意

旧国注意

実際の国とは関係ありません

🇩🇪さんと🇯🇵さんのお話です

cp要素あり

（百合だから当たり前かな?）

口調は変えません!!(特に🇩🇪さん)

🇩🇪=卍🇩🇪　🇯🇵=🇯🇵☀(陸)　🇮🇹=🇮🇹👑

戦争賛美ではありませんが、戦争表現が含まれます

カントリーヒューマンズのタグをつけますが、

キャラクターとしてお楽しみください

それでも読みたい方はお進みください

✤✤✤✤✤✤

ツユクサみたいに

目を開けてすぐ深い深い青が見えた

「起きたか…おはよう、日本」

『おはよぉ…ございます…』

深海のように深くて、まるでどこまでも沈んでしまうような、そんな青色。目を開けた瞬間に覗き込んでくるそれは目に毒だった。

「もうそろそろ日が昇るからな…」

『…はい』

私の奥の奥まで染み渡っていくような青。

私はそんな青の宝石の所有者である独逸さんが好きだ。

余韻に浸っていると、ここが仮眠室であることを思い出した。

そういえば独逸さんと残業して、少しだけ眠れそうだったから仮眠室で寝てたんだっけ…

「にしても…私達も弱ったものだな〜…」

『…そう、ですね』

私達は80年前までどちらかが命尽きるまで果てしなく続く醜い争いをしていた。互いに、どこに行っても独裁国家だとか、亜細亜の狂犬だとか、心無い一言をかけられていたが勝てると思って＿＿＿いや信じて戦った。

「前は…食べる物すらなかったのに…」

『ええ、甘えてしまってるみたいですね…』

自嘲するように、2人して仮眠室の優しい雰囲気に浸りながらふっと笑い合った。今このひとときでさえも、80年前であったら、想像もつかないくらい幸せなのだろう。本当に、体も心も弱くなったものだ。

「コーヒー飲むか?」

『ブラックをお願いしますよ?』

「任せてくれ、毎朝淹れているのだから」

『そうでしたね、』

日が昇り始め、オレンジ色の優しい光が会社の窓から差し込む早朝。本来なら、あの時のように三国で笑っていたい。ただ、一国。彼女だけは違った。裏切り者のレッテルを貼られ、当時は敵だったはずの奴とばかり仲良くしている。だが、左右で色の違う瞳には中身がなく、うわべだけの笑みばかり浮かべていた。

『今度…久しぶりに会食したいと思ってるんです』

「また、三国で…か?」

『承諾、してくれたら…ですが…』

もう戦後から80年も経つのに、今だに三国で話をすると世間からまるで針のような視線が刺さってくる。別に私達が仲良くしたっていいはずなのに、やはり神は厳しい御方だ。

「…世間は厳しいなぁ」

どこか諦めたかのように、貴方は笑う。

その笑いにでさえ、未だに惹かれてしまう。消え去っていったはずの感情も、簡単に引き戻されて、また胸の奥深くを刺激する。

鼻の奥がつんとした

「そう落ち込むな。いつかは…話せるようになるさ。

まあ、すぐにそうなれるとは思ってないがな…」

『…そうですね』

彼女からしたら裏切り者ではあるのだが、彼女自身もあの国に心を開いていた。だからこそ、一番傷つき、一番恨んでいた。

『私は…また三国で仲良くしたいです…』

「…そうか」

青がさらに深みを増した。

私も、あなたも、もとに戻るまでにはいかなくとも、仲良くしたい。懐かしみのある呼び名で、懐かしい場所で、また…

『…戻りますか』

「ああ、戻ろう」

そうやって私のことを不器用ながらも気遣ってくれるところが好きだ。

ツユクサみたいに、3枚の花弁が重なり合うみたいに。また三国で笑い合って、茶化し合って、肩を預け合って…ってできたらいいのに。

『ちょっと…お手洗いに寄ってから行きますね』

「わかった」

寄った先はお手洗い…ではなく、喫煙所だった。

本当に無意識にここへ来てしまった。もう禁煙しているはずで、以前のようにはならないと決めていたはずだった。ああ、神よ、お願いだから…。今だけ、今だけは…懐かしい記憶に浸らせてください。

