3話!!!
青桃、桃青(今回要素無し)
それでは、なんでも平気な方だけ、いってらっしゃいませ。
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手洗いを終えて自分の部屋に戻る。
扉を閉めた。
自然と涙が溢れてきた。
なんで俺は、なんで俺は。
青「なんで、ふつうに、なれないん…?」
ずるずるとドア伝いに座り込む。
俺だって普通の恋愛がしたい。
普通に女の子を好きになって、普通に女の子と付き合いたい。
好きで男を好きになってるわけじゃない。
普通の恋愛がしたかった。
電気もつけないまま一人で泣き続けた。
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目を覚ます。
どうやら寝てしまっていたらしい。
体を動かす。
あれ、俺ベットで寝てたっけ?
確か、ドアの前で泣いて、そのまま寝た気がする。
白「いふ兄…、?」
白「起きたん?」
青「…初兎」
横には初兎がいた。
白「体調とか、大丈夫?」
青「…大丈夫やで」
白「…」
白「なんか、あったん?」
初兎の声は、震えていた。
青「…」
このことは、初兎に言ってもいい事なのか。
兄として、こんなことを弟に相談してもいいのだろうか。
答えはNOだ。分かりきっていた。
言えるはずがない。
こんな気持ちを弟に打ち明けられるほど、俺は強くない。
青「…なんもないよ。大丈夫やで。心配せんといて」
白「じゃあなんで泣いとったん?」
そう言葉を発する初兎の表情は、俯いていてよく見えない。
白「帰ってきて、ただいまも言わんで」
白「一人で、ドアの前で」
白「…これでどうやっていふ兄の『なんでもない』を信じろって言うん?」
青「…、」
上手い言い訳が思い付かなかった。
全部見られてたなんて、知られていたなんて知らなかった。
白「今だって僕に嘘着こうとしとるやろ。」
白「必死に考えてるやろ」
青「…」
白「…相談するって、約束したやんか…」
白「…僕に言えないなら、悠くんでもええやん。…誰もいふ兄のこと怒ったりとか軽蔑したりとかせぇへんし、みんないふ兄の味方やから」
白「…やから、抱え込まんで」
白「いふ兄は1人やない。やから俺らを頼ってや」
青「…ごめんな」
青「心配かけてごめんな。」
青「…それと、ありがとう」
白「…!」
青「まだ、言えるほどの勇気はないんやけど」
青「…ほんまに辛かったら、絶対相談するから安心してや」
これは、言っていい事じゃない。
青「ほんまごめん。色々思い出して」
白「…」
白「…嘘つくぐらい、僕たちには言えないこと?」
青「バレてまうかぁ。」
青「せやなぁ、まだ言えへんなぁ」
白「…」
青「でも、ちゃんと相談するよ。やから安心して」
きっと言う時はこないけれど。
白「…絶対ね」
青「おん。絶対な」
白「誰も迷惑とか思わんから、頼ってな」
白「…余裕ある時で、ええからさ」
そういう初兎の笑顔は、酷く優しかった。
俺には、見合わないほどに。
青「…うん。」
青「よし、じゃ、飯食いに行こか」
白「うん!ちなみに、今日ハンバーグらしいで」
青「まじ〜!?楽しみやなぁ」
白「ほらっ、いふ兄早く〜!!」
青「はいはい、今行くから」
言えない。
初兎を苦しませたくない。
俺の事で、初兎を落ち込ませたくなんてない。
言えない。
言いたくない。
これは一人で解決しなきゃ。
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