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「….rkにぃ!!」
rkと呼ばれるやつをワイヤーで縛り上げ、尋問でもするのかという空気の中、幼い声が響く。あの子だ。hnちゃん。たぶんこの今俺たちが縛り上げているやつの妹。 目に涙を溜めて走りよってくる。
「出てくるなって言っただろ…っ!」
それを見て少し声を荒らげながらrkと呼ばれていたやつが叫ぶ。rimrさんが銃を持つ手に力を入れ、さらに強く銃口を押し付け威嚇する。
Itさんも目線はhnちゃんに行っているが、警戒は全くといていなかった。というか、どちらかというと強めていた。
「…..っ治してあげる…っ」
hnちゃんが俺たちのことなんて気にしていないと言うように、兄に走りよってくる。ワイヤーで体中傷だらけになっているrkと呼ばれているやつの肩に手をおき、彼の瞳を見つめる。
hnちゃんが彼に触れた瞬間、一気に警戒心が強まる。何が起こるか分からない。出来れば止めた方が良かっただろう。けれど手を出すべき時じゃないと、本能が、直感が言っていた。Itさんたちも同じなのか、その様子を睨みつけ、固まっている。
「………っ!!」
その瞬間、思わず目を見張る。彼の体中の傷が消えていく。元からなかったとでも言いたいように、綺麗に跡形もなく。
Itさんたちも同じような反応をしていた。信じられないとでも言いたいような顔。
「…..rkにぃっ….rkにぃっ!!」
肩で息をしながら兄の肩を揺する。一方の兄は「大丈夫だって」と言いながらhnちゃんを宥めていた。
「…それじゃ、そろそろ力を貸してくれる?」
数秒間その様子を静かに眺めた後、Itさんが口を開く。ハッとする。そうだった、ここに来た目的を完全に忘れていた。こいつを倒すのが目的ではない。この次元に蔓延している病気をどうにかするのが目的だ。
「…..私?」
hnちゃんがこちらを向いてキョトンとしていた。rkと呼ばれているやつは下を俯いていたが、やがて顔を上げた。
「俺はrk。柊鳴 rkだ。こっちは妹のhn。出来るだけなら協力するよ。」
諦めたように笑うとその場に立ち上がる。気づけばワイヤーは外されていて、mtwの指の上でクルクルと遊ばれていた。気になっていた自己紹介までしてくれたところで、rimrさんが口を開く。
「…で、hnちゃんの能力…….詳しく教えて頂けませんか?」
rkが一瞬黙った後、話し始める。
「hnは自分と目が合った人間を治す。その症状が何であろうと。」
分かってはいたがそこそこチートな能力だ。なんて呑気なことを考えていると、まだ何かあるという顔でrkがこちらを見ていた。
Itさんもそれに気づいたようで、目線を再びそちらへ向ける。
「…ただし、デメリットがある。一回目を合わせる度に体に負荷がかかる。」
言われなくてもわかった。その負荷ってのが相当大きいのだろう。さっきも一度治しただけで肩で息をして、辛そうにしていた。あの調子でここら辺の人間全てを直していたらhnちゃんが持たないだろう。
「そりゃ〜大変だねぇ」なんて言いながらmtwも真面目な顔をしていた。
別に俺たちはhnちゃんを殺したい訳じゃない。なんなら俺は任務を終わらせるためと言われても、自分たちのせいで人が死ぬなんてこと絶対に許さない。
「あ、自分良いこと思いつきました!」
全員で真剣な顔をして悩んでいた時、rimrさんが声をあげる。手をポンと叩き、自信ありげな顔で話し始める。
「テレビでhnちゃんを放送しましょ!」
は?、と間抜けな声が漏れる。どういうことだと真面目に思ってしまう。Itさんたちには意味が伝わったようで、二人とも「お〜、」と感嘆の声を漏らしていた。一方の頭の中が?でしかない俺はその様子をポカンと眺めていた訳だが。
「あれ、iemn意味伝わってない?」
俺の肩に手をポンと置き、ニヤニヤと笑っているItさん。それを横目にこちらも楽しそうに笑いながらmtwが解説を始める。
「hnちゃんの能力は目を合わせた人の症状を治す。で、目を合わせる回数で負荷がかかるんでしょ?なら一回で全員と合わせればいいってわけ。だから、hnちゃんの目をカメラで移して、放送する。で、ここの次元の人達に見てもらうってわけ〜」
「あ、そういう事かぁ〜」
思わず笑って誤魔化したくなる。rimrさんは案外頭が回るのかもしれない。なんて少し失礼なことを考える。hnちゃんたちにも意図が伝わったようで、二人ともうんうんと頷いている。これならOKということだろうか。
「やってみる価値はある….か」
「良いよ〜っ!!」
rkはその場にホコリを払い、立ち上がると「テレビの件は任せろ」とか言ってどこかへ電話をし始める。よくよく考えたらあの爆風の中生き残ったスマホ(?)ってどういう事だよとは思ったが、まあ頑丈ということだろう。
「よし、じゃあ準備が出来たらさっそくやりましょうか」
その様子を見てrimrさんが手を払う。ふぅっと息を吐いて、やっと落ち着いたといったところだろうか。
少ししたところで、hnちゃんたちの方を見ていたItさんが口を開く。
「そういえば、hnちゃんは連続で能力使っちゃって大丈夫?」
hnちゃんは「大丈夫!!」と言って笑っていたが、やはり心配は残る。….と言っても、そこまで気にしていたら何も始まらないし終わらない。
ちょうど電話を切ったrkに能力の負荷の話と、いつ頃作戦を実行するのかという話をすると、二連続ぐらいであれば大したことは無いと思う。と、明日の朝という返答が得られた。
「じゃあ明日の朝まで寝ようかなぁ〜」
「まだ夕飯すら食べてないんだけど」
呑気なことを言っているmtwにItさんが厳しくツッコむ。結局多数決でこれからは夕飯の買い出しに出かけることになったのだが。
コメント
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※このスマホは特殊な訓練を受けています
これこそがレイマリマジック☆