『苦いなぁ…』

吸い込んだ煙が肺と心と脳を満たしていく。

以前はよく吸っていたため大丈夫だと思っていたが、眩暈がしてきた。

体中にびりびりと響く快楽。副流煙が口元からゆっくり上に立ちのぼってゆく様子に、苛立ちを覚えた。あの空襲の惨劇にそっくりで、先輩を葬り去った拳銃から昇った煙のようで。

『あはは、もう…無理なのかな…?』

返ってこない返事。嫌に響く自身から発せられた声。部屋に響く声が私の孤独をより強調する。私は弱いから、ずっと強く見えるように見栄を張って、自重をして、関係が悪化しないように取り繕ってきた。80年前じゃ考えられないくらいの笑顔を張り付けてきた。でも…

『さびしい…です、あねうえ…』

ずっと寂しかった。80年前、大日本帝国海軍指揮官として責務を果たし尽くし、戦火のなかで授かった玉の緒を枯らした姉上がいなくなってから孤独になった。妹の大日本帝国空軍は姉上がいなくなる数ヶ月前に鋼鉄の鳥となり空を駆けたっきりだ。

『お腹が痛いですね…』

あの明るい性格の亜米利加とは違う、殺風景な米国式の病室でただ独り。腹にできた日の丸のような火傷の痕。未だにじくじくと痛むこの火傷はあの日の記憶を忘れさせまいと痛覚を鮮明に研ぎ澄ましてくる。

『…先輩、いお、私をみてほしいです』

先輩の生まれ変わりが独逸さんで、イオの生まれ変わりが伊太利亜さんだ。

両方とも尊敬できる大先輩であり、私より先に空へ逝ってしまった憎き国だ。

『独逸さんも、伊太利亜さんも、先輩方ではないのになぁ…』

前世の記憶として体と心に刻み込まれた二国は本当に可哀想で、私的には嬉しかった。私だけ、生き残って記憶を持ち続けるなんておかしいもの。

『せんぱい…あねうえ…』

ねぇ、ねぇ、ねぇ。私のことどう思ってます?

私のこと…見てくれてますか?姉上…

あなたの跡継ぎとして陸自、海自、空自ができましたよ。

私とは違って、強い子たちに育ちました。

『…りくも、つれてって』

独逸さんとも、伊太利亜さんとも、また肩を並べて一緒に花畑に行って、花冠を作って、笑って。

目から水が溢れてきて、火傷でできた傷跡がどくどくと痛んで、記憶をぼかすように煙草の煙をさらに深く吸い込んだ。咳き込むのを分かっていても、ひたすら主流煙を肺にためた。

『けほっ、…』

「身体に悪いぞ、煙草は」

え

独逸さん?

「いお…いや、あたしも、誰も気にしてないから」

伊太利亜さん…?

「私も伊太利亜も…」

「言っていいよ、独逸」

え

なにを

「生まれ変わり…なんかじゃない」

「わたしたちは…死んでないから」

うそ､でしょ

だって、あんなに死んだみたいに動かなかったじゃん

「…好きだよ、日帝も、日本もな」

「あたしも、また三国で…仲良くしたい」

あ

『わたし…っ、わたし…!!』

二国が私の頭をゆっくり、一定のリズムで優しく撫でてくれた。その手つきはまるであの時代からそのまま変わっていなくて、止めようと思っていた生暖かい水がとめどなく溢れてきた。

「…ずっと、ずっと前から、好きだった」

『ほんと…、ですか…?』

「独逸が嘘つけないの知ってるでしょ…?」

『…えぇ、しってます』

知ってる。独逸さんが嘘がつけないのは…ずっと前から、先輩だった時からだったから。あまりにも似すぎてたから、最初は疑ってた。でも、まるで皆んな別人のように振る舞うから…

