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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「悪い、責めちまって、」

「大丈夫。俺らも悪かったな。」

「千冬、大丈夫か。」

千冬はにこりと微笑み、誤魔化していた。

「千冬、ごめんな。」

俺はそっと頭を撫でると、彼はさらに涙を流した。

俺の中の千冬を見失ったようだ。この千冬がどうしようもなく、すぐ消えてしまいそうで、

俺は千冬の頬に触れ、微笑んだ。

「 ごめんな、」

「別に気にしてねぇっすよ、」

「でも、なんでこうなったんだ??まだ一年前とかはこんなんじゃ、」

「隠してたんだよ。千冬はずっと。」

「つまり??」

「場地に気づかれないようにしてたんだ。

千冬はずっと、原因は、千冬本人だけ知ってる。

でも誰にも話してくれないんだ。

何時からかとか、初めに何があったのかとか、まぁ、

詳しいことは武道に聞いた方が早ぇな、

今呼ぼうか ?」

「そうしてくれ。」

「ぇ、」

千冬は一虎の方を見つめ、首を振っていた。

バレて欲しくない。言わないで。そういう目で、彼を見つめた。でも、それは誰かが知っていないといけないこと、 身近で、すぐに動けるような人、

もしかしたら解決方法があるかもしれない。

千冬を救いたいんだ。

「やめて、一虎く、」

「千冬。原因が分かるかもしれない、

俺もある程度理解はしておきたいし、

すまないが、いいか?」

聞いても彼が戸惑うことくらいは想像ができていた。

━━━━━━━━━━━━━━━

しばらくして、武道が来た。

武道は千冬を見て、「本人の前でいいんですか?」

そう一虎に問いかけた。

「こいつは、1人にしちゃダメなんだ。

死んじまうから。」

「そうですか、千冬がいいなら、」

「……。」千冬は無言でただ何も言わず、ただ俯いていた。

「まず、、」



あれは、学校の放課後の話。初めがそれくらいの日。

中学二年生の秋。11月1日。

ひなとも、あっくん達とも帰らず、1人でなんとなく帰って、どこかに行きたかった気分でした。

あの日は、ひんやり寒くて、秋を感じるような金木犀の香りが漂っていた。

でも、濡れたコンクリートの匂いも混ざって、

不思議な感じで、いつもとは違うように思えた。

千冬と出会ったあの公園で、子供が誰一人と遊んでいないなか、千冬がひとりでぽつんと突っ立っていた。

「千冬?」

話しかけると千冬は俺に怯えたような目をして、

「ひっ、」

何かを恐れているように見えた。なにか怖いものが見えたかのように。

「どうしたの?」

いつもの千冬じゃなくて、困惑していたのを覚えてます。

「千冬、?」

なにか様子がおかしくて、彼に近づくと、彼は俺から後退り、ゆっくりと、逃げていた。俺を忘れているのか、トラウマでも植え付けられたのか、

虐待後の子犬のようだった。人間を恐れていて、

怖がっているように見えた。でもそれは一瞬とかではなくて、長く続いた。

「千冬、何があったの、?」

傷もなくて、ただ震える瞳が彼の思いを物語っているように思えた。

「なぁ?千冬、どうしたんだよ??」

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、」

突然泣き出して、謝りだした彼をどうすればいいか分からなくなっていた。

「千冬、何で泣くの、?どうしたの?ねぇ、

本当に大丈夫、?やばいんじゃない、?

俺ん家来る??やばいよね、」

頭を抱え、震える背中を摩り、周りをきょろきょろと見渡しても、誰も来る気配なんてなくて、

俺の家に連れていくことにしたんです。

さすがに、こんな寒い中、外にいると風邪も引いてしまわないか不安だったので。

彼が動くような気配もなくて、過呼吸も薄々出てきたので、あっくん達に連絡したんです。

《もしもし?今から来れる??緊急事態なんだ。》

《どうした?またどっかの不良に襲われてる??》

《いや、違う。千冬が酷い状態なんだ、ふざけてる場合じゃないんだよ。急いでくれ。》

あっくん達が来るのを待っている間、ただ、背中をさすることしかできなかった。

だんだんと過呼吸も酷くなってきた頃、あっくん達がようやく辿り着いた。

「どうした!?千冬、?」

まぁ、その姿は何となくわかるだろう、いつもいきいきとしたカレが蹲り、震え、頭を抱えて、震えている。

何も出来ずただ摩ることしか出来ない俺。

どう考えても異様すぎる光景。

「おい、!大丈夫か!?」

「俺ん家に運ぶつもりなんだけど、動ける状態じゃないから、どうしたらいいかわかんなくって、」

「とりあえず袋被せろ!!」

やはり素早く行動ができるあっくんは本当に頼もしかった。あの時彼の姿がとても勇敢だと思った。

山岸や、マコトはとりあえず千冬に呼びかけ、運び出そうとして、タクヤは袋を持ち、過呼吸を止めようとしていた。

本当に呼んでよかった。

「ごめっ、なさっ、嫌だ、ごめんなさっ、」

しかし千冬は収まることなく、パニック状態が続いていて、俺達には見えない、千冬から見える何かに怯えているように思えた。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

何とか、無理矢理というか、とりあえず、家には連れて行けた。

「千冬、大丈夫、?」

過呼吸はまだ続いていて、俺らの顔や、部屋のまわりをきょろきょろと見つめ、怯えた目で見つめられた。

その目に俺らは何も言えなくて、自分たちの無力さに情けさを感じた。

「場地くんに連絡しようか、」

その一言で千冬は大きく目を見開き、

「だめっ!!!!」

必死に否定した。



「どうして?」




「だめ、だめだめだめ、だめ、だめ、だめ、!」



「三ツ谷くんとか、ドラケンくんは、?」



「だめ、言わないで、」



「三ツ谷くんたちに1回来てもらおうよ?」



「いいよ、掛けよう。流石にこの状態は大丈夫じゃない。

1回幹部に相談するべきだ。」



「場地くんだけは本気でダメなら、三ツ谷くんとか、優しそうじゃん?」



「そうしよ。」



おい待てそれどういう意味だこら。)) By場地

まぁまぁ、、)) By武道

『 お薬飲んで寝よう 。 』

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コメント

3

ユーザー

ちょ、最後の行オモロwやっぱ皆頼りになるね!

ユーザー

タケミチナイスだァァ!!あっくんも結構頼もしいな。

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