⚡️side
ビームとバディを組んで2週間半。
最近ビームがおかしい。
「オイビーム!今日も任務行くぞ!」
「…ア、ギャ、ギャ!」
なんかミョーにボーっとしてるし。
「天使!」
「ん〜?なに?また相談?」
他の奴とばっか話してるし。
何より一番の問題は…
「オッシャー!悪魔倒したぜ!」
「チェンソー様天才!天才!」
「オウ!」
「ギャ!」
「…」
「?」
―スキンシップが減ったことだ。
いつもはベタ褒めした後すぐにでも抱きつこうとしてくるのに。
ビームのスキンシップを何処か欲している自分が―
いや、そんな事はない。
デンジの座右の銘は「男は全員大嫌い」。
だからそんな事ない…と思っている。
🦈side
「無闇にチェンソーくんに近づかない方がいいよ。」
「ギャ?」
デンジとバディを組んで一週間半。
天使の言う事にビームは首を傾げる。
何故デンジに近づかない方がいいのか。
その理由を天使は話し始めた。
「ほら、男嫌いなのに男に抱きつかれるとか、チェンソーくんは嫌だと思うんだよね。」
天使は言葉を選ばずに話す。
「その事で嫌われかねないし。だから、少し控えてみてよ。」
「ギャ!オレ、チェンソー様に抱きつくの控える!」
「うん。1週間位頑張ってみてよ。」
それじゃ、と天使は天使のバディであるアキの元へ向かった。
⚡️&🦈side
「ギャ…チェンソー様…?」
「…」
「ギャウ…どうして…」
アキの家、デンジの部屋。ビームは困っていた。
何故ならデンジに抱きしめられているからだ。
こうなったのは、ビームが約1週間半何もしてこなかったから。
この事に気付いた後も暫く何もされない状況が続いた。
「ギャウ…離してくださ「無理に決まってんだろ。」
デンジは言葉を遮った。
もう我慢の限界だったのだ。
自分には素っ気なくされ、他の奴と嬉しそうに話しているのを見る日々。
「なぁ、ビーム。」
デンジは今一番の疑問をビームにぶつける。
「…嫌いになったか?俺ン事。」
「チギャウ!」
ビームはすぐに否定する。
「チギャウ…オレチェンソー様の事嫌いじゃない…」
「ならなんで…俺以外の奴とばっか話してんだよ…!」
「それは…」
言えなかった。
デンジの事が好きで、嫌われたくなかったから。
それだけの理由だが、“それだけ”とは表せない位の理由だった。
この関係が崩れて欲しくない。
せっかく自分に心を開いてくれたのに、嫌われたくない。
「…」
「黙ってたらわかんねぇよ…」
「ごめんなさい…チェンソー様…オレ、言えない…」
「…」
デンジは黙ったままビームから腕を離す。
「待ってチェンソーさ「ビーム」
「俺ァ用事あるからもう行くわ。」
デンジは自室の扉をバタリと閉める。
「ア…」
ビームはどうすれば、と悩むしか無かった。
―崩れかかっているこの関係を直すには、どうすれば、と。