「あたしは…応援してるよ、ずっと前からね!」

「ばか…それ言うなっていっただろっ、//」

ああ、あのときみたい。

三国で茶化し合って、笑い合って…見せ合う笑顔の下にはちゃんと温もりがある。

うわべだけの笑みじゃない、確かな親愛が作り出すほんとうの笑顔。

『…まってました、80年前から』

「ごめんね、遅くなって」

「言い出しにくかったんだ…亜米利加が常に君の隣にいるものだから」

『ふふっ、そうでしたね』

戦後からずっと、亜米利加は私の隣から離れなかった。それは私の帝国主義を復活させないためなのか、はたまた、自分の壁を常に設置しておきたいのかは定かではないが、会社でも家にいても亜米利加が右隣にいることがほとんどだった。家はよく遊びに来ていただけだったが。

「さて、あたしはそろそろ行こうかな!」

『…ていうか、伊太利亜さんはなぜここに?』

「んー?あたし?今日は早めに行こうって思っただけだよ〜」

『…うそつき』

「日本は相変わらず勘が鋭いね…」

「…本当はね、独逸と日本が心配だったから来たんだ」

ほら、本当は誰よりも優しいくせに。

すぐそうやって自分を下にみせる。

そんな伊太利亜さんも好きだ。もちろん、友情のほうで。

「じゃあね、日本。

また後でお話たくさんしよ」

『はい、待ってますよ』

伊太利亜さんと後で待ち合わせる予定が入った。

頭のなかで今日の予定をいい感じに組み立てていると、ふと右頬にくすぐったいような、優しさを感じる感覚がした。

「もう、いいか?」

『…はい』

「改めて言わせてもらおう。

好きだ、日本」

『私もです』

「実はな、日本と出会った日からずっと一目惚れしていたんだ。

だが…戦争中は、言えなかった」

『…そうですね、自由なんてなかったですもん』

「日本、ずっと私だけをみていてほしい。

私に毎日その美しい朱を見せてくれないか?」

『はい…っ!!』

あまりにも嬉しくて、また涙があふれた。

視界がぼんやりとしていてよく見えないが、こころなしか独逸さんも泣いている気がする。

今までずっと片想いだと思っていたから、本当に嬉しく思う。

「なあ、キスしてもいいか? 」

『あなたのお願いを私が断れると思いますか…?』

「ふっ、そうだったな」

触れ合う互いの暖かい唇。さりげなく頬に添えられた手は私が今まで見てきた独逸さんの手のなかで一番真っ赤に染まっていた。

「綺麗だよ、前も、今も」

『…ずるいですね、いつも』

「日本からはないのか?」

『…好きです、独逸さん』

私も見たときからずっと、あなたのことが。

赤く染まった手に自身の手を添える。

一気に愛情が湧いて、抱きしめたくなるような感情で胸がいっぱいになった。

腹の火傷の痛みを中和するようにこぽこぽと注がれていく愛。

今はただ、境界線すら感じさせないくらいに繋がっていたい。

まるで、ツユクサの花弁が2枚ではなく、3枚であるように。

ずっと二国で…長く、深く＿＿＿＿＿

✤✤✤✤✤✤

あとがき

どうも、遅くにすみません…(_ _;)

ぬんこです

今回は🇩🇪🇯🇵です。

途中、ツユクサが出てきましたが、記述のとおり、ツユクサは3枚花弁があります。ところが、大きく重なった青紫色の花弁2枚がよく目立ち、下部にある小さな白い花弁1枚はあまり目立ちません。

つまり、先に逝ってしまったとされていた伊太利亜(イタ王)と独逸(ナチ)は青紫色の花弁、置いていかれてしまい、たった一国が記憶を受け継いでいると考え、孤独だった日本さん(日帝(陸))は下部の白い花弁ということです。

いつも私の好んで描く独逸さんは瞳の色オレンジなのですが、今回は青がいいなと思って青にしました!

伊太利亜は今回語尾がありませんが、私的に伊太利亜の語尾は伊太利亜自身が好んでつけているという設定が好きなのでそうしています。

今回は割と上手く書けているほうかと思いますね…

長々しく語ってごめんなさい!!

また次回お会いしましょう!それではまた!

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