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バタン!家のドアを勢いよく閉め、
「ただいまー」
「「おかえりなさーい」」
とダイニングルームからの家族の声を聞きながら、 そのままズルズルと座りそうになる。
が、ふわりと私の鼻を掠める良い匂いに
その疲れは吹き飛んだ。
おっとっと、夕食が私を待っているわ!
私は急ぎながらも 靴を丁寧に揃え、 手洗い場まで急ぐ。
手を洗い、2階にある自室へと駆け、 鞄を勉強机の上に置き、 シュババッと部屋着になる。
そして自室をでて階段を駆け下り、
ダイニングルームに飛び込み席に着く。
この匂いは…!この匂いは…!
と私の予想があたっているならば…!
と考えているところで 隣に弟が座った。
「姉ちゃん、おかえり」
こいつの名前は 米沢 モブ男。
ではなく… 米沢 樹。
たまに素直じゃないツンデレ君。
容姿はお父さんに似て良い。
私にもその美貌を分けてほしいものだ。
「おかえり、菜摘。 」
お母さんが鍋を持ってキッチンから現れた。
お母さんもとっても美人で、
大学時代、お父さんがお母さんに一目惚れして、もうアプローチして今がある、らしい。
この話はまたいつか…
「さあて、今夜はカレーよ!」
お母さんの言葉に思わずガッツポーズをし、
樹に変なものを見る目で見られる。
そんなの気にしない!
ありがとうお母さん!
私!カレー食べたかったの!
お母さんも席につき、
「「「いただきまーす!」」」
私達は手を合わせた。
いつもならお父さんと
もう1人の弟、米沢 皐 と
一緒に食べるが、あいにく今日は
お父さんは出張中で
皐は部活仲間の家にお泊まりだ。
少し寂しいが、 夕飯さいこー!
時々、談笑を挟みながら 夕飯を食べる。
すると、お母さんから話を振られた。
「菜摘、 今日学校どうだった?」
お母さんの質問に、
学校で何かあったかなーと考えるが…
先程のことを思い出した。
それは頭の隅に追いやって
「うーん、いつも通りだったよ!」
笑みを浮かべながら言葉を返す。
さっきぶつかった人…同じ制服だった…
さっきの態度で、根に持たれていたら…
学校で出会ったらどうしよう!
不安な気持ちになりながら夕食を食べ終えた。
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夕食を食べ終えた私は 自室に戻り、授業の復習を始めた。
1時間がたち、予習も終わり、 時計は20:00を指していた。
ちょっと早いけど寝るかぁ。
お風呂に入り、体を軽く流した後
髪を緩くまとめて湯に浸かる。
口元まで浸かって、 今日の帰り道を回想する。
白くまさんも印象的だったが、
家の近くで会った あの人が1番印象に残った。
どうか根に持っていませんように!
そして出会いませんように!
だいぶ温まって湯船から上がり、
身体と髪を洗い、雑に髪を乾かして
風呂場をあとにした。
ベッドにダイブして布団を頭から被り、
すぐに寝ようと目を瞑ったが、
寝れなかった私はとうとう南極へ行って
シロクマを1000程度まで 数えたのであった。