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#異世界
るるくらげ
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「ああ・・・えっと」
「私、ひとみ。久しぶり。覚えてる?」
声をかけてきた人物は小学、中学と同じクラスだった立石 ひとみ(たていし ひとみ)。クラスの中でも大人しめだった彼女も高校生となればやや冒険心も出たのかもしれない。
若干髪の毛が明るくなり、手にはアクセサリーがいくつか付けられている。
「何か買いに来たの?」
「あ、いや、そう言うわけじゃなくて・・・」
僕はふとあることを思いつく。そうだ、ひとみも同じなのだから、進路とかどうするんだろう。彼女は普通科に通っていて、たしか記憶が正しければ頭が良かったはず。
これも何かの導きだ。とそう思い、聞いてみることにした。
とはいうものの店内で聞くわけにもいかない。僕はひとみと一緒に自販機へ向かうとお互いにお気に入りの飲み物を買って近所の公園に向かった。
「進路?何かと思えば・・・」
意外だったらしい。いや、それでも僕としては何か参考に成ればいいなと思って聞いてみただけなのだけれど。
「私は、高校卒業したら県内にある調理師の専門学校に行くよ。今度、体験入学にいくし」
「調理師?」
「うん」
話を聞いているとだんだん彼女の目が生き生きとしてくるのが伝わってきた。そう、活力。それだ、多分この生きているって感じの話し方は。
「それで?真人はどうするの?進路。電気科・・・だっけ。だったらそっち系に就職?」
「あー・・・決めてはいるような、いないような」
「ふうん・・・まあでもいいんじゃない?真人が決めればそれで」
僕は彼女の方を見た。
「・・・真人は知ってるでしょ。私、中学の時勉強ができた。みんなもそういう目で見てくれてた。そういう感じ。だから実は進路を決める時、きっと国立の大学に行くってみんな思ってたみたい」
「でも、私はそうじゃない。自分がやりたいことをしたい。自分に正直になったとき、やっぱりやりたいことはこれなんだって思った」
「・・・その、えっと」
聞くか聞かないか僕はその時、決めかねていた。
「何となく、真人が私に聞きたいことはわかる。周りの反応はでしょ?で、その答えは当然あった。けど、関係ないでしょ。それって」
「そうか、それならよかった」
少し、彼女に憧れてはいた。好きとかそういうのじゃなくて、凄いなってずっと思っていた。でも、やっぱり考えるところの道筋は僕とあんまり変わらないということを聞いた時、僕は自分で決めることにした。
「・・・自分で決めるよ、この先の事」
「それがいいよ」
そう一言、僕は彼女から受け取ると家に帰った。