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第13話 君子九思
「あ…」
私は、──説明を聞き、理解した。この世界の理を。
しかしここでひとつの疑問が生まれた。
それは…私たちが消されていないこと。
前も考えたこの問題……前は消されていないから…私の存在は『矛盾』していないと思っていたが、『昨日の記憶が残ってしまう』ということが条件ならば、私の存在がこの世界の『矛盾』になってしまう。
「う、うーん……じゃあ、なんで私たちは消えてないんだろう……」
そんなことをポツリと呟いた。
ウフツも少し右上を見て、考える動作をすると口を開いた。
「それなら、『昨日の記憶がある人』がいることは矛盾ではないのでは?…」
ピリピリとした空気が張り詰める。
しかし、なぜそんな事が起きるのだろうか?……神様のいたずらかなんかなのか?
……それなら相当、神様は性格が悪いことになってしまう。
ウフツのように、苦しむ人が現れることだなんて分かりきっていたはずだっていうのに。
───いや、それとも…
私のような世界に疑問を持っている人…──この世界を変えたい人に希望を持たせるためだったら……?
そんなことを考えていると、不思議と言葉が出てきた。
「この世界を変えるための……鍵なんじゃ?」