「……どこだ、ここは…」
何故か寝て起きたら、1本の木に謎の実?のようなものが生えているだけの、他は草原のような場所に来た。
マジで見覚え無いぞ……2度目の転生だとしても寝てる間に殺されるってなんだよ、
「あ!お兄ちゃん!!」
「は?」
やばい、びっくりしすぎて妹に「は?」って言ってしまった、
というかこの謎空間なんなんだ?
「あれ?アクアとルビー、だよね!?」
「お母さん!?」
「……っ!?」
俺とルビーはともかく、アイまで居るとは、
驚いたな、随分前に死んだアイも居るってことは転生では無い、?
いや、アイは時間差で転生のチャンスが与えられた可能性も無くは無い、
そもそもその場で転生するっていうのが例外だった?
それかここは異世界とかそういうファンタジー世界か?
異世界転生物でもたまに謎な空間に1回通されてから転生するしな……
それを考えるとこういう転生の仕方が自然?
そもそも転生では無い可能性も……
あぁ、考え出すと止まらないな、
「ルビー、アクア、、15年ぶりくらい?」
「ママぁぁ、っ、会えてよかった、もう1回会えて良かったぁっ、!!」
「……ア、イ、」
いつの間にかアイに抱きしめられていて、隣にいるルビーは号泣していた。
そんな感動の再会の雰囲気をブチ壊すように、【あれ】は現れた。
「感動の再会なのに、お邪魔してごめんねー?」
「今から君達には、『セカイの狭間』に行って、セカイを選んでもらうよ!」
「……は?」
「え?」
それはどこからどう見ても、VOCALOIDの初音ミク。あの電子の歌姫とも呼ばれて、世界中で愛されている、あの初音ミクが、目の前にキラキラとしたエフェクトを少しの瞬間纏い、現れた。
「君たちの想いがどれにも当て嵌まらないなら、新しいセカイが生まれる……」
「ちょっと待ってくれ」
「うん?質問?」
正直言いたいことは沢山あるし、「セカイの狭間」や「セカイ」についても聞きたいことだらけだ。
「セカイと、セカイの狭間…あと、『想い』について説明してくれないか?」
「うん。やっぱりそこからだよね。」
「まず『セカイ』についてなんだけど____」
〜
あれから少しの間、質問に答えていく時間が続いて、突然『セカイの狭間』とやらに飛ばされた。
先に説明されたことを纏めると、
『想い』はそれぞれの人が平等に持っている、『本当の思い』だそうだ。セカイを持つほどの強力な想いを持っている人は、想いを見付けると曲になるらしい。
「セカイ」は『想い』に沿って作られる、バーチャル空間のような物だそうだ。普通、4人ほどの人数で作られるが、想いが強い人は1人で作ってしまうらしい。セカイは作った人の思い出で出来ていて、本人から見て知らないものはほとんどないらしい。
「セカイの狭間」は、それぞれの「セカイ」を見ることが出来るらしい。正直、教えられないことだらけらしいし、それくらいしか情報は教えてくれなかった。
まず最初に選ばされたのは、「聞こえてきた想い」。
俺は『苦しみに満ちた想い』にした。
その次は、「その音色」。
次は『きらめく青の音色』にする。
次、「見えた景色」。
『何も無い真っ白な景色』。
すると目の前に浮かんできたのは、『何も無いセカイ』という床がマス目のようになっていて、パネルのようになっていた。それに鉄骨のようなものが生えてきているようで、空は灰色のようだった。聞こえてきた歌は、聞いていてどこか心地よかった。
「みんな決まったみたいだね!じゃあ、行ってらっしゃい」
その声を最後に、俺は意識を失った。
〜
「大丈夫、かな、」
「……あれ、ここ、って、」
「うわぁ!?急に起きた!?」
ここは_____
あの時の、「誰もいないセカイ」?
