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「つーか。この状況でお前に手を出さないとか、俺は褒められてもよくないか?」
「まあ、豆狸ですからね。そそられないのはわかります」
「なんだよ、襲っていいのか? 許可があるならいつでも手ぇ出すぞ」
「許可をもらってからそういうことになるのは、襲うとは言いませんね。合意でしょう」
「じゃあ、抱いていいのか」
「……ダメです」
桶川さんは意外に紳士だ。俺様なように見えて、私の心が追いつくのを待ってくれている。
でも私は、度胸があるように見えて、男女関係に関して言えばないのだ。
『俺はお前がいいんだよ』
彼がくれた言葉も、私はまだ、信じきれずにいる。
だって私はちびで童顔の豆狸で、顔もよくて背も高くて頭もいい(しかし口はやや悪い)完璧ハイスペック男に好かれるなんて、あり得ないことなんだもの。
きっと気の迷いだよ。ほら、背の大きい人には、小さいってだけで可愛く見えるものじゃない。
一応告白めいたことはしちゃったけれど、これ以上桶川さんに夢中になって、ぽいっと捨てられたら立ち直れない。
だから私はふたりの間に距離を置きたい。
このまま同居生活を始めちゃってから別れることになんかなったら、今度こそすべてを失って立ち直れなくなってしまう。
コメント
1件
おお、この番外編、めっちゃ良かった…! 桶川さんの「襲っていいのか」からの「合意でしょう」って返し、完全に彼のキャラ立ってて笑ったわ。でも本心では豆狸ちゃんの心が追いつくのを待ってくれてるってのがもう、尊すぎる…!一方で「俺はお前がいいんだよ」ってストレートな言葉を信じきれずに距離を置こうとする豆狸ちゃんの心情、すごく切なくてリアルだった。「ぽいっ捨てられたら立ち直れない」って気持ち、わかるよ…。これは続きが気になりすぎる🔥