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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
第1章 『閉ざされた部屋は何を語るか』
〜知恵と頭脳は紙一重〜
第3話 虚と嘘
『どういうことでしょうか?隠し事をしてるのは、奥様。ということは。』
私はカオリさんに紅茶を出す。
『はい、私、聞いてしまったんです。あれは、1週間程前の夜…。』
私は夜の見回りで屋敷を歩いていました。
そしたら、奥様の部屋の扉が少し開いていて…聞こえてしまったんです。
『これは、私への罰なのかしら…。あの子を産んだ…私への…。』
(罰…?一体どういう…。)
『主人とあの子は血が繋がってないことは…私が墓まで持っていく真実。誰にも…話してはいけない私の秘密…。』
(え……?旦那様とアリン様は血が繋がってない…!?)
『つまり、何らかの理由でアリンさんは他の男の子供を産み、それをドナルド様の子供として育てた…ということですか。』
『はい…旦那様は薄々気付いていたと思います。自分と似ていない子供の姿に…だから、その苛立ちをお2人にぶつけていたのだと…。』
『…。』
(嘘をついてるようには見えない…。)
私は仮面を外す。
カチャ…。
『麻里衣さん…?その瞳は…』
『怖がらないで下さい。生まれつきのものですから。』
(…真実か。ということは殺したのは
奥様かご子息のどちらか…か。奥様が殺したとしたら、愛する息子への愛の表れ。そして、息子が殺したとしたら…。)
自分の母親を守る為――。
『今の話を聞いて…メイドであるランさんの疑いは晴れました。彼女にドナルド様を殺すことは不可能です。』
『良かった…。』
『何故なら…。あれほど紐食い込むほど、彼女は強く紐を握れません。』
『…?』
『カオリさん。ありがとうございます。もう夜も遅いです。おやすみなさい。』
『は、はい…。』
バタンッ。
『主様、そのお顔は何か分かったのですね?』
『…えぇ。2人も見たなら分かるはずよ。あの遺体が表すのをね。』
紐は首に食い込むほど深く痕がついていた。
つまり、憎しみから来る…憎悪の力。
『後は密室の謎を解けばこの事件の犯人が分かるわ。ハナマル、ユーハン。明日、百合菜と一緒に奥様とアリン様に再び聴取をお願い。私の代わりにね。』
『かしこまりました、主様。』
『了解、任せとけ。』
次の日――。
私はドナルド様の寝室に向かう。
『……。』
(鍵はポケットに入っていた。そして、予備は奥様が持っている。普通に考えれば奥様の犯行だとは思う。でも…。同期はあれど証拠がない。密室の謎も解けないまま追求は出来ない。)
『…ん?』
私は入口のドアとは別にタンスに目をやる。
『…このタンス何か変ね。』
私は床を見る。
(どこからが動かした形跡がある。…隠し扉?)
私はタンスの至る所を触る。
『…隠し扉ではない。ということは…。
…流石に男手が必要ね。ハナマルを呼ばないと。』
一方その頃――。
『私が殺したって言いたいの!?』
『落ち着いて下さい、私は主様の命により貴方方2人に聴取をしています。』
『私は主人を殺したりしません、いくら家庭内暴力を受けていたとしても…私は…。』
『…じゃあ息子のあんたの方か?』
『俺じゃない!悪いのは――!』
俺は言葉を噤む。
『…っ、とにかく、俺と母さんは殺してない。そもそも素人目のお前達2人に分かるのか?』
『『……。』』
『ふ、2人のことを悪く言わないで下さい!』
2人の間に割って入る。
『『主様…。』』
『貴方は麻里衣さんの妹の…顔は似ているが大した才能なんてないんだろう?』
『っ…それは…。』
バタンッ!
私は足でドアを開ける。
『!!』
『失礼…。足が滑りましたわ。ご子息様、私の妹のことを悪くいうのだけは許しませんよ。』
『っ……。』
『ハナマル、ちょっといいかしら。』
『はいよ。ユーハン、ちょっと行ってくるわ。』
『百合菜。ユーハン。引き続きよろしくね。』
『はい。』
『う、うん。』
私はハナマルを連れて、寝室に向かう。
『このタンスを横にずらして欲しいの。
本はあらかじめ抜いてあるんだけど、私じゃ重くてね…。』
『力仕事に俺を呼んだわけか、ありがとな。まぁでも主様ならどけれそうだけど。』
『ふふ、あら、じゃあハナマルと二人きりになりたかったって言ったら良かったかしら?』
私はふふっと微笑む。
『はぁ、主様は本当、俺を弄ぶの好きなんだから…。』
(本気にするだろ。そんなこと言われたら。)
俺はたんすを横にずらす。
ゴゴゴ…。
『…ある意味、隠し扉だったわね。』
タンスの後ろから、隠し扉が現れた。
『入口の扉と。もうひとつあったってことか?』
『えぇ。床を見て気付いたのよ。』
私はドアノブに触れる。
ガチッ。
『鍵がかかってるか…。ハナマル、みんなのいるところに戻るわよ。』
『……。』
(口を割りませんか、まぁ私はあくまで時間稼ぎですが…少しでも役に立てるのなら…。)
コンコンッ。ガチャッ。
『奥様、鍵の予備の管理は貴方がしているそうで。』
『え?えぇ…。』
『では…。ドナルド様の寝室の鍵を下さい。』
『え……?』
『…お渡しできませんか?』
『寝室のドアの鍵はの本体は主人のポケットにあったんですよね?予備はもちろん私が持ってますが今、必要なんですか?』
『えぇ。寝室を調べて新たに分かったことがあるので。』
『!』
ご子息様の顔が明らかに悪くなる。
それを私は見逃さなかった。
『…カオリさん。鍵の管理室まで案内出来ますか?』
『え?えっと…。かしこまりました…。』
鍵管理室
『ここです。』
ガチャッ。
『待て!使用人でもない人にズカズカと入って欲しくない。』
『おや…。最初と随分態度が違いますね。悪魔執事の主と聞いて貴方方は他の貴族と違って温厚な方だと思いましたが…違ったようですね。』
『っ、鍵が必要なら俺が取る。これだろう?』
寝室の予備の鍵を取る。
『……。失礼ですが…私が欲しいのは――。
『もう1つ』の寝室の扉の鍵です。』
『は…?』
私はドナルド様の部屋の寝室の隣に置いてある鍵を取る。
『っ!!待て!!』
俺は後を追いかける。
『『主様!!』』
バタバタバタ…ッ!
『タンスの後ろに扉が……?』
私を追いかけて来たみんなが寝室へと入ってくる。
『…これは、ここの鍵ですよね?』
『く…っ。』
『さぁ、まずはこの部屋の密室の謎を解きましょうか。』
私は鍵を入れて捻る。
次回
第4話 止められない憎しみ
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天樹
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