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私にはわかるよ……。
君のことがね……。
君にも見えているんだろう? この先の道程が……。
君はもう、引き返すことはできない。
それならばいっそ……。
覚悟を決めるしかないだろう? 君にできるのはただ一つだけだ。
さあ、始めるといい。
新たな物語の始まりだ!
「お嬢様、ご無事ですか?」
「えぇ、大丈夫よ。ありがとう」
「いえいえ、これが執事の仕事ですから」
「ふふっ、そうだったわね」
「それにしても……」
「ん?どうかしたのかしら?」
「先ほどまで、あんなに怖かったのに今は全然そんな感じしなくて……」
「それはきっと私が傍にいるからでしょうね……」
少女は呟く。
その瞳に映るのは……
虚ろな人形のように佇む、青年の姿だった。
――――――
「この部屋はいったいなんなのかしら?」
彼女はそう言って首を傾げる。
ここは、僕の研究室だ。
僕以外に誰もいないはずなのだけれど……
そこには一人の女性が立っていた。
とても綺麗な女性で、歳は二十代後半くらいだろうか? 彼女の名は『イリス』