それより、なんだか人が沢山いるような……
「……こんにちは、?」
「もうこんばんわだけどね〜」
「私は朝比奈まふゆです。こっちが奏で、こっちが瑞希、こっちが絵名です」
凄く声に違和感がある……なんというか、才能のある人の初めての演技…?みたいな、細かい所言えば止まらないけど、パッと聞くと全然違和感ない……というか…表現が難しい、
「俺は星野アクアマリンです。高校1年生、役者です」
「え〜!?役者さん!?とゆーかボクと同い年だーっ!」
「よろしくお願いします、?アクアマリンさん、」
「役者されてるんですね。凄いです。」
「……いいな、」
一応キャラを作って話しておくことにした。
1人は大人しめで、サラサラな白の髪を持った女の子、恐らく奏、という子。1人は濃い紫の髪で、後ろでひとつに括っている女の子、まふゆ、という子。1人は茶色の髪で、左の方に編み込みをしている女の子、恐らく絵名、という子。最後の一人がピンクの髪をした、左で結んでいる子、恐らく瑞希、という子が居る。
「……あの、絵名さん…ですか?」
「?そうだけど……」
「、絵描いてらっしゃるんですね。これ、俺ですか?」
「え?あ、あぁ、うん、今度の曲にピッタリだなって思って、」
「曲?」
それから色々話したが、どうやら「ニーゴ」という作曲グループで、奏さんが作曲、まふゆさんが作詞とMIX、絵名さんがMVの作画、暁山がMVだそうだ。高校生で作曲なんて凄い、と褒めたら『役者してるアクアさん/星野さんの方が凄いですよ』とみんな口を揃えて言われてしまった。ここまで言われると俺としても少し嬉しい。
「…その、絵のモデルになって貰えませんか?」
「絵名さんの、絵のモデル?」
「役者って言うんなら、表情も作れるし、しかも新曲のイメージとアクアさんのイメージがピッタリなの!!お願い、絵のモデルになってください!!」
「…は、はい、分かりました」
「本当ですか!?」
俺にピッタリな…?どういう曲だろう、少し聞いてみたいな……
絵のモデルは、絵名さんの家の方がいいと絵名さんが言うので、そうすることにした。
絵のモデルなんてやった事がないが、本当に力になれるのだろうか、?
ーー絵名の部屋ーー
「違う、もっと苦しい表情。」
「手の位置はもうちょっと下」
「もっと絶望してるような表情!」
絵に対する情熱が凄いな、
ちょっと時間が掛かったが、思ったような構図になったのか下書き……ラフを書き始める。
そこから下書きして、線画を描き始めていく。
俺はやることがなく暇なので、ベットに座らせてもらっている。俺的には床に座ってもいいが、『一応客人だし床には座られされない』と言われてベットに座らせてもらった。
絵名さんは凄いな……絵へのこだわりが凄い。
あれ?そういえば、俺の現実世界での役者人生は……
まぁ、いっか。
「おい絵名、チーズケーキ買っ…て、きた…ぞ……」
「彰人!?」
「、彰人さん、?ん、え、?」
誰!?絵名さんの彼氏!?だとしたら俺連れ込まないよなうん!!弟?似しては似てない!!いや失礼だな!?うんどういうことだ!?
「…絵名お前彼氏出来たのか」
「違う!この人は絵のモデルになってくれた人で、別にデートとかじゃ……」
絵名さんその言い方はまずいから、、デートって言ってるようなものだから…うん……(諦)
「……邪魔しましたー、」
「違いますよ!?」
つい勢いでドアを閉めてどこか行こうとする彰人さん?を止めに行く。
勘違いされるのは嫌だからな。あくまで俺の恋人は有馬だからな、
というかこのまま付き合ってるってことになって有馬がもしここに来てたら縁切られる。マジで。
「ただの絵のモデルです、本当に付き合ってないんで、というかもう他に彼女居るんで!」
「すみませんでした」
何故かおれが説教してるみたいな構図になったが、まぁ母親父親が居ないしいいだろもう……
というか、今更だがルビーが心配だな、今頃違うセカイに居るのかもしれない。俺のようにセカイから出れたら、もうここで暮らすまで行けそうだな…
「……ルビー、心配だな…」
ルビーのことだからそこに誰か居てもすぐ打ち解けそうだがな、それでも心配なものは心配だ。
「アクアさん?」
「あ、いえ、少し妹の事を考えていて……」
もしあのセカイから出られたとしても、そこがどこかも分からない場所だとしたら?
