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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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3話!!!

青桃、桃青(今回要素無し)


それでは、なんでも平気な方だけ、いってらっしゃいませ。



━━━━━━━━━━━━━━━


手洗いを終えて自分の部屋に戻る。

扉を閉めた。

自然と涙が溢れてきた。

なんで俺は、なんで俺は。

青「なんで、ふつうに、なれないん…?」

ずるずるとドア伝いに座り込む。

俺だって普通の恋愛がしたい。

普通に女の子を好きになって、普通に女の子と付き合いたい。

好きで男を好きになってるわけじゃない。

普通の恋愛がしたかった。

電気もつけないまま一人で泣き続けた。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

目を覚ます。

どうやら寝てしまっていたらしい。

体を動かす。

あれ、俺ベットで寝てたっけ?

確か、ドアの前で泣いて、そのまま寝た気がする。

白「いふ兄…、?」

白「起きたん?」

青「…初兎」

横には初兎がいた。

白「体調とか、大丈夫?」

青「…大丈夫やで」

白「…」

白「なんか、あったん?」

初兎の声は、震えていた。

青「…」

このことは、初兎に言ってもいい事なのか。

兄として、こんなことを弟に相談してもいいのだろうか。

答えはNOだ。分かりきっていた。

言えるはずがない。

こんな気持ちを弟に打ち明けられるほど、俺は強くない。

青「…なんもないよ。大丈夫やで。心配せんといて」

白「じゃあなんで泣いとったん?」

そう言葉を発する初兎の表情は、俯いていてよく見えない。

白「帰ってきて、ただいまも言わんで」

白「一人で、ドアの前で」

白「…これでどうやっていふ兄の『なんでもない』を信じろって言うん?」

青「…、」

上手い言い訳が思い付かなかった。

全部見られてたなんて、知られていたなんて知らなかった。

白「今だって僕に嘘着こうとしとるやろ。」

白「必死に考えてるやろ」

青「…」

白「…相談するって、約束したやんか…」

白「…僕に言えないなら、悠くんでもええやん。…誰もいふ兄のこと怒ったりとか軽蔑したりとかせぇへんし、みんないふ兄の味方やから」

白「…やから、抱え込まんで」

白「いふ兄は1人やない。やから俺らを頼ってや」

青「…ごめんな」

青「心配かけてごめんな。」

青「…それと、ありがとう」

白「…!」

青「まだ、言えるほどの勇気はないんやけど」

青「…ほんまに辛かったら、絶対相談するから安心してや」

これは、言っていい事じゃない。

青「ほんまごめん。色々思い出して」

白「…」

白「…嘘つくぐらい、僕たちには言えないこと?」

青「バレてまうかぁ。」

青「せやなぁ、まだ言えへんなぁ」

白「…」

青「でも、ちゃんと相談するよ。やから安心して」

きっと言う時はこないけれど。

白「…絶対ね」

青「おん。絶対な」

白「誰も迷惑とか思わんから、頼ってな」

白「…余裕ある時で、ええからさ」

そういう初兎の笑顔は、酷く優しかった。

俺には、見合わないほどに。

青「…うん。」

青「よし、じゃ、飯食いに行こか」

白「うん!ちなみに、今日ハンバーグらしいで」

青「まじ〜!?楽しみやなぁ」

白「ほらっ、いふ兄早く〜!!」

青「はいはい、今行くから」


言えない。

初兎を苦しませたくない。

俺の事で、初兎を落ち込ませたくなんてない。

言えない。

言いたくない。

これは一人で解決しなきゃ。




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