テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
扉が閉まり、🩵が毛布にくるまって座ると、
💜はリュックから缶詰と小さな鍋を取り出した。
それを見た、確か🤍と🩷――俺より少し幼い二人――がすぐに動き出す。
🩷「腕振るわないとね〜」
🤍「頑張る」
二人は手際よく小さなガスバーナーを出し、火をつけた。
ほのかなオレンジ色の炎が、バスの中をやわらかく照らす。
寒かった空気が、じんわりと温まっていくのがわかる。
🤍「……それで、どこにいたの?」
🤍が鍋をかき混ぜながら🩵に尋ねる。
🩵は水筒を両手で抱えながら、少し遠くを見つめた。
「家にいたの。……でも、あの夜、光って……全部崩れて……気づいたら壁の下敷きになってた。
声を出しても、誰も来なくて……ずっと寒くて、こわくて……」
そこまで言うと、💜がそっと肩に毛布をかけ直した。
「偶然、近くを通ったんだ。……声が聞こえて、瓦礫をどかしたら……🩵がいた」
「そっか……」
🩷がうなずき、鍋の中のスープを木のスプーンで混ぜながら笑った。
❤︎「🩵の無事祝いってことか」
鍋からは、トマト缶とわずかな乾燥肉を煮込んだ匂いが立ちのぼる。
空腹だったせいか、その匂いだけでみんなの顔が少しほころんだ。
「あんまり笑わせないでよ。スープこぼすでしょ」
🤍が苦笑する。
それを聞いて、誰かがくすっと笑い、笑い声が少しずつ広がっていった。
バスの中にひびく笑い声は、小さくても確かにあたたかかった。
🤍「あ、ごめん。焦げてる」
🩷「!?エ!?先に言ってよ〜」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!