もしセカイから出れなくなって閉じ込められたと同意義になってしまったら?
セカイに居た人に何かしら危害を加えるようなことをされていたら?
そうなったら俺は、早くに行動していなかったことを恨む。
ーーーー
「……どうしたものか」
「え?」
今は朝。
さすがに女性と男性が同じ部屋で寝泊まりするのは世間的にまずいということで、表向けには「星野アクアは東雲彰人の友達で、ただお泊まり会をしていた」という設定になっている。
そして朝起きて一応顔洗って歯磨き、服も少しぶかぶかだが借りた。若い子の身長怖い。(俺だって男性の平均超えてるんだが!?)
所で、この世界に都合よく陽東学校一般科が時間軸もブレず授業の進行具合もなにもかもブレず元いた俺の世界からこの世界に持ってくるなんてあると思うか?
答えは否。無い。
1度陽東学校をこの世界で調べてみたら、出てこなかった。
つまりそれは無い。
あったとしても場所が遠ければ通えない。(俺はそこまで体力は無い)
しかもルビーの居場所を知る、なんてGPS系のアプリでも無ければ……
ん?
いや、心配だから一応入れて貰ってたんだった。
「…宮益坂女子学園……通称宮女、アイドルや財閥のお嬢様など芸能に関わる人も多い進学校…」
どうやらルビーは宮益坂女子学園に居る様だった。
もはや陽東学校芸能科くらい居るだろこれ、アイドル、有名財閥のお嬢様、歌手志望にバンド……
なにこれ……え、ルビーここに居るのか?
いやいつも天才役者とグラドルと有名女優とインフルエンサーに囲まれたり事務所所属だったりしてるから平気は平気なんだろうし女子しか居ないから手出たりする人も居ないだろうけどそもそも女子って意外と怖いからそういう子がいるとルビーのメンタルがやばそうというか心配で女子校乗り込むって言うのは世間的にもかなり悪い行為っていうのは分かってるけど可愛い妹が心配だから乗り込みに行きたいとか思うのは自然の摂理であってただ俺がかなり重度のシスコンってことでは無いわけだ
「……なぁ、どこの高校通ってるんだ?」
「神山高校」
「へー……」
「流すなそしてスッとスマホに目線をやるな検索するな」
神山高校…自由な校風で賑やか、名物は爆発音と共に登場すると言っても過言では無い変人ワンツーフィニッシュ…??????変人ワンツーフィニッシュ??変人ワンツーフィニッシュって何???
「変人ワンツーフィニッシュって何???」
「ただただ自信がやばい声がでかいヤツ×機械なんでも作れる好奇心旺盛演出家のショーバカ2人組」
「うわすっごいわかりやすい」
とりあえず神山高校に行ってみることにした俺は彰人に着いていった。
そして他愛もない話をしていると、神山高校に着く。
「う”わっ!?」
「またか……(察)」
それと同時に何故か大きい爆発音とほんのり焦げ臭い匂いがした。
なるほど、変人ワンツーフィニッシュか(察)
それから校門を潜り、(俺は止められたが)少しするとめっちゃハッキリと「類ーーーーっ!!!!!!お前火薬は使うなとあれほど言っただろう!?!?!?前髪だけじゃなくて横髪も少し焦げたんだがー!?!?!?!?」と鼓膜が破れてしまいそうなほどの大声が聞こえた。
だと言うのに周りは他愛もない話をして「なんだ変人ワンツーか」「ワンツーか、ならいいか」と度々口にしている者がいる程で、『これ俺がおかしいのか……?』ってなった()
それから引き止められた俺は事情を説明した。(セカイのことは伏せてあくまで遠くから引っ越してきたという設定。)
そうすると何故か「あぁ、じゃあいいよ☆通ってよし☆」と言って通してくれた。(ついでにちょっとぶかぶかな制服を渡された。(なんで?)
