テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
今回多分、長めです
ご覧くださいー!
───────────────
木々が生い茂る中、自然な森には似つかない建物が一件あった。
「ここに、四季が···」
「たっく、こんな所にあるなんてよ」
「探すのに、多少時間はかかりましたが見つけましたね」
「作戦は、俺が正面で囮になる」
「では、僕らが裏から四季くんを保護しに行きますね」
この場所にいるのは、たった3人だ。だが、鬼の中でも最強な無駄野無人、偵察技術で右に出るものはいない淀川真澄、その補佐をしている並木度馨。
この3人ならば、助けれるかもしれない。
他にも四季の救出に出向こうとした人間はいた。
もし、これが敵の罠だった場合。
多大なる損害を出すことになる。そのため、上層部から出された条件は最高3人までとの命令だった。
「チッ、とっとと裏回んぞ」
「はい、」
「四季を、頼んだぞ」
「俺が失敗するわけねぇだろ」
合図と共に作戦を実行する。さすが同期というのだろうか?長年一緒にいた2人は言葉を交わさずとも、作戦を理解していた。
白い廊下、まるで迷路のような広さだ。
「四季、く、ん?」
ちょうど角を曲がった、瞬間、彼はいた。
紺色の髪は、風のない空中に靡き、こちらに背を向けていた。
「待って、馨」
「なにか、おかしい」
745
真澄はなにかに感ずいたのか、徐々に距離を取る。
「た、いちょう?」
「ッ」
その刹那、視線を真澄に移した馨は、腹に強烈な痛みを感じ、気づいた頃には遠くへ吹っ飛ばされていた。
「馨!ッ」
「ぅ、あッ」
真澄が前を確認する。そこに居たのは、両腕を猛獣のように毛皮で覆われた、一ノ瀬四季の姿だった。
「はッ、あいつら···ッ!」
真澄は瞬時に四季の背後に回り、頸動脈を僅かに打つ。
「!」
四季はその動作に反応出来ず、パタッと意識を手放した。
「馨、運ぶぞ」
「はい、ッ」
よろよろと、殴打された場所を抑え歩く。
「やはり、来てましたか」
「!」
(俺が、気配に気づけなかった?ただもんじゃねぇな?)
真澄はすぐさま、撤退できるよう体制を整える。
「いやはや、まさか四季を真正面から奪いに来るとは···」
「返して、もらいますよ」
「ッ」
(やべぇな、馨も俺も戦えるだけの実力がねぇ)
真澄は逃げの体制をとり、離れようとするが、視界の目の前に人が現れた。
「潔く、逝ってください」
敩の手が、馨に振りかざされたその瞬間。
3人の視界には深紅色の髪が映っていた。
「おいおい、野蛮なやつじゃのう?」
「くッ、貴様は···!」
その女性らしき、人物は敩の手首をひょいと掴み取り、捕らえる。
「こんなひよっこどもに、卑怯とは思わんのか?」
「うるさいですよ、それに···あなただけには言われたくありません」
「酷いやつやのう、」
「まぁ、よい」
その血のような髪は宙で風に靡かれ、深紅色の目は人の心理を覗いているようだった。
「お主ら、大丈夫かのぅ?」
「誰だ、?」
「俺は、芯事(しんじ)じゃ!」
「芯事さん、?」
「芯事でよい、さん付けはむず痒いからのう」
「なんの真似ですか、鬱陶しいですよ」
敩は目を細め、芯事を睨みつける。
「それは、お前らんに言われたくないわ」
「さぁ、逃げるぞ!立て」
「!」
「はい」
目を覚ますと、周囲には誰もいなかった。
ベットから背中を立ち上がらせ、考え込む。
マスターも、敩も天もいなかった。
(確か、侵入者が来て···)
「起きたようだな、四季」
「!」
横を見れば、手を組み壁によっかかる人がいた。
顔には2本の線画入っており、俺と同じ無表情だ。
「誰、」
「、」
俺がそういうと、男は考え込むように俯く。
「俺の名は、無駄野無人」
「お前の先生だ」
「せ、ん、せい?」
「そうだ、」
「、」
全く分からない、こいつはなんなんだ。
(でも、この声は···嫌いじゃない)
四季は反応に困り、黙り込む。誰なのか、自分の知らぬはずの人間に親しみを感じるのは何故なのか、分からない。
「四季くん!起きたの?」
そうこうしてるうちに、ピンク髪が特徴的な男が表れる。その男も壁に寄りかかる人の仲間らしい。
名前が分からないため、俺はこの2人をピンクさんと黒さんと呼ぶことにした。
「四季くん!大丈夫?怪我ない?どこか痛い、とか?辛いとかない?」
ピンクさんはずっと話しかけてくる。よく、初対面の人に身体の心配なんかするな?と考えるが、今そんな場所じゃないことに気がつく。
「!」
四季は明らか弱そうな、ピンクさんに飛びつく。
襲うわけでもなく、人質にするわけでもない。ただ、好奇心で飛びついた
誰なのか分からないが、相手が鬼なのは分かる。
「し、きくん?」
ピンクさんは案外すんなりと抑え込めた。黒さんは俺の行動に疑問を持っている。
(なんで、こいつらは敵であるはずの俺に警戒すらしないんだ?その上、敵意さへない)
「お前ら、なんなんだ···?」
普段は言葉を口にしない四季が、話しかける。その声は疑問と好奇心が込められていた。
「四季くん、まさか······記憶ない???」
「???」
「そう、みたいだ」
コメント
8件
これからどうなるのか楽しみです✨️
