テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
みぅ🤍🥀です。 8話、読ませてもらいました。 朝ごはん作るシーン、すごく好きです。みすずが「また作りたくなる」って言うところ、なぎの嬉しそうな反応に釣られてる感じが可愛くて。 外に出たいって言ったときのなぎの「怖い」は、過保護とかじゃなくて、ちゃんと大切に思ってるからこその言葉なんだろうなって伝わってきました。 「いつか二人でなら」って思える関係、いいなあ。 普通のBL、私は好きですよ。ゆっくり進む距離感が、ちゃんと温かい。
『少しずつ、できること』
次の日の朝。
みすずは、いつもより少し早く目を覚ました。
カーテンの隙間から、柔らかな光が差し込んでいる。
「……朝か」
ベッドから起き上がろうとした、そのとき。
昨日のことを思い出した。
繋いだ手。
なぎの「好き」という言葉。
そして、自分が返した言葉。
「……恥ずかしすぎる」
みすずは顔を枕に埋めた。
けれど。
嫌ではなかった。
むしろ。
少しだけ、嬉しい。
コンコン。
「みすず、起きてる?」
「……起きてる」
扉が開く。
なぎが顔を出した。
「おはよう」
「おはよう」
なぎはみすずの顔を見ると、少し笑った。
「顔赤い」
「うるさい」
「昨日のこと思い出した?」
「……」
「図星だ」
「なぎ」
「ごめん、ごめん」
笑いながら、なぎが部屋へ入ってくる。
そして、みすずの前に手を差し出した。
「今日は、ひとつやってみない?」
「何を?」
「朝ご飯。一緒に作ろう」
「……俺が?」
「うん」
みすずは少し迷った。
今まで、何かを自分からやることなんて、ほとんどなかった。
でも。
なぎが待っている。
「……やってみる」
「ほんと?」
「うん」
なぎは嬉しそうに笑った。
「じゃあ、行こう」
キッチンへ向かう。
みすずが包丁を持つと、なぎが隣に立った。
「まずは、これを切ってみよう」
「分かった」
「ゆっくりでいいからね」
みすずは慎重に野菜を切った。
一回。
二回。
三回。
「……できた」
「うん。上手」
「これくらい普通だろ」
「でも、みすずが自分からやってくれたのが嬉しい」
「……そういうこと言うなよ」
「なんで?」
「なんか、恥ずかしい」
なぎがくすっと笑う。
「じゃあ、次」
「まだあるの?」
「もちろん」
今度は、フライパン。
なぎが横で火加減を見ながら教えてくれる。
みすずは卵を混ぜる。
少し失敗した。
形が崩れた。
「……失敗した」
「失敗じゃないよ」
「でも、ぐちゃぐちゃ」
「味は?」
なぎが少しだけ食べる。
「おいしい」
「……ほんと?」
「うん」
なぎが笑う。
「みすずが作ってくれたから、もっとおいしい」
「……それ、ずるいだろ」
「何が?」
「そんなこと言われたら、また作りたくなる」
なぎの目がぱっと輝いた。
「じゃあ、また作ろう」
「……うん」
その日の朝。
みすずは初めて、自分から朝ご飯を作った。
ほんの小さなことだった。
けれど。
なぎにとっては、それがとても嬉しかった。
それから。
少しずつ。
みすずのできることが増えていった。
最初は朝ご飯。
次は洗濯。
その次は、部屋の掃除。
なぎは何でも先にやってしまうのではなく、みすずにできることを必ず残してくれた。
「これは俺がやる」
「じゃあ、こっちはみすずにお願いしていい?」
「分かった」
そんなやり取りが、いつの間にか当たり前になっていった。
ある日。
みすずは玄関の前に立っていた。
閉じられた扉を、じっと見つめる。
「……なぎ」
「ん?」
「俺……」
みすずは少しだけ迷ってから、扉へ視線を向けた。
「外に出てみたい」
なぎの表情が、わずかに変わった。
「……外?」
「うん」
「どうして?」
「最近、少しだけだけど……できること増えただろ?」
「うん」
「だから……外も、少しなら大丈夫かなって」
なぎは黙った。
そして。
ゆっくりと、みすずの前に立つ。
「……ごめん」
「え?」
「それは、まだ駄目」
みすずが目を瞬かせる。
「……なんで?」
「みすずが駄目だからじゃないよ」
なぎは優しく言った。
「でも、外に出たら何が起こるか分からない」
「……」
「今のみすずなら、もしかしたら大丈夫かもしれない」
なぎは扉を見る。
「でも、もし何かあったら……僕は怖い」
「なぎ……」
みすずは何も言えなくなった。
なぎがそっと、みすずの手を握る。
「もう少しだけ待って」
「……どれくらい?」
「……」
「焦らなくていいよ」
みすずは扉を見つめる。
本当は。
少しだけ外へ出てみたかった。
けれど。
隣にいるなぎの手が、少し震えていることに気づいた。
「……なぎ」
「ん?」
「そんなに怖い?」
なぎは少し黙って。
「うん」
正直に答えた。
「みすずが外に出て……僕のところからいなくなったらって考えると、怖い」
「……」
みすずはその言葉を聞いて。
扉から離れた。
「分かった」
「……いいの?」
「うん」
みすずは、なぎの手を握り返す。
「今日はやめる」
なぎがほっとしたように息を吐いた。
「ありがとう」
「でも」
「うん?」
「いつかは、出てみたい」
なぎは少し困ったように笑った。
「……そのときは、僕も一緒に行く」
「絶対?」
「絶対」
「じゃあ、いい」
みすずは笑った。
外へ出ることは。
まだ少し先。
でも。
いつか二人でなら。
そう思えるだけで、不思議と怖くなかった。
こんにちは。こんばんは。ワンチャンおはようかな?月乃愛瑠夏です!
初めての普通のBLです!w
セイシティブの方が視聴率いいと思うんですが、こーゆーのも求めてる方いる気がするので、普通のBLを描いてみました!
コメントからのリクエストがある場合のみ、みすずとなぎのセイシティブをかかせていただきます。
これからもよろしくお願いします。