ーー1-C教室ーー
「今日は転校生を紹介する」
微妙にざわざわと話が聞こえるが、全無視。
こんなのいちいち気にしてたら役者なんて務まらない。
「星野愛久愛海です。役者をしています。呼ぶ時は普通に「アクア」でいいです。よろしくお願いします。」
『あれアクアマリンって読むの…??』やら『なになに芸名??なにこれなんなの??役者…?』と奇異の目で見られるが、別に慣れた。
担任から、「あそこの窓側の1番後ろ空いてるからそこに座ってね」と言われたのでさっと座った。
そこから普通に授業が始まったが、普通に暇だ。
前世のメリットで記憶は残ったままだから、大学の受験範囲くらいまでは出来る。
なんか、うん、暇だ。
ルビーはどうしてるのだろう。俺と同じようにしているのだろうか。
ん?だとしたらルビーが危ないな普通に。進学校だからタダでさえ芸能科の勉強ができないのに進学校…大丈夫か、?
それに有馬とかその辺も心配だ。
来ているかは分からないが、来ていたら普通に心配だし、来ていなくても俺と有馬、w主演のドラマ撮影があったから色々と苦労してるんだろうな(他人事)と思いながらその日の授業は終えて、放課後になった。
「ねぇねぇ!」
「……」
「おーい」
「…え、俺?」
「そうだよ?ていうか!お兄さん見ない顔だねっ!」
桃色の短い髪をして、身長はだいたい…有馬と同じくらいの子が駆け寄ってきた。
「そういえば、その制服______」
「あーっ!お兄ちゃん!」
「!」
さっきまで話していた少女を追いかけて来たかのように、ルビーがこちらに走ってくる。
「、ルビー、どこ行ってたんだよ、」
「行くところなかったからえむちゃんの学校に連れてって貰ったの!」
「えむ、?」
「あたし鳳えむっていいまーすっ!よろしくねっ!」
どうやら、『学校行こう!』→『でも陽東高校無いし…』→『じゃあえむちゃんの学校行けばいいんだ!(?)』ということでこうなったらしい。
いや、どういうこと?って聞いてみるとどうやら鳳さんからの提案らしい。発想g
「えむ!?なぜまたここに……」
「だってーっ!司くんと類くんで話してるでしょー?私も入りたい〜〜っ!」
「ごめんねえむくん、僕達はちょっと大事な話するからさ?先にワンダーステージに行っておいてくれるかな」
何故か手を繋いで……しかも恋人繋ぎでこちらにやってきた。恐らく、朝のあの人だろう。
「……」
「類?」
「あ、ううん。なんでもないよ。」
あからさまに『近付くな』的な感情が染み出ている。これ絶対地雷踏んだらダメなやつだ。殺される…
ーー鳳家ーー
何故かあれから『お前達もショーを見に来ないか!?』と言われ、何故か練習に付き合わされたし、何故か即興劇に入れられた。まぁ俺は役者やってたしルビーも演技は得意だ。一応入れたが、中々に突飛な物語になった。それはそうか。鳳さんいるからな。(慣)
「……にしても…」
でかくないか?家、えぇ??デカ、え、?えぇ??どういう、は?
「すっごーいっ!えむちゃんちおっきーい!」
「大きいとかそういうレベルじゃない、美術館とかそういうレベルだぞこれ、」
色々すっごい高そうな絵飾ってるし!リビングから庭見えるし!!豪華すぎだろ!?どこのご令嬢!?
「…うゎ…」
「ルビーちゃんっ!アクアくんっ!あたしの部屋行こっ!」
「やったーっ!」
部屋?鳳さんの、部屋に…俺が、
ダメだろ!?いやいやいやいやいや俺彼女いるけど女子の部屋に入るのはダメだろ!!なんなら家も危ういけどな!?
「……」
「お兄ちゃん?行か」
「行かない」
「何がなんでも行かない。」
コメント
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凄く素敵です!
ウワッサイコウッキョウイノチビ?
アイが出てきた瞬間「ファッ」って